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失恋勇者~世界を売った少女と始める異世界往来記~  作者: szk
第二章 世界を売った少女
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第三章予告~アサガオの伝説~

 アサガオ――ヒルガオ科サツマイモ属の一年性植物。

 学名はIpomoea nil。 英名はモーニング・グローリー。

 薄く繊細な花を開かせ、その多くは花開したその日のうちにしぼむ。

 花言葉は、「はかない恋」、「愛情」、「固い絆」

 朝開くと思われがちなその花は、夜明け前には既に美しく花弁を開かせているという。

 そう、言うなれば、『夜明けを呼ぶ花』だ――




 あの屋上での戦いの後、気付くと吾妻は病院のベッドの上にいた。

 ふと周りに目をやると、枕元では幼馴染の天城 毘奈が泣きそうな顔で吾妻を見つめていた。

 傷つき、疲れ果てた吾妻は、屋上で気を失って病院に運ばれていたのだ。



 まどろみが覚めやらぬ中、消えていく霧島 摩利香のことを思い出した吾妻は、枕元の天城 毘奈に彼女を見なかったかと問い掛ける。

 天城 毘奈は訝しみながら返答する。



 霧島 摩利香とは誰か? と……。



 天城 毘奈の反応に青ざめる吾妻は、霧島 摩利香と過ごした思い出を必死に説明する。

 しかし、吾妻の口走ることに全く心当たりのない天城 毘奈は、彼がおかしくなったと思い、悲痛な表情で涙を流した。



 天城 毘奈同様、クラスメイトや軽音部員、誰に聞いても、霧島 摩利香のことを覚えている者はいなかった。

 霧島 摩利香はその姿形だけではなく、存在さえもこの世界から消え去ってしまっていたのだ。

 吾妻は僅かな手掛かりを元に、何とかもう一度彼女に会う方法を探して奔走する。



 苦心の末、再びハシエンダの地へ辿り着いた吾妻に襲い掛かる謎の魔獣。

 そして、吾妻の前に現れる、燃えるような赤い瞳をした女騎士、ジャスティーン。

 それは、彼の運命を大きく変える出会いだった。



 暁の騎士ジャスティーンと少年の決意が、深淵に沈みゆこうとする世界に大いなる夜明けをもたらす。



 吾妻は誓った。もし霧島 摩利香の運命がどうしようもない悲劇で塗り固められているのなら、自らの手で何度でも塗り直そうと。

 でたらめなくらい鮮やかな青い空を、豊穣と作物の実る田園を、幸せそうに煌々と灯る街の光を、色とりどりに咲き乱れる花々を……。

 それが希望の色で染まるまで。



 ――だから少年は旅立ったのだ。

 世界から忘れられた少女を探して。

 夜明けを呼ぶ花を手に。

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