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プロローグ3~鍛錬終了と出発

ようやく出発と、ちょっとだけ敵サイド。

鍛錬開始から7日目、寝ている間にこの世界の魔法と異なる魔力の使い方を考えてみて実行してみると、案外上手くいったが思ったより魔力を消費したらしく若干の頭痛を感じたので、実戦では使うタイミングを考えて使用する事にした。


「魔法でも似た事は可能ですが、行使速度で魔法より遥かに勝りますね。」


…見せたのが《加速》だけなら、そんな所か。


「他にもあるみたいですが…それは、貴方固有の即効性の高い魔法ですね。」


「マインドコマンド…とでも呼んでおいたら大丈夫かな?」


そう、例のゲームだとSPを消費する仕様だが、どうやら魔力消費する仕様…一部武装や技と同じ仕組みらしい。


「正直、呼び方は貴方と自由かと。」


ふむ…何はともあれ、切り札のマインドコマンドも使えるみたいだし、そろそろ…


「戦闘の問題もないから、世界の常識を実体験で学ぶ為にも旅立ちたい…ですか。」


「うん。場所は魔王の拠点近くで、いきなり魔王討伐しようかとも思ったけど…」


「私の力の弱体化と男神の加護の影響で、中立地帯が限度ですね…」


あら、そんな影響もあったのか。


「いや、体力の目安は聞いたけど能力の目安は聞いてないから地道にコツコツと実戦経験を積もうかと…」


だって、生身だとパラメータ大幅低下するんだし…って、生身のパラメータは伝えて無いか…


生命力95

魔力2000

筋力42

知力52

敏捷性36

攻撃力63

防御力87



「…ってのが生身のパラメータなんだけど…」


「なるほど…これはいきなりだと化身してない時が危け…いや、貴方の固有結界なら大抵の攻撃は無効化できますから問題ないかと。」


「いや、相手がバリ貫持ってたら瞬殺でしょ?これ…」


「バリカン?」


「ああ、結界貫通特性のある攻撃の事だけど…」


「結界は、術者が解くかより大きな力で壊す以外では解けませんよ。(ニコリ)」


「なるほど、この世界の基本ルールはそうなのか…でも、ドリル系攻撃と神砕きの大剣、バリ貫持ちなんだけど…」


「…え?(ピクッ)」


あ、女神さん引きつってる。


「だから、結界貫通特性持ち。」


と繰り返すと、頭を押さえながら


「…えっと、アースフィアにはそんな発想を抱く者が居ないから、そんな常識外れな能力は考えていませんでした…」


って言われちゃったよ。


「んじゃ、女神さんの頭痛の種を減らした方がいいだろうし、適当な所に送って下さいな。」


「…それでは、コツコツと経験を積みたい貴方の希望に添った地域…《エジア》地域の《チャイ》領に送ります。」


そうなのだ。説明が遅れたけど、この世界の地形は呼び名こそ微妙に違うが、基本的に地球と同じなのだ。


《エジア》は人間が、《アフリ》は獣人が、《ユロピ》はエルフが、《サスア》はドワーフが、《ノスア》は魔族が支配する地域の事…だった。

過去形なのは、各地域の過半数が魔族による侵略で奪われた結果である。


ちなみに《オセア》と呼ばれる地域もあるが、其処は暗黒大陸とも呼ばれ魔王でも制御が難しい魔物が多数存在する、正に人外魔境と言える地域なのだとか。


「了解、いつでもどうぞ。」


と告げると、女神さんが祈り始めて


「では、混沌に包まれんとするアースフィアに、平和をもたらす事を願います。」


と唱えると、俺の姿がぼやけ始めて…





《ノスア・魔王城》


『…我が眷族たる魔王よ。』


…これは、破壊の男神様からの念話か。


「如何なされましたか、男神様。」


『《エジア》の《チャイ》に新たに、女神の僕が現れた様子だ。』


「…その者は、男神様が警戒する程の存在なのですか?」


『解らぬ…が、わざわざ女神めが異世界から喚びだした存在だ。』


「なるほど…危険は早々に摘め、ですな。」


『うむ。《オセア》よりワイバーンを5匹出す故、始末せよ。』


「御意。」



男神様が警戒する存在か…早急に摘むべきだな。

マジックミラーを触り、エジア侵略隊司令のグブルを呼び出す。


『これは、陛下に置いては益々の御健勝ぶり…』


「御託はよい、そちらに男神様からワイバーンが派遣された。《チャイ》に送り込み、制圧せよ。」


『承知致しました。抵抗が激しく手こずっておりましたので、此度の増援真に感謝致し…』


マジックミラーから手を離し、通信を打ち切る。


方面司令には、優秀な人材を選んだ筈だが…各種族の支配地域が狭まる事で戦力が密集され、戦線の膠着が生まれているのであろう。

まあ、我が軍は奪った領域からの物資で維持は容易いが、連中は減った領域に対して人的密度が格段に増した…物資の消費量が増大して、産出量が追い付かなくなるのも時間の問題だ。


「となると、このままでも勝利は近い…か。」


勝利の見えた戦い…つまらぬ。

が、これも偉大なる神の力を多大に与えられた私の宿命なのだろう…


「ならば、我が宿命を果たすまで…か。」


そう呟き、私は改めて各方面司令の報告を聞く為にマジックミラーに触れる事にした。

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