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第14話

篠崎リサの家のダイニングは異様な雰囲気に包まれていた。

というのは先ほどの里奈の発言だ。


「先生、お風呂に入ってはっきり分かりました。先生と奈々美達は…えっちしてますよね」


この一言で奈々美達四人に一気に緊張が高まった。




里奈達が篠崎邸に着いたとき出迎えたのはリサだった。

だがリビングに行った時、奈々美と紀香と純はお風呂に入っていた。

それを聞いた里奈はすぐにリサに「私も入っていい、お願い汗でベトベトなの」といい許可を得て風呂に入った。

奈々美と紀香と純といっしょに風呂に入った里奈は3人の冷たい態度に疎外感を感じたが3人の身体を観察した。

そして3人に共通のある物を見つけると、詩織と裕子にリサと一緒にお風呂に入るように言って、リサの身体のある部分に”それ”があるかどうか見てくるように話した。

結果、リサの身体にも”それ”はあった。

里奈は奈々美達4人の身体に共通する”ある物”を発見したのである。

そして先ほどの発言である。



「何言い出すのよ。そんな訳…」


否定しようとする紀香の言葉を遮り里奈は話を続ける。


「あなた達4人の身体にはまったく同じところにキスマークがあるわよね。

私達といっしょにお風呂に入ったのは失敗だったわね。はっきりと見えたわ」


お風呂で身体が温まった所為でキスマークがはっきりと浮き出てしまったのだろう。

思わず身体を隠すような仕草をしてしまう紀香達。


「そのリアクションは認めたってことでいいわよね。

そしてそれを付けたのは對馬先生、あなたですね」


ビシッと拓朗を指差し里奈は言い放った。


確かに紀香達の身体にキスマークを付けたのは拓朗である。

これは一昨日の夜、ベッドを共にしていた紀香の身体に夢中だった拓朗が紀香の乳房に思わずキスマークを付けてしまった。


「あん、せんせ、それ…」


「すまん、つい、うっかり」


「いいの、ああ、嬉しい、いっぱい付けて」


それで拓朗は普段下着で隠れるところ、両の乳房と下腹にキスマークを付けた。


「ああ、先生、嬉しい、私が先生のものである証を付けてくれたんだね」


だが、その会話は狭い拓朗のマンションでは寝室の隣のリビングで勉強していた奈々美、リサ、純にも聞こえていた。

そして彼女らも当然、紀香と同じ事をしてくれるように拓朗に頼んできた。

そうして拓朗は四人全員の身体の同じ所にキスマークを付けたのである。



「うっ!で、でもなんで先生なのよ」


紀香が反論しようとするが、里奈は持論を展開していく。


「私達がさっき庭からリビングを見たとき、紀香、奈々美、あなたたちは先生にお尻を見せてた。

その時のあなたたちは本当に楽しそうな顔をしてた。あんなに嬉しそうなあなたたちを見たのは初めてよ」


「ううっ…」


どう反論したらいいのか分からない奈々美達は黙り込む。

