第一話 茨の少年 【RE版】
よくある異世界転移ものですが、異世界と現実世界を半々くらいで行き来しながら物語が進行して行きます。勿論異世界で強い敵とも戦ったりしますが、現実世界での主人公のへたれっぷり、失恋や葛藤、学校や部活などでの出来事を皮肉交じりに、時にシリアスに描きました。
一度完結している作品ですが、タイトルと第一章の出来がだいぶ心残りであった為、タイトルを変更し、第一章のみリメイクしてあります。
全体的に湿っぽかった話を、第二章以降の作風に近い、シニカルでユルイタッチで再構成しています。前よりとっつきやすくなってると思いますので、是非お読み下さい。
★★【短編新作】2021年8月17日投稿★★
『霧島 摩利香は学園最凶である? ~学園最凶美少女とのすっごく危険な青春ラブコメ はじまりの物語~』https://ncode.syosetu.com/n6095hd/
※本編のキャラクターを使った、現実世界が舞台のラブコメ作品です。短編にて投稿してますので、是非こちらもお読み下さい。
あー……えーと、何から話そうか。
重厚でクソ真面目な異世界英雄譚みたいな話を期待していた人は、どうかあまりかしこまらないで聞いてもらいたい。
ただ主人公が意味もなく無双する、気楽でスカッとするような話を想像してたら、がっくりきてしまうかもしれない。
いきなりこんな意味不明な引用で始まって申し訳ないが、我慢して欲しい。
仕方ないんだ、彼女の趣味なんだから。
ジム・モリソンは言っていた。“世界には既知のものと未知のものがあって、その間には扉がある”のだと。
一体何のことやらって感じだろ?
要は、世界は不思議でいっぱいで、彼女はその不思議の扉を開いたってことだ。
そう、全ては彼女の夢、世界を売った少女の夢なんだ。
だから、それは一括りに物語とするには些か取りとめがなくて、神話と呼ぶにはだいぶ仰々しい。
そして僕は、まだロクでもない思いを心に抱えこんだ、痛くてどうしようもない少年だった。
まあそれじゃ、あまりにもかっこつかないから、せめて少し詩的で気取った呼び方にさせてくれ。
――『茨の少年』とでもね。
高校生活が始まってから2カ月が経過し、季節は憂鬱な梅雨の時期になっていた。
元々どん底な気分であった僕は、毎日のように続くこのぼんやりとした曇り空に、ほとほと心をやられてしまっていた。
ホームルームの余韻が覚めない雑然とした教室で、名前もうる覚えのクラスメイトたちが、相変わらずどうでもいいことで馬鹿騒ぎしていた。
そんな空間が吐き気を催すくらいうんざりであった僕は、逃げ帰るようにそそくさと教室を出る。それだけじゃない。あんまりのんびりしていると、うっかり会いたくない奴と出くわしてしまうからな。
廊下でも動物みたいに「キーキー」と馬鹿騒ぎしている奴らを掻き分け、僕はやっとの思いで昇降口に辿り着く。一息吐いて上履きを脱ぐと、僕はまだ人影のまばらな校庭のその先に、ひっそりと浮かび上がる正門を見つめた。
そして、溜息を吐きながら下駄箱に手をかけようとした時、後ろから不用意に呼び止められる。
「吾妻! ちょっと話があるんだけど、いいかな?」
聞き慣れた声に僕はぞくりとして振返る。そこに立っていたのは、程よく日に焼けた血色の良い肌が印象的な、整った顔立ちの快活そうな少女だった。僕は堪らず顔をしかめる。
――僕には幼馴染がいた。
天城 毘奈という僕の幼馴染は、勉強も運動もでき、友達も多くて、挙句に見た目だって可愛い、憎らしいくらい非の打ちどころのない奴だった。
僕らは家が近く、親同士も仲が良かった為、物心ついた頃にはすぐ横にいて、一緒に遊んだり、どこかへ行ったり、喧嘩したりした。まあ、腐れ縁ってやつだ。
兄妹のように育った僕らは、中学校に入って思春期を迎えてもその日常は変わらず、ときには同級生に揶揄われたりもしたが、それ程は気にならなかった。
