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古代エジプトに転移して奴隷になったけど、思いの外、居心地が良い件について【改訂版】  作者: 水源


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20/20

最終話:自由民としての生活:旅の終わりは新たな旅の始まり。古代エジプトの生死について

 俺がここエジプトに来て30年たった。


 孫も生まれ俺はのんびりとミウとともに暮らしていた。


 当然歳を取って体の自由もあまり聞かなくなってきた、ああ歳は取りたくないもんだな。


 さてエジプトでは人間を構成するものは西洋的な肉体と魂だけではなくもっとたくさんの物から構成されていると考えられている。


 具体的に言うとイブ(心臓)・シュト(影)・レン(名前)・バー(魂)・カー(精神)・アクもしくはソク(死者の魂)だな。


  イブつまり心臓はエジプト人は魂の記憶そのものであり、生まれる時に母親の心臓から作られたものであると信じられている。


 そして、脳ではなく心臓つまりハートが感情や思考を行う魂そのものでも有ったんだ。


 これは、オズの魔法使いの脳みその無いカカシと、ハートのないブリキの木こりの話を聞けばどういう意味なのかわかると思うぜ。


 で、古代エジプトでは、心臓は死後も冥界において生き続けていて、その持ち主の記憶を持ち続けている、そして罪の記憶が刻まれると心臓はどんどん重くなっていくわけだ。


 冥界裁判である心臓の計量の儀式で、心臓が正義の女神であるマアトの羽根よりも重ければ、心臓はただちに怪物アメミットに食べられてしまい、其の人間は二度と復活できないと信じられてる。


 死後の裁きとかのルーツはここにあるわけだな。


 シュトつまり影は人間に常に付き従い人間は影なしには存在できず、影もまた人間なしには存在できない存在であり、悪しきものから守る守護霊とか守護天使のような存在と考えられている。


 レンつまり名前は其の人間の存在そのものを示していて、これはその名前が忘れられない限りは生き続けると信じられている。


 これはあながち間違ってない考えかもしれないと思うがね。


 真の名前を知られると支配されてしまうとか、名前を忘れられると消えてしまうとか、という考えは現代でも結構生きてると思うぜ。


 バーは魂と呼ばれるものに近い。


 バーは肉体が死んだ後も残り続けて、墓から飛び立ち来世でカーと合流する人頭の鳥とされてるな。


 カーは自動車の語源でもあり、人が生まれる時に一緒に生まれ、生きているものすべて体の中にあって、生きていく力を与える、活力や気力を作り出す存在でミトコンドリアや腸内細菌のような共生生物をエジプト人は知っていたのかもしれないな。


 カーが身体を離れると肉体の死が起きるとされているがカーそのものはバーと同じように肉体が死んだあと残るとされている。


 カーは飲食を行うことによって維持されるとされてるから祭りで死者や神にパンやビールなどの飲食物が捧げられたわけだ。


 アクもしくはソクは死んだ後のカーとバーが合体したもので、まあ日本で言えう霊が仏になったものみたいなもんだな。


 墓がちゃんとお参りされないとアクは悪霊になり地上をさまよって生者に害も益を及ぼすと考えられ、悪夢を見たり、病気になったりといういわゆる霊障を起こすわけだ。


 逆にアクはまた祈りや墓の奉納堂に手紙を置くことにより生きている家族たちを助けるために呼び出すことができるとされてる。


 さて、そろそろ俺の命も尽きるようだ、願わくば俺の心臓がアメミットに食われずにすむように願おう。


「ミウまた、あえるといいな」


「うん、またきっと会えるよ」


 まあ、悪くない人生だったと思う。


 次はどうなるかはわからないがな。

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