"それは突然やって来た"
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薄明かりの中で、私は夢を見ていた。
とても、とても懐かしい夢を・・・・
いつもの音色が聞こえてくる。
あれ?何だか違う響きの音がする・・・
私の大好きな曲の音じゃない・・・・?
それに今日の音色はいつもより少し下手?
けれど・・・何だか繊細で・・・・でも寂しい?
儚い音・・・・だけどその想いがとても優しくて
暖かくてポッかりする・・・・
え・・・・と・・・
この感じ・・・何だか・・・
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「う・・・・・ん・・・・"ひか"・・・」
朝の眩しさと共に、
静かに響く音色が隣の部屋から聞こえた。
私は走って隣の部屋に駆け込み、まよわず
その背中に優しく駆け寄る・・・・
「・・・・!!!!よかった・・・・」
私よりよりホンノ少ししか違わない
その身長・・・・髪もボサボサで、性格も最悪
自己中心的でナルシスト?・・・
協調性に駆ける?
・・・・・そんな事ない。
"だって、命を懸けて迷わず
私を救ってくれた・・・"
何時までそうしていたのか・・・・・
静かに彼・・・・想希は喋る。
「下手くそな演奏だった?・・・・・ごめんね起こしちゃって」
その声は、いつもより澄んでいて
とても綺麗な声に聞こえた。
「コク・・・・・(首を振る仕草)
"想希"君・・・・ヴァイオリン弾けたのね・・・」
私の姉と同じ・・・
「詩望さん・・・・怪我はしてない?
俺、あれからよく覚えてないんだ・・・・
それとありがとう怪我を・・・・
こんな事までしてくれて・・・・」
布をもう一枚、私に被せる。
「ごめんね・・・・・服・・・・目閉じてるから。
そこに、制服・・・・」
「・・・・"!!!"・・・・」
体を布で隠す。
男の人の前でこんな姿なんて・・・
急いで、服のある所まで駆け寄り、
小さな声で呟く。
「・・・・見てないよね」
今年で15才にしては
体型にはまだ、自信がないのは事実。
身長はあるのに・・・・。
「そうかな・・・・・・・中身だと思うよ」
耳がいいのか、独り言のように喋る。
「・・・コホン、もういい大丈夫。着たから」
少し揺るいわりに、
私の身長に比べて少し
スカートが短くて気になるけど・・・・
想希は好きなのかな?・・・
私は、今回の事でかなり性格が前向きになっていた。
そして、想希の事を当たり前の様に考えていることに不思議と疑問に思わなかった。
「!・・・」
想希がこちらを向いた瞬間、固まっていた。
私は首をかしげる・・・。
「・・・?」
想希・・・君・?
「君の・・・・笑顔守るから」
風か窓から私達を包んだ気がした。
この今の状況も、世界も、この瞬間だけ
私の心は1つで満たされた・・・・
あぁ、私はもう戻れない。
ても想いに火を灯したら・・・・前を向ける?
姉さん
"私の見つけたかもしれない・・・"
まだ、それは小さな小さな、灯火。