魔蜂、魔狐、魔狸、眷属GETだぜ?
昼食も終わった。
出発前にオシッコである。
陣地の外れに花が咲いている。
そこにくれたら栄養になるんじゃないか、なんて思ったのだ。
何せ水魔法レベル4のオシッコだからな……ジョロロとひり出すと、ブ~ンと蜂が飛んできた。
ヤバ。
隠れていた蜂にぶっかけてしまったようだ。
どうやらオシッコかけて眷属になったりはしないらしく、反撃される。
ブスッ!
結構痛かったが毒が回る前に治癒。なんてことはなかった。
「ご主人様、これからよろしくお願いします」
うむ。眷属が俺をご主人様と呼ぶのはデフォなんだろうか?
魔蜂が眷属となった。
針で刺すときに当然俺の血を吸うからな。
オシッコの肥料としての性能チェックが一番だったが、蜂を見つけた瞬間に、刺されたら労せず眷属に出来るな~と思っていたんである。
危険があれば魔魚が飛んでこないわけがないからな。
魔蜂のティムに関しては楽勝だったということだ。
ちなみに魔蜂はメス。
オスと違ってハチミツ集めは出来ないが、子供を産んで働かせられるらしい。
女王蜂だった。
母蜂の巣から分かれてこれから自分の巣をってところだったらしい。
すぐ産卵というわけでもないので付き合ってくれるそうだ。
ハチミツに関してはもう少し先になるが、しかしこれで塩(岩塩の製錬)に続いて砂糖もGET。
どんどん生活が向上していくな~。
ブ~ン。
空からの偵察。なかなか優秀である。
「ぐぬぬ」
「ふっふっふ。兎も頑張らないといけませんね」
「お、奥様ッ!」
魔魚はそういうが魔兎は魔兎で役に立ってるんだけどな。
水の魔魚。
空の魔蜂。
地上は、魔兎しかいないんだから。
俺はディフェンス専門で戦力にならんし。
魔兎が手柄を立てる状況にならないのは僥倖である。
魔兎本人は手柄が欲しそうだが、勘弁してくれ。
安全確保したまま、水路を作っていく。
川
川
川 〇
〇
滝 〇
〇
川 〇 水たまり
川 〇 (砲台)
川 陣地〇〇〇
川 イケス
川
川
川===水路=========〇現在地
(ため池)
→進行方向
水路と言っても高低の一番下から上へと向かっている。
当然、水が高い方に登ったりはしない。
せっかく水たまりを連結しても川下の方に流れて行ってしまう。
どうする?
俺がウォーターウォールを作成、川から水を転移させていく。
途中でバチャッと落ちる。
流れて行ってしまう前にまた上流に転移という作戦だ。
何度か繰り返し、途中でため池を作る予定の場所まで到着した。
このため池に水をため、一回戻る。
待機してくれていた息子たちを連れて再度進行開始!
ウォーターウォールをちりとり状に形成、水を押し上げながら、ガーッとため池までダッシュだ。
何せ、制限時間が来たら、水は下流に流れてしまう。
その前に登る!
「ふう。何とか間に合ったか」
ウォールの展開時間は伸びているが、俺が疲れて走り切れなかった。
歩いて10分ってところか?
ため池まで全員そろって到着である。
ここまで一時間で完成。よいペースだ。
この間、魔兎は魔魚の入ったバケツを抱えて護衛だ。
水路の完成までは魔兎の脚力だよりである。
さすがの魔魚もため池まで一気には飛べない。
水路が完成し、水が流れ始めたら、ホップステップと複数ジャンプで一気なんだろうが。
それまで魔兎頼みである。
「うむう」
本人は不満そうだが。戦いたいのか?
しょうがない。狩りをさせてやるとするか……というか普通にしてれば俺が餌になって肉食の魔物が釣れる。
基本、この森の生物は肉食だというしな。
魔蜂が偵察してくれているんで問題ないだろう。
ヒャッホ~と狩りに出発していく魔兎。
「あんまり離れるなよ~」
「蜂さんもいらっしゃるので大丈夫です~」
さすがに魔兎を倒せる魔物がいるとは思えん。
最悪スピードを生かして逃げかえれば、魔魚の射撃で一撃だ。
さっきの方式で今度は上へ登っていく。
ついでに水たまりも設置。
川と水路の間に砲台とするのだ。
ここに魔物を誘い込む。
まったく予想していない死角に魔魚が出現→狙い撃ちという作戦。
つまり水路の中の陣地は俺たちの狩場でもあるというわけ。
そのため水路はそれほど大きくする気はない。
川幅を大きくし過ぎると獲物になる魔物が渡れなくなってしまう。
畑用の水の排水という本来の役目と、魔魚たちの足場用である。
魔兎がいないので魔魚はバケツの中で護衛だ。
ううう。水の入ったバケツ重い。
それでも安全マージンは大事。
護衛なしでは俺なんてあっさり死にかねない……治癒できる保証なんてないんだから。
魔蜂さん、上空からの索敵お願いしゃーす。
魔蜂がぶーんと返事するように羽を振るわせた。
川 陣地〇〇〇 ↑
川 イケス 〇 ↑進行方向
川 砲台〇 ↑
川
川===水路======〇ため池
予定通り進んでいく。
バケツ運びもあって倍の二時間くらいかけ、曲がり角、二つ目のため池候補地までもうすぐってところで、魔蜂の声が!