しかし、未来永劫揺りかごから墓場まで続くかに思われた僕らの関係は、高校生になるとあっさり終りを迎えた。毘奈に彼氏ができたのだ。
別にいいじゃないか。そりゃ、年頃になれば彼氏の一人二人、普通の女子高生ならできるってもんだ。
僕も頭ではそんなことわかったつもりだったけど、屈辱的とも言えるような途方もない喪失感を味わっていて、あろうことか見っともなく毘奈を避けていたんだ。
僕はおそらく、あからさまに嫌な顔をしてしまっていたのだと思う。だけど、必死に何気ない感じを装おうとした。
「……げっ! ああ、ひ、毘奈じゃないか」
「“げっ!”って何!? 携帯のメッセージもまともに返さないでさ!」
毘奈はばつの悪い僕に対して、全く遠慮もせずにまくし立てるように言った。
先月、毘奈に彼氏ができたことを知った日から、毘奈とは面と向かってちゃんと話をしていない。僕はそれが世に言う失恋だったとも認められず、毘奈から尻尾を巻いて逃げ出したんだ。
悔しいが、毘奈はいっぱい友達がいて陸上部のエースで、教師受けだっていい。ルックスも控えめに言って人並み以上だ。
まあ、本来僕なんかにとっては、眩しさに目を覆いたくなるようなところにいる奴なんだ。
嫌味かっていうくらい完璧な彼女と、幼馴染ということだけで何とか保たれてきた僕のちっぽけな自尊心は、この綻びと共にあっけなく崩れてしまった。所詮幼馴染なんてのは、都市伝説みたいなもんなんだ。
僕は毘奈を失ったことを受け入れることができず、今の自分の内側を曝け出すのが怖かった。
何事もなかったように日々を送ろうとしたが、全く上手くいかなかった。おかげで僕の夢と希望に溢れた高校生活は、ハナッからダムでも決壊したみたいにぐちゃぐちゃだったのだ。
正直、何を喋ったらいいのか分からず、僕は適当に誤魔化して逃げようとする。
仕方ないじゃないか。僕は今、世界中のどんな凶悪な殺人鬼よりも会いたくない奴と鉢合わせてるんだからな。
「あ、俺用事があるからさ、また今度!」
「用事って、どうせまた本屋さんでエチィ本でも立読みするだけでしょ?」
さすが幼馴染だ。僕がこの後何をするかまで全て読まれていた。……って、昼間っから制服でエロ本なんか立読みするわけないだろ。
きっと以前の僕らだったら、そんなロクでもないやり取りをしていたんだろうが、今はとてもじゃないがそんな気分にはなれなかった。
とりあえず、今は何とか彼女から離れないといけない。僕は適当な言い訳を考える。
「あ、教室に忘れ物した! じゃ!」
「ちょっと、吾妻! 待ってよ!」
僕はそのまま廊下を駆けだしていた。どこへ向かえばよいのかもわからず、感情の赴くまま、ただ彼女のいない場所を目指した。
校舎を馬鹿の一つ覚えみたいに上へ上へと向かい、後ろも振り返らずに息を切らして走り続けた。気付くと、僕は何かに導かれたかのように、屋上へ通じる扉の前にいた。
恐る恐る扉を開ける僕。初めてこんなところに来たが、鍵は開いていた。そこは四方を檻のように格子状のフェンスが囲い、この日の空と同じようなぼんやりとして無機質な灰色の地面が横たわっていた。
息を整えながら、僕はフェンスの方までゆっくりと歩き出した。
空は相変わらずどんよりとしており、遠くの景色を必要以上にぼやけさせる雲が、よく見慣れた街並みをいつもより暗い印象で覆っていた。
「最低な日だな……」
いつ雨が降りだしてもおかしくない、コンクリート色の雲が幾重にも重なる淀んだ空の下に、僕はそう呟き、項垂れるようにしゃがみ込んだ。
あからさまに避けていることも、毘奈にはわかってしまっているのだろう。あいつはムカつくくらい勘が良いからな。
惨めだった。こんな態度をとって彼女の気を引き、心配させて、僕は一体何と戦っているんだろう?