そして決定的ともいえる言葉が里奈の口から出た。


「そうなると、おのずと答えは出て来るわよ。

恋人でもない男性にお尻を見せて喜ぶ女はいないと思うけど。ねえ、どうかな」


黙り込む奈々美達。

そこに空気を読まない詩織が里奈を褒め称える。


「里奈、すっごーい。まるでコ○ン君みたい」


「これだけ状況証拠が揃っていれば誰でも分かるわよ」


照れくさそうに微笑む里奈、だが拓朗と奈々美達は顔面蒼白だ。

奈々美はどう誤魔化すか、言い繕うことが出来るのか懸命に考えた。

だがどうしようもない。


「それで、里奈は何がしたい訳」


開き直った純が険悪な目を里奈に向けている。


「うん、まずあなた達がどうやって對馬先生を落としたのか聞かせて」


そこで今まで黙っていた拓朗が顔を上げた。


「佐々木さん、君の言うとおりだ。だが彼女達は被害者なんだ。

俺が彼女達の魅力に負けて関係を迫ったんだよ。だから俺のことはもう仕方が無い。

だが彼女達は「先生っ」…」


里奈は優しい顔で拓朗を見ていたが、拓朗の言葉を途中で遮った。


「對馬先生、先生は夏休み前まではボサボサの髪に分厚い眼鏡かけていて、正直に言えば野暮ったい風貌で女生徒たちからはあまり関心を持たれていませんでした。恋愛感情を持つ人は少なかったと思います。ですがみんな好感は持っていたと思います。先生の陰口なんか聞いたことないですし」


里奈は詩織と裕子を見て頷くと更に言葉を繋げる。


「私は一年生の時から先生の歴史の授業を受けてきました。先生の人柄というか人となりは分かっているつもりです。熱心な授業、誠実で深みのある優しい性格、学者肌である先生の授業を受けた者はみんな知ってます。その先生が自ら生徒に手を出すなんて考えられません」


「うん、先生の授業は前から大好きだよ。ねっ」


裕子が里奈を肯定する。


「だから先生も奈々美達も正直に話して欲しい」


少し態度を和らげた紀香


「それを聞いて里奈はどうしたいの」


「うん、先生の気持ちが知りたい。どうすれば先生に私を見てもらえるのか知りたいの」


「亜理紗先生とか教育委員会に話すとかじゃないのね」


「うん、對馬先生にはバスケを教えて欲しいし、先生のような素晴らしい先生には学園に居て欲しい」


里奈の真剣な目を見て紀香は少し考えていたが


「わかった。正直に話すわ。だから他の人には内緒にして」


「紀香っ!」


「紀香、そんな簡単に話していいの」


「もう無理だよ、ここで嘘ついて誤魔化そうとしても里奈は騙せないって。

それより正直に言ってみんなには内緒にして貰った方がいいよ。

里奈は信用できるし詩織も裕子も黙っててくれるよね」


「もちろんだよ。リサやみんなの気持ちも分かるし」


「里奈達は私達の秘密を知っても脅迫なんかしないと思う」


それから紀香達は7月初旬に朝、拓朗が走っているのを見て、そして手洗い場で拓朗の素顔を見て好きになってしまったこと。もともと好感を持っていたし、人柄に触れてすぐに恋心に変わったこと。

