夢から覚めて
「いやはや、君たちには驚かされるね」
彼が驚いたように言うが、その表情は、さきほどからピクリとも動かない。
「では、君たちには“答え”をあげよう」
その答えが何かを聞く前に、俺たちに彼が急速に接近して、胸を強く押していく。
「その先に待つのは、君たちが欲しかったものだよ」
トンと押されると、俺は闇へと迷い込んだ。
それを通り抜けると、ふかふかのベッドに横になっていた。
周りは、いつもの部屋。
俺以外には誰もいない。
時計を確認すると、午前3時12分になったところだった。
「あ、そう言えば他はどうしたんだ」
そう思い、携帯でメールを送ると、電話で帰ってきた。
最初にかかってきたのは沢泉の方だ。
「もしもし。無事に帰ってこれたんだね」
「そうらしいんだが…」
「どうしたの」
「いや、彼が言っていた“答え”ってのがなんなのか分からなくてな」
「それは、あとで分かるんじゃない?」
「あとっていつさ」
「いつか、だよ」
沢泉は、もう答えを得ているようで、はっきりと言いきった。
「あ、そろそろ切るね」
一方的に言われ、それから一方的に切られた。
次に電話がかかってきたのは、それから6分後だった。