こんな僕をせせら笑うように、曇り空の下の校庭を馬鹿騒ぎしながら下校したり、学校の名前をアホみたいに連呼しながら走り始める運動部の連中の声が耳に刺さった。
「……はあ……はあ、吾妻! ……何で逃げるの!?」
息を切らせながら、毘奈が屋上の階段室から出て来る。思ったよりも早かったな。僕の考えることなど、幼馴染の毘奈には簡単にわかってしまうんだ。
最悪だ。逃げたのが完全に裏目に出ている。いっそ観念して素直に言ってみるか? 「あなたに彼氏ができたせいで、いじけてます。どうかこの惨めな僕をほっといて下さい」ってな。
まあ、そんなこと本気で言えるくらいなら、こんな見っともないことにはなってないんだろうけどさ。
できることなら、ここから飛び降りてでもどこかへ行きたかった。そんな僕の気持ちを知ってか知らぬか、毘奈はどんどん僕の元へ距離を詰めてくる。
「吾妻、私のこと避けてるんでしょ?」
「……別に、そんなこと」
御明察である。図星過ぎてグーの音も出ない。僕は罪悪感から、憐れみに満ちた毘奈の瞳を直視できなかった。
「何でもいいだろ! 俺に構うなよ!」
「いいわけないでしょ! 幼馴染なんだから、気になるでしょ!」
「保護者面すんなよ! だからお前は、昔からウザいんだよ!!」
よしておけばいいのに、僕は痛いところを突かれて乱暴な口調で不満をぶちまけた。
これじゃあ恥の上塗りなんだけど、この時の僕にはそんな風に強がるくらいしか、僅かに残ったなけなしの自尊心を保てなかったんだ。
毘奈は厚い唇をつぐんで、眉をひそめた。その表情を僕は何度も見たことがある。毘奈と喧嘩をするとき、彼女は決まってこういう顔をする。
ただ目の前の毘奈は昔とは違って見えた。普通に見れば、垢抜けた印象の短いスカートも、最近始めたと思われる薄化粧も、僕には何か不浄なものに見えて我慢ならなかった。
要は、どこの馬の骨かもわからないロクでもない男の為に、色気づいていく彼女が許せなかったってことさ。痛すぎて涙が出てくる。
「吾妻とは大きくなっても、ずっと変わらずにいられると思ってたのに……」
「それは……俺だってそう……ああ、もう! お前はいいよな、勉強も部活も上手くいってて、彼氏までできてさ! まさに我が世の春だろうな! お前みたいな今をときめく女子高生が、俺なんかと一緒にいたら後ろ指差されるぜ?」
「吾妻……」
ああ、もういっそ殺してくれ。僕はこの状況に耐えられなくて、恥も外聞も捨てて、わけのわからんことをぶちまけてしまっていた。
一体、僕はどこまで墓穴を掘れば気が済むんだよ。深く掘り過ぎて、温泉でも出てきちゃいそうだった。
まあ、こんなこと普通の女の子に言ったら、百億パーセント引かれるんだろうけど、最悪なのは毘奈は善良で無邪気で優しく、そしてとてつもなくお節介だってことだ。
「そんなことないよ、吾妻! 吾妻だって頑張れば友達いっぱいできるし、きっと可愛い彼女だってできるよ! 私も幼馴染として応援するからさ! 今度私の友達と一緒にさ――」
「お願いだから、いい加減帰ってくれ……」
ダメだこりゃ。僕らの気持ちは、本当に幼馴染なのかと疑っちゃうくらい噛み合っていなかった。
僕はほとほと疲れ果てた。しかも、彼女の何か余計なスイッチまで入れてしまったみたいだし。
そして、いつまでも続くかと思われた僕らのいざこざは、何の前触れもなしに思わぬ形で遮られる。
「鬱陶しいから、痴話喧嘩ならよそでやってくれない?」
酷く冷然として軽蔑を含んだ女子の声だった。僕と毘奈は一瞬どこから話し掛けられたのかわからず、辺りを見回す。数秒後、僕らは階段室の屋根の上に立っている異様な人影に気付いた。
制服の上に黒いパーカーを着た小柄な少女は、ポケットに手を入れ、深々とフードを被っており、よく顔は見えなかった。
「き……霧島さん?」
一歩間違えば不審者と思しき少女に、毘奈は驚いた様子でその名前を口にする。
しかし面識があるような感じではなく、どちらかというと恐がっているというのに近い。
毘奈が霧島と呼ぶその少女が、深々と被ったフードを取ると、短いが真っ黒で綺麗な髪が風に靡き、猫科の動物のように鋭くて美しい瞳が、まるでケダモノでも見るかのような冷たい眼差しで、僕らを見下ろしていた。
「ごめんなさい。うるさかったよね? 私たちもう行くから!」
僕が状況を呑み込めず呆然としていると、蒼白な表情の毘奈が屋根の上の少女に聞えないよう、気を利かせて小さな声で僕に教えてくれた。
