プロローグ2"前半戦" 1つの面、光と闇
「それが、引き返せないと気付いた時
もう、私は引き返せなかった・・・・」
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世界で起きる、事。
1秒毎に誰かの命が消えていく
確かに、悲しい事だけれど
私達は今を生きていて
そんな事を考えている人は
私の歳には居ない
いたら、行動しているから
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結果論で言えば、
私は一回外してしまった・・・・
私としては、言い訳を言いたかったけど・・
少なからず私の思惑は外れる、
二回目のフリースