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奴隷としての生活:神殿サッカー編の終わりチートなんてろくなもんじゃないと王家と新神田の対立とアマルナ革命

  さて、まず結果から話すとノモス対抗神殿サッカー大会でワセトのホルス神殿は42のノモスのトーナメントに勝ち抜いて優勝した。


 俺達は俺達なりに勝つための努力もしたが、そもそもホルスとイシスが作り出した言霊の魔術によって法則を歪められたフィールドではホルスの配下である俺たちに他の神々に配下が勝てる道理はなかったのだ、イシスとホルスの言霊はラーの血族にとっては呪いのようなものだ。

 初めから筋書きは決められていたわけで一種のチート(イカサマ)だな。


 身体能力をあげて貰ったと有頂天になったのがアホみたいだ、チートなんていうのはろくなもんじゃないぜ。


まあ日常生活では何ら影響がないのは助かったが、俺はただホルスとトートの筋書き通りに動くだけの道化でしかなかったのだからな。


 もっとも地上におけるホルスの化身である女王としても他の神殿が勝つことは許さなかっただろうから、神側から見ても人間側から見てもホルス神殿の優勝というのは筋書き通りだったのだろう。


「まあ、結果として自由民になれたからいいかね」


「何をブツブツ言ってるの?」


 いかんミウに不審な目で見られた。


 因みに初戦はオシリスの側室との間にできた息子ババイ神殿のチームとの戦いだったが、エジプトでもあまり知られていない、この神様の配下との戦いは楽勝だった。


 基本的に神というのは知名度が高く信仰や捧げ物が多いほど力が強くなるが、ババイはオシリスに従属して冥界にいて何かやってるらしいくらいしか知られていないからな。


 ハトシェプストの父親であるトトメス一世の頃からアメン神殿への喜捨は増え崇拝対象は偏りだし、アメン神殿は国政に口出しをするほどの発言力を持ち始めた。


 女王ハトシェプストはそれを快く思わなかった。


 それが今回行われたサッカー大会の裏の思惑で決勝で大敗したアメン神殿の発言力は一時的に低下した。


 こうしてハトシェプスト女王の治世にファラオとアメン神官団の対立は始まったわけだ。


 後にハトシェプストが臣下のものと諍いを起こして辺境への押さえが効かなくなると、各地で反乱が起こり、トトメス三世は母への反抗と反動もあり反乱を鎮圧するためにもアメン神殿への喜捨を増やす。


 既にアメン神官団は広大な土地と財産をもっていたし、その後の歴代のファラオも戦争の勝利のために寄進という形で毎年、多額の黄金と家畜をアメン神殿に奉納した。


 アメン神殿には免税の特権まであり、神官団は強力な政治集団としてファラオの相続に口を出すようにもなった。


 結果としてアメン神殿の発言力を干そうとする後のアマルナ革命へとつながるわけだな。


 アメンホテプ4世は、アメン神官団と真っ向対決しアマルナ革命と呼ばれる宗教改革を行なった。


 伝統的なアメン神を中心にした神殿権力による多神崇拝を否定してアテン神と呼ばる、太陽の神を唯一の神とする一神教を立ち上げたんだ。


 これは世界最古の一神教でアメンホテプ4世はイクナートンと改名した。


 さらに神殿勢力の本拠であるワセトやと古都メンフィスを棄て、新たな地に新都アケトアテンを築き、遷都した。


 実は予め設計にもとづいて都市が建築されるのはアケトアテンが初めてだった。


 彼の治世は色々と初めてが多かったわけだ。


 しかし、イクナートンが死ぬと、その後を継いだツタンカーメンはもとの多神教にもどし、都もワセトに戻された。


 この時に後にモーセと呼ばれるようになったアテンの神官であるオサルシフは、アメン神の多神教に戻るを良しとせずにアケトアテンやパレスチナ方面が放棄されると、アケトアテンに残っていた建築奴隷であるシナイ半島から連れた来られたヘブライの人間おおよそ8万を率いていっときワセトを占領したが、逆襲され最終的にはシナイ半島へ脱出したと考えられていたようだな。


 要するにユダヤ教という一神教はエジプトのアメン神の神官がエジプトでの宗教対立で負けてシナイ半島に逃げ出してできたということらしい。


 神の名を言ってはならないというのはイシスの伝説のせいだろうしな。

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