「霧島 摩利香……知らないの? 皆んながあの子はヤバいって!」
僕には何のことやらさっぱりであったが、霧島のその顔立ちは、あどけなさを残しながらも人形みたいに美しく、その眼光は鋭利な刃物のように僕の喉元へ突き付けられた。
毘奈は僕の手を引っ張り、逃げるように階段室の入口へと向かう。しかし、行く手を遮るように霧島は階段室の上から飛び降りた。嘘だろ? 結構な高さだぞ。
気のせいだろうか? 僕はこのミステリアスな少女のその冷たい瞳が、紫色に変わっていくように見えた。
毘奈は霧島と目を合わせないよう、迂回するが、手を引かれながらも、僕はその異様な光景を直視せずにはいられなかった。
「吾妻、早く!」
「ちょっと待てって、放せよ毘奈! 何かおかしい!」
一秒でも早くこの場を離れようとする毘奈だが、不思議そうな目で見つめる僕に気付いたのか、無表情だった霧島が微笑したような気がした。
「……見つけた」
小声だが、確かに霧島はそう呟いていた。
一言も言葉を交わすことはなかったが、僕は彼女にこの世の者とは思えない異物さを感じた。まるで深い森の奥に潜んだ美しい獣のような……。
これが僕と霧島 摩利香の最初の出会いであった。
そして僕は毘奈に連れられるがまま、階段室の扉をくぐる。
僕は霧島 摩利香に目を奪われていたせいで、身に起こった異常事態に気付くのに一瞬遅れた。
階段室の扉を潜った次の瞬間、僕は不自然な高揚感と気持ち悪さに襲われ、視界は一気に利かなくなった。
瞬きを数回して、自分の目を何回もごしごしと擦る。気付けば、辺りは既に夜の闇に包まれていた。
僕らは昼間の学校の屋上にいたはずだったが、僕が目を凝らす先には鬱蒼とした樹林帯が広がっていたのだ。
夜風の肌寒さに、僕の鼓動は悪い意味で高鳴った。手を引っ張っていたはずの毘奈の姿もどこにも見えない。振り返っても屋上へと続く扉もなければ、霧島 摩利香もいない。
「毘奈、どこにいったんだよ? ……どこだよ、ここ?」
学校の中で狐か狸にでも馬鹿されているのか? それともこれは夢なのか?
僕は顔を何回か引っぱたくが、ただ痛いだけで、これ以上叩いたら本当に夢の中に行ってしまいそうでやめた。
月明かりが木の葉の隙間から僅かに照らすだけの闇に包まれた樹海。風に煽られてざわざわと揺れる木々の音と緑の匂い、梟や虫の声が僕の不安を更にかきたてる。
どんなに頭の中で状況を整理してみても、全くつじつまが合わない。宇宙人だってもっとわかりやすく人をさらうぞ。
途方に暮れていた僕が、行くあてもなく歩き出そうとしたその時であった。
「なんだ? 地震?」
まるでビルかなんかの解体現場で、建物を鉄球でぶっ壊すような音だ。それがゆっくりと後ろから近づいてくるのを感じた。
今日、毘奈とうっかり鉢合わせてしまったのとは、比べものにならないくらいの悪寒が走ったよ。
不気味にざわつく木々、あれだけ鳴いていた梟や虫の声さえも聞えない。
そりゃ、恐いけど見ないわけにもいかないだろ。僕は本能的に振返ってしまう。
「は……え……?」
恐る恐る顔を上げた先に見えたのは、学校の校舎程の大きさもある巨大な生き物だった。
木々の間から牛みたいな角の生えた怪物の影が、木の間に見える夜空を覆い、不気味に僕を見下ろしていた。
そして夜の森の中で蠢くその巨大な闇は、高い木々を掻き分けて迫ってくる。
その化物の不気味なシルエットに、僕は自分の血の気が引いていくのを感じた。
「ギャッーーァァァ!!」
人間、本当に恐ろしいときは、こんなステレオタイプな悲鳴を上げるものなんだ。
そして、その化物は不意に大きく口を開いた。それが何を意味していたのか、僕はかろうじて手遅れになる前に気付くことができた。
「火……? 嘘だろ?」
その口からは、夜の闇を夜明けのように照らす巨大な炎が吐き出された。
何とかその場から駆け出し、事なきを得た僕だったが、顔の皮膚を通じて生々しい熱気を感じた。あそこにいたら確実にバーベキューだった。
そしてその炎の明かりによって、巨大生物の全貌が明らかになった。
顔は角の生えたライオンみたいで、全身は棘みたいなもので覆われている。下半身から蛇みたいなものがうねうね出ていて、不気味に蠢いていた。
こいつが何なのかなんて、そんな悠長なことを考えてる場合じゃない。一刻も早くここから逃げなければ!
