秘密
校舎に入れるようになったのは1時間ほど経ってからだった。
だが、それまでに一旦家に帰るように言われた俺たちは、学校からの連絡網からの電話で投稿するように言われ、再び登校している道すがら、話をしていた。
「でも、校舎、どうしたんだろうね」
沢泉が俺とすぐ横を歩いている板井に言う。
「いたずらか何かだろ。でも、けっこう大がかりなものだったのかもな」
俺が言う。
学校へ着くと、いたずらというレベルには収まりそうもない、巨大な穴が、運動場に開いていた。
「なんなんだ……」
その時、はっとした。
「そうか、これが秘密の正体なのか」
俺が言ったことに、すぐに気付いた沢泉と板井は、その穴のぎりぎりまで近付いてみた。
野次馬はどこにでもいるもので、もう何十人といた。
だが、それでもはっきりと穴の中をのぞき込めるほど、穴は大きかった。
中では先生や知らない作業着を着た人たちが作業をしていた。
30メートルぐらいの深さの穴の下の方で、綺麗に輝いている何かがある。
「金だ」
その色から見て、どうやら金鉱脈があるらしい。
「この校舎の秘密って、金があるってことなの?」
「どうやらそういうことみたいだな」
そして、それが全てなのだろう。
だが、先生からの声で、俺たちは穴から遠ざけられた。
しばらくして、穴も何事もなかったかのように埋め戻された。
それから、都市伝説のように、金の話が小学校に伝わることになる。
それも、あの呼びだしとセットになって、財宝をくれるという都市伝説に変化して。