先生については四人共引かなかったため卒業までは共有することにしたこと。

そして勉強会で拓朗を挑発したことを話した。


「先生には私達を教え子から女として意識して欲しかったんだよ」


「それより卒業までは四人で共有するって良く決めたね」


「しょうがないよ。四人共一歩も引かなかったんだから」


「じゃ、じゃあ、今は四人共先生の恋人なんだ」


「うん、そうだよ。平等に可愛がって貰ってるんだ」


それを聞いて里奈達は何気ない風に頷いたが、内心では雀躍りしていた。

先生が4人を恋人として認めているという事は世間一般の常識としてはありえないが、ということは自分達も仲間に入れて貰えば先生の恋人として扱って貰えるということだ。

たしかに他の女の子は邪魔だが、今は仕方が無いし卒業時に正式に恋人として選んでもらえばいいのだ。


「それで先生が私達を女として見てくれるようになったのが8月初旬なんだけど…」


「ちょっと待て、どうしてそれが分かったんだ」


拓朗は以前から疑問に思っていたことを口にした。


「言っていいのかな、先生ごめんなさい。先生の書棚にAVがあるのを見つけたんだよ」


「それも私達の制服に良く似た制服を着た女子高生物だったんだよ。ねー」


「な、なにー、やっぱりアレを…」


拓朗はがっくりと項垂れてしまった。


「まあまあ先生、それじゃなくてもいつも股間を膨らませて私達のパンツをガン見してた時点でバレてたよ」


「奈々美、慰めになって無いぞ」


拓朗がジト目で奈々美を睨むが奈々美は一向に気にしていないようだ。

あははと楽しそうに笑っている。


「それでみんなで前から練っていた策を決行して先生に関係を迫ったんだよ」


策の内容を詳しく説明すると里奈達は驚くやら呆れるやら微妙な心境のようだ。


「それで先生は紀香の脅迫に屈しっちゃったんですね」


詩織が呆れたように言うが里奈は違うだろうと思った。


「いや、それは違う。俺はあの時断ったとしても紀香はベランダには飛び出さず諦めてくれるだろうと思ったよ」


今度は紀香達が驚く番だった。


「えっ、先生…」


「だからさ、さっき言っただろ。俺がお前達の魅力に負けちゃったんだよ。

一ヶ月間お前達と接して俺もお前達を好きになってたんだ。

まあ次の日に奈々美達にも迫られた時は嬉しさ半分後悔半分だったけどな。

だけど、今は少しも後悔なんかして無いぞ」


「「「「先生ーっ」」」」


奈々美達が半泣きで拓朗に駆け寄る。

拓朗は優しい目で四人を迎いいれた。


だが里奈はこれも違うと感じていた。

(先生は紀香や奈々美がここまで自分を想ってくれる気持ちに応えたんだと思う。

先生は脅しや感情に屈する人じゃない。恐らく最初から分かっていたんじゃないかな。

その上で紀香や奈々美の健気な想いに応えたかったんだろう。

きっとたとえ自分の未来が危うくなったとしても、あの子達の気持ちを無視する事が出来なかったんだ。

ここでは先生が自分一人で責任を取る為にお前達の魅力に負けちゃったと言ったんだろう)


