光の中
光の先にあった教室へと入ると、鉄の箱は自動的に紙を吐き出した。
それと同時に、扉はビシャリと閉められて、俺たちは教室に閉じ込められた。
「紙にはなんて書いてあるの」
沢泉が俺に話しかけてくる。
「闇を待て」
「闇を待て?」
すぐに板井が俺に聞き返した。
「光の次は闇って。こんなに空が光り輝いているっていうのにね」
沢泉が、窓に近寄って、空を見回す。
俺が立っている、教室の真ん中あたりから見ても、空は明るく感じる。
だが、そこにカーテンが落ちたかのように、ゆっくりと暗くなっているのも分かった。
「どういうことだ、誰が電気を落としているんだ」
それは、あたかもつまみを回して暗くする照明のようだ。
完全に暗くなった時、俺たちは自然に1か所にまとまっていた。
「みんないる?」
俺が二人に聞いた。
「ああ、もちろんだとも」
板井が俺の言葉に言い返す。
何も見えないけど、互いの体温や呼吸は分かる。
手をつなぐことはできないが、その代わり俺の服を握っているようだ。
俺は鉄の箱をもちながら、二人にもう一度聞く。
「何か見えるかい」
「何も見えない」
沢泉が答える。
そう、何も見えない。
視えているのは、本当の闇、一寸どころか、ごくわずかな距離であっても見ることができない。
そんな状況で、どうやって紙を見ればいいのだろうか。




