プロローグ3"後半戦" 「刹那の想い・・・」
想いはね?言葉にしないと伝わらない
"想希"の姿は保健室にはなかった。
居たのは、新任の保険とカウセリング担当の汐見先生のみ
息を整えながら聞いた。
「ハァ・・・ハァ・・・フー・・想希君来ませんでした?」
「あら、詩望ちゃん?・・・・どうしました?」
汐見先生は、今年赴任してきたばかりの
新米教師、年齢が近いのとそのおっとりとした非常にマイペースな性格もあいまって学内では人気急上昇中である。
「・・・居ないみたいなので失礼します」
何故、彼が此処に居ないのかやけに気になった・・・
「あら、、詩望ちゃ・・・・・・」
後ろからの声を聞かずに私は保健室を後しにした。
体育祭は結局、私達のクラスは総合2位で惜しくも破れた。
終わりのチャイムが鳴っても彼は帰ってこなかった。
・・・・いつまで待っても来なかった。
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もう、此処に入られない
今日の朝から分かっていた事だった
僕の体にも、印がでた
そう遠くない時間で僕は見つかる
ここをそんな場所にしたくなかった
太陽が赤みを持ちその姿を殆どが隠れる頃
・・
ソコに彼は居た
あれから、色々な所を考えて最後に残った場所がここだった・・・・
時計の針はもう、とっくに予定の時間を過ぎていた。
「・・・・大切なモノなのにな・・・」
感傷的になっているのか、自分でもかなり
ショックなのか。
自分の声でない気がした・・・
いい加減疲れたよ・・・・"御命"
携帯電話を思い切り叩きつける
それを聞いた時、自分の全てが壊れてしまった気がした・・・
まだ沢山君と一緒にいるつもりだった。
許せない、やるせない、悲しさ、後悔、
そんなモノでは表せない感情の蠢きが襲った
取り戻しかけた世界は、届かない・・・
唯一の繋がりであり、支えだった
壊れかけた僕を救ってくれたのに・・・
救われたのは・・・僕の方なのに・・・
いつも帰った時にじっと待っててくれた。
やっと出会えたのに・・・・
「ゥゥーーーーッーーー。」
声を圧し殺して、我慢する
駄目なんだ、・・・・まだ、・・・・まだ、
空はいつの間にか暗くなっていた・・・・
誰も気付かなければそれでもいい。
僕はここに足跡を残す
身勝手で、自分勝手だけど
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夜10時を周り、何時ものように寝る準備をしていた時に私は母から呼ばれた。
「のぞみ~!お友達から電話よ~!
のぞみ~っ!降りてきなさい」
携帯を開けて、着信を確認するが履歴は綺麗に家電で、埋め尽くされている。
誰?こんな時間に・・・・
1Fのリビングに行き親機で出る
「・・・・もしもし、どなたですか、」
「・・・・・・」
全く返事はない
「・・・・誰・・・・」
「・・・・ー・・ー・・ー・・・・」
ドキリとした
それは、声ではなくて音だった。
いや、音のような声だったのか、
何かを振るわせてはっしているような響き
音の響きが何故か私には
"タスケテアゲテ"と
そうゆう想いが積もっている気がした。
私は電話をそっと切ると、二階の自分の部屋の机を漁り、連絡網を取り出した
自分から掛けるのは始めてだし、用事以外で掛けるのも始めてだった・・・・
1コール・・・・・・2コール・・・3コール・・・・
「はい、もしもしーーーーー」
"運命は、私を選んだ"