里奈は気持ちを引き締めた。

本当は脅しと懐柔の入り交じった交渉の末、拓朗のハーレム入りを目論んでいた。

だが拓朗はそういった小手先の交渉では間違いなく拒否してくるだろう。

本音で当たって先生の心を震わせるしかない。


里奈の推理は半分当たっていた。

半分はただ単に拓朗の男としての理性が崩壊しただけの事である。

まあ、美しい誤解と言うものである。


里奈と詩織と裕子は拓朗の優しさにそして大人の雰囲気に憧れを強めていた。

クラスの男の子なんて問題にならない程の穏やかで包容力のある微笑み。

先生が超イケメンなのでその威力は強力で三人のハートを粉々にしてしまった。

これはもう私の初めての相手は先生しかいない。

對馬先生は最高だ、これ以上の男性はいないと漠然と思っていた。


だが里奈は拓朗のハーレム入りは相当困難であると思っていた。

まず最初の障害は奈々美達四人だろう。

里奈達のハーレム入りを間違いなく反対するはずだ。

そして對馬先生は奈々美達の意見を尊重するだろう。

まずは奈々美達を懐柔しまければならない。

それからが本番で對馬先生にハーレム入りを認めてもらうことだ。

焦りは禁物、時間が掛かっても好感度を上げていくしかない。

奈々美達だって半月以上かかって先生を籠絡したのだ。

焦ってはいけない。



「ねえねえ、それからどーなったのさ」


裕子の質問にはリサが答えてくれた。


「それからはもう私達にとって夢のような毎日よ。ただ一つだけ後悔してる事があるのよねー」


「うん、先生にコンタクトレンズを渡して美容室に連れてったのは失敗だった」


「先生にはダサいままで居て貰えばよかった。そうすればこんな事にならなかったのに」


裕子はなぜそんなことしたのか聞こうとしたが先にリサに答えられてしまった。


「先生にはかっこ良くなって欲しかったんだ。あ~あ、そんなことを思ったあの時の自分を絞め殺したい」


「なるほどね」


「あと、今日のあのメイド服は?」


「アレは先生が私達のメイド姿を見たいって言うから、今日みんなで買って来たんだよ」


「お、おい、純」


「何よ、先生、違うの?」


「いや、まあ、その…」


これには里奈と詩織と裕子も驚いた。

對馬先生があんなえっちなメイド姿を見たがるとは。

さらに奈々美から衝撃的な事実が告げられる。


「あはは、先生は私にミニスカナースのコスプレも頼んできたんだよ。

せんせ、明日ちゃんと見せたげるから楽しみに…ね」


得意そうな奈々美に対して拓朗は顔を赤くして俯いている。

なんだか居た堪れないようだ。


「えっ、明日?」


「うん、明日もここでお泊り会なんだ。だから今日はメイド服、明日は違うコスプレをしようって訳」


「あのさ、どんなコスプレ衣装買ってきたのか、見せて貰っていい?」


「誰にも言わないって約束してくれたんだし、ここまでバラしちゃったんだから、見せてもいいか」


それからリビングでコスプレ衣装のお披露目会が始まった。

里奈も詩織も裕子もメイド服やナース服などはかなりえっちだけど可愛いし許容範囲だったが、セクシーテディやベビードールについては顔を赤らめた。


「な、なにこれ、これを着て先生に見せるの」


「すっごーい、丸見えじゃないの」


「先生にだけ見せるんだよ。他の人になんか絶対に見せないよ」


「これって先生が選んだの?」


「いや、先生が選んだのはこのショーツだけだよ」


そのショーツを見た三人は顔を真っ赤にしてしまった。


「これを先生が・・・」


里奈と詩織と裕子は拓朗が現代の日本人的な変態的価値観を持っている事を確信した。

それが悪いということではないが、今までは對馬拓朗は”伝説”であり聖人君子というイメージが強かったため里奈は拓朗も普通の男なんだと思い一気に親近感が湧いた。

だが確かに拓朗はあのショーツを選んだが訳もわからず目の前の物を選んだだけである。

こちらは少しも美しくない誤解である。


(對馬先生って本当にえっちなんだ。英雄色を好むって言うけど。

やっぱり先生は奈々美達の魅力に負けちゃったのかも。

あの子達すごく都会的で清純な感じの女の子になってるもんね。

でも、これは私も割と簡単に先生のハーレムに入れるかもしれない。

先生があんなにえっちな人なら許してくれるかも)


里奈の脳裏にふと”変態紳士”という言葉が浮かんだ。


こんな事を知らされたら普通は軽蔑してもおかしくないが、詩織と裕子は拓朗に魅了されて恋してる状況だったため、彼のダメな部分を発見しむしろ拓朗を身近に感じてしまう。

さらに奈々美達が本当に楽しそうであけっぴろげな雰囲気なのが嫌悪感を感じさせなかった。

ただ、里奈達がこんなことを考えていると拓朗が知ったら引きこもってしまうかもしれなかった。

なにしろ里奈はアスリート系美少女で、拓朗の好みのど真ん中なのだから。


エロいコスプレ衣装を囲んできゃあきゃあと談笑しているうちに7人はだいぶ打ち解けてきた。

奈々美達も秘密をバラしもう隠す事など無いことから警戒心が薄くなっていた。

もともと同じ部活で一年以上やって来た仲間である。

警戒心がなくなればすぐに仲良くなれる。


「ねえねえ、今日は衣装が無いから無理だけど、明日のコスプレ大会、私達も参加していい?」


いきなり詩織が奈々美に自分達もコスプレをすると言い出した。

里奈は心の中でナイスッ詩織!と喝采を送った。


「えーっ、みんなどーする」


奈々美達は否定はしないが歓迎と言う訳でもない。

すかさず里奈がフォローにはいる。


「うんコスプレやりたい。ねえ奈々美、私達も混ぜてよ」


「えーっ、里奈がコスプレっ?、まさか、ほんとに」


「うん、やりたい、こんなチャンスは滅多に無いし。それに里奈がってなに?

