第12話
光がおさまると、後には海賊の人形、パンダのぬいぐるみ、ゼリーが残っていた。
研究所にて、博士は呟く。
「やれやれ。あいつら、やはりひっかかりおったか……。所詮は失敗作よ……」
博士はパイナップルを蹴飛ばす。
博士には、一つの目論見があった。
それは、物に思考を与え、命令を下すこと。
シンプルなようで、それは大きな影響を与える。
想像して欲しい。もし、あなたの身近なものが急に意思を持つようになったら……?
あなたが見ているスマホやパソコン。包丁などの危険物、タンスなどの大きいもの。それらが襲ってきたら、誰が防げるだろうか。
博士はあらゆるものを自分の手駒とすることを思いついた。成功すれば社会は混乱に陥り、経済は破綻、政府は信用を失うだろう。
全てを思い通りにできる。
だが、上手くいかなかった。
「考えるという行為に慣れていなかったのが悪かったのか……。出来上がったのは、制止が聞かぬ、馬鹿なやつらばかりじゃった……。他の人間には、普通の人ように見えるようにはしていたが、もはや儂だけでは抑えられん。
変な行動ばかりするうえに、誰も修正するやつがいなかったせいで、凄まじいカオスが生まれておったわ……」
博士は大きな溜め息をついた。
「ばかばかしい行動ばかりして、使えぬやつらじゃったが、まあいい。
サンプルを元に、さらに優れたものを造り出せばいいだけのことじゃ」
博士は笑う。
博士の研究所は、今日も明かりがついている。




