闇の向こう
闇の中でどうやって紙を見るのかということについては、すぐにやり方が分かった。
鉄の箱だけが光り出したからだ。
まわりは相変わらず暗い中で、蛍のような弱弱しい光ではあるけど、箱が勝手に光っているようだ。
「なるほどね」
俺は言うと、箱が紙を吐き出すのを待った。
何分経ったかわからないが、紙が一枚出された。
「なんて?」
「光を見つけろって」
板井が俺に聞いたから、正直に答える。
「光って、この箱以外にってことかな」
今は箱は3人の中心にある。
ぼんやりとだけども、互いの表情はわかる。
「多分これ以外にってことだとおもう。紙が出てきたときには、こいつはもう光っていたんだから」
「でも、それ以外はまるで全部が停電したかのように真っ暗だよ」
沢泉が言う。
「だから、きっとどこかにスイッチがあるんだろうな。問題はどこかなんだけど……」
俺はそこで思い出した。
「ここって、同じ教室だったよな」
「そうだよ」
板井が静かに答える。
「なら、扉のあたりにスイッチがあるんじゃないか。それ押したらどうにかなるんじゃないか」
俺が言うと、そろりそろりと動き出す。
「んと…ここだな」
ぼんやりとした明かりしかない状態で、手探りで壁に到達すると、扉のほうへとにじり寄る。
「あった?」
その時、固いでっぱりに手が届いた。
「多分」
俺は答えて思いっきり押した。
一瞬で世界のすべてが光に包まれた。