わたしだって普通の女子高生だよ、コスプレには興味があるよ。やってみたいよ」


裕子も乗ってきたようだ。


「そう、そうだよね。コスプレなんてさ里奈の言うとおり滅多にやるチャンスなんて無いもん。

リサ達は頻繁にいつでもできるからいいよね、羨ましいよ。先生に見てもらうんでしょ。ねえ混ぜてよ」


この裕子の言葉は奈々美達に優越感をもたらした。

そしてリサも純も先生の前で”これからは頻繁にいつでもできる”と言う言葉に嬉しくなってしまった。


「まあ、コスプレくらいなら混ぜてあげてもいいかなぁ。ねえ、奈々美」


「ええっ、で、でも…」


ここで里奈は更に畳み掛ける。


「ねえ、奈々美、私達は今日見たことも知ったことも、他人には言わないって奈々美達に約束したわよね。

もちろん必ず約束は守るけど、もし私達もあなたたちと同じ様にコスプレして楽しんだら、同じ秘密を持つことになる。そうなれば對馬先生もあなたたちも安心じゃないの」


奈々美達は口約束だけじゃ安心できない事も確かにあった。

だが、ある程度共通の秘密を持つことで口封じは出来るかもと思った。


「うん、そうね。でもあんた達コスプレしたことあるの。衣装は持ってるわけ」


「ううん、持って無いよ。だから明日の午前中に買って来ようと思ってるんだ。

ねえ、お店教えてよ」


純にネットのサイトを教えて貰った里奈達は拓朗から『あまり過激なコスプレは駄目だぞ』と言われていたが断固拒否していた。

拓朗はすごくえっちだし奈々美達の衣装は見せてもらった。

だから三人は絶対奈々美達以上の過激な衣装を買うつもりだ。

拓朗を篭絡するためにも。


里奈達が帰った後、メイド服に着替えた奈々美達はカラオケ大会に突入した。

これで気兼ねなく先生と楽しめると、箍が外れた奈々美達四人はなんの遠慮もしなかった。

えっちなポーズで拓朗を挑発し続けた。


「明日は午前中いっぱい寝てられるんだよ。今夜は徹夜でえっちするんだぁ」


夜中に五人で風呂に入った後、ベビードール姿に着替えた彼女らを前にした拓朗の理性は崩壊しており、

結局、拓朗は明け方近くまで四人の女子高生の艶やかな身体を堪能しつくしたのである。



里奈達は篠崎家をあとにして裕子の部屋にいた。


「明日のコスプレ大会に参加できる、これは今日の大きな戦果だよ。詩織のお手柄だね」


「うん、奈々美達ともさらに仲良くなれそうだし對馬先生にもアピールできる」


「ああ、明日の衣装選びは楽しみだね。すっごいのを選んじゃおう」


「對馬先生があんなに女好きだったとはね。予想外だった」


「まさか、先生が四人共恋人にしてたなんてねー。リサも純も中学の時から知ってるけどあんなに嬉しそうで綺麗な笑顔を見たのは初めてだよ。控えめで目立たない子だったのに、あんなに明るく堂々とした子になるなんて信じられないよ」


「そりゃそうでしょ、あんなに可愛く変身するし、成績も良くなって、先生とあんな関係になったんだしさ。

女の子として見たら完全に勝ち組だよ。自信を持ったんでしょ」


「たぶん、ぜんぶ對馬先生のおかげでしょ。女は男しだいというけど本当よねぇ」


「でも、これで對馬ハーレムに入れるめどが立った。ねえ、絶対に奈々美とか紀香を怒らせたりしたらだめよ。あの子達を懐柔してハーレム入りを認めさせないとね」


「分かってるって。これからはさ、お昼を一緒に食べたりして親交を深めて行こ」


「奈々美達がバスケ部に戻ってくれたらいいんだけど…」


「…無理でしょ」


「そうね、亜理紗先生が居る限りバスケ部には戻ってこないよね」


そこで里奈はキラッと目を輝かせた。


「亜理紗先生が居る限りバスケ部には戻ってこない…

じゃあ、亜理紗先生がバスケ部からいなくなればいいのよね」


詩織と裕子は顔を見合わせた。





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