第10話
「パナップ!パナップはいるか!」
「ここだよー!博士!」
「おお、そこか」
博士はドタドタと走ってきた。
「僕の家におしかけてきて、どうしたんだい?」
「パナップ、面白い機械ができたんじゃよ」
「え!?また!」
パナップは目を輝かせた。
「見たまえ!これが『未来体験機』じゃ!」
博士はポケットから小さい機械を取り出した。
緑色で、バスの「次止まりますボタン」のような形をしている。
「これを使えば、5秒後の未来に生けるのじゃ!」
「すごいや、博士!
早速使おうよ!」
「よしよし。これをこうして……」
博士がボタンをポチッと押す。
「5秒にレッツゴーじゃ!」
「博士ここが?」
「そうじゃ、5秒後の未来じゃ。もう終わったけどの」
博士はあっけらかんと言った。
「終わったの?」
「儂がレッツゴーとか言ってる間に終わったわい」
「ねえねえ!5秒後に行った僕の体はどうなってるの?」
パナップはわくわくして聞いた。
「そりゃ、他の人が5秒後になるまでフリーズして待つんじゃよ。さっき儂の声があとでもう一回聞こえたじゃろ?」
「うん!あれは5秒前の博士の声なんだね!」
「そういうことじゃ!」
博士が威張った。
「僕にも貸してよ!」
「ダーメーじゃー!これは難しいんじゃ!」
「貸してよ!ちょっとだけ!」
「ダメじゃー!これは儂のもんじゃー!」
「えいっ!」
パナップがジャンプをして博士から機械を取った。
博士が取り返そうと機械を掴んだ。
もみ合っている時に、お互いに気づかずにボタンを何回も押していた。
「はあっ、はあっ。パナップ、お主もしつこいのー。じゃが、勝ったのは儂のようじゃ」
パナップは頬を膨らませる。
「分かった分かった。あと一回だけやろうな?な?」
「それならいいよ!」
パナップは機嫌をなおす。
博士はボタンを押す。
「5秒後にレッツゴーじゃ!」
「畏まりました。216回、実行致します」
「ん?」
二人は顔を見合わせる。
声があとから聞こえてくる。
「5秒後にレッツゴーじゃ!」
「5秒後にレッツゴーじゃ!」
「5秒後にレッツゴーじゃ!」
「5秒後にレッツゴーじゃ!」
「5秒後にレッツゴーじゃ!」
「5秒後にレッツゴーじゃ!」
「5秒後にレッツゴーじゃ!」
「5秒後にレッツゴーじゃ!」
「5秒後にレッツゴーじゃ!」
「5秒後にレッツゴーじゃ!」
「5秒後にレッツゴーじゃ!」
「5秒後にレッツゴーじゃ!」
「5秒後にレッツゴーじゃ!」
「5秒後にレッツゴーじゃ!」
「5秒後にレッツゴーじゃ!」
「5秒後にレッツゴーじゃ!」
「5秒後にレッツゴーじゃ!」
「5秒後にレッツゴーじゃ!」
「5秒後にレッツゴーじゃ!」
「5秒後にレッツゴーじゃ!」
「5秒後にレッツゴーじゃ!」
「5秒後にレッツゴーじゃ!」
「5秒後にレッツゴーじゃ!」
「5秒後にレッツゴーじゃ!」
……………