僕は何回もこけそうになりながら、ただがむしゃらに走った。今日は逃げてばかりだな。
しかしどんなに闇に紛れようと走っても、後ろからしつこく付いてくる地響きは、僕のお節介な幼馴染も顔負けなほど執拗だった。
「もう……無理だ」
と、走り疲れた僕が呟いた瞬間であった。
「……え?」
僕は足を踏み外していた。真っ暗で何も見えなかったのだが、崖か何かから滑落したのは間違いなさそうだ。
今のこの状況を全く理解できなかったが、どこへともなく落ちて行く今の自分が、確実に「死」へと向かっているのだということだけはわかった。
それにしても、好きな女の子に見苦しく毒をぶちまけて、変な憐れみまでかけられて……、危なそうな女子が現れたと思ったら、変な怪獣にバーベキューにされかけて、最後は真っ暗闇で死のバンジーだ。人生最後の一日としては、考えられ得る限り最低だったと言えるな。
迷い込んでしまったその世界で、僕は短かかった人生の終わりを覚悟した。
僕はクソッたれな高校生活が、まるで天国かと思えるくらい深い深い奈落の底へと落ちていこうとしていた。
お読み頂きありがとうございます。
ご感想は一言とかでも大歓迎です。お気軽にどうぞ。
せっかくリメイクが終わったので、主要キャラの人物紹介を作りました。
■那木 吾妻
本編の主人公。高校一年生。実は無意識に心寄せていた天城 毘奈に彼氏ができたことで、その事実を受け止めきれず、塞ぎ込んでいた痛い少年。ひねくれた理屈屋だが、ナイーブで打たれ弱く、人付き合いもあまり得意ではない。その癖、結構お人好しなので、他人絡みのやりたくもないことによく巻き込まれる。幼馴染への拗らせた気持ちに絶賛お悩み中。
■霧島 摩利香
本編のヒロイン。ある事件がきっかけで、学年中から恐れられている謎の少女。小柄で美少女と呼んでいい程の容姿を兼ね備えているが、無口で無愛想、挙句に口も悪く、他の生徒たちを誰も寄せ付けない。ショートボブと制服に黒パーカー、メッセンジャーバッグにローテクスニーカーがトレードマーク。たまに放送禁止用語を喋るのは、洋楽ロックが好きな影響と思われる。
幼馴染と口論をしていた主人公の前に突然現れ、異世界ハシエンダへと召還した。
■天城 毘奈
主人公の幼馴染。美人で勉強もスポーツも得意で、友達も多く教師受けもいい、非の打ちどころのない女子高生。自身の所属する陸上部の先輩と付き合うことになり、主人公を悩ませる女の子。天真爛漫で鬱陶しいくらい快活だが、主人公を実の弟のように気遣ったりと、基本は優しい少女。
幼馴染の為か、主人公を揶揄うのが好きだったり、やたらお節介だったり、その割に主人公の気持ちには全く気付かなかったりと、主人公にとっては少し迷惑な人でもある。