「ご主人様、獲物です! といいますか魔物です!」
獲物って正直に言っちゃってるがな。
水路の向こうを見るとなるほど、二匹の魔物がこっちに向かっているのが見える。
あ。ちょっと逸れた。
俺の姿を見て逃げるということは、俺を餌にってわけじゃないらしい。
シンプルに魔兎に追われてこっちに逃げてきただけなようだ。
「甘いな。挟み撃ちするのは俺じゃない」
バケツから砲台(水たまり)へ転移する魔魚が、獲物の足を打ち抜いた!
ドテっと倒れる。
ほほ~、キツネね。う~んキツネってうまいのか?
牛や豚なら美味しそうなんだが。
もう一匹がキツネを見捨てて逃げるが、そっちは子供たちが、回り込む。
オオッ!
獲物を前に、子供らにも何匹かに転移能力が発動したようだ。
空だったはずの砲台から砲撃が。
ビシュ! ズバッ!
倒れこんだ二匹目は……タヌキだった。
「やるな息子」
「母上の戦い方を見習いました」
お手柄についつい息子って言っちまった。
ん~。
メダカくらいの大きさなのに声がイケメンである。
どっから声出してるんだろう?
とまあ、このように。
魔魚だけでもチートなのに複数のスナイパーに狙われることとなった魔物は、俺たちの陣地に入り込んだ時点で袋のネズミ、抗うすべのない獲物ってわけだった。
魔兎が追い付いてくる。
「どうでしょう、ご主人様?」
「いいな。さすがだな魔兎」
「えへへ~もっと褒めてください~」
さすがの意味は、獲物を追い込んだことじゃない。
魔兎の力なら、こんなキツネやタヌキは瞬殺可能のはず。
そうしなかった理由がこれ……
ボオオ!
キツネの魔物の繰り出す火魔法だ。
もっともこんなしょぼい火ではウォーターウォールの防壁を突破できるはずがない。
すぐにMP切れとなる。
「だが、これは使えるな。主にマッチやライター代わりにwwww」
ズガアッ!
一方タヌキは土魔法、地面がヤリのように盛り上がる。
が。
一瞬でドロドロに崩れる。
土の中に含まれる水分操作はお手の物なんである。
どんだけ土木工事で練習したと思ってるんだよ。
しかしこれも使える。
水魔法で水路は作れるが基本、土木工事向けじゃない能力。
一度水を通したあとの整地に自信がなかったんだが、土魔法使いがいればもってこいだ。
今のところ俺は水魔法しか使えないからな。
「こいつは俺の代わりに力仕事を頑張ってもらおう。というわけで二匹ともティムすることに決定だ」
「やった~」
喜ぶ魔兎。
褒美に先に二匹に魔兎の血を与えさせる。
どうもこうすることで上下関係がはっきりするようだし。
新人はあくまで新人。
古株の魔兎が目上ってもんである。
「ごじゅじんじゃまあ~♡」
グズグズと泣き出した。よほど嬉しかったらしい。
それほど不安だったということか。
すごく可愛い魔兎だった。
これで兎獣人な美少女ならバッチリなのだが、魔兎は今はただの兎、それも魔物なのでかなり凶悪な表情だ。残念wwww
気長に獣人美少女に進化するのをまつことにしよう。
魔魚に手の平を切らせ、俺の血を二匹へ与える。
すっかりお約束の儀式だが、正妻である魔魚だ。
新たに眷属を加える儀式を仕切るのは当然かもしれないな。
「「ご主人様、よろしくお願いします!」」
やはり眷属が俺を主人と呼ぶのはデフォルトのようだ。
魔魚、魔兎、魔蜂に続いて、魔狐、魔狸が俺のハーレムに加わった。
『水魔法レベル5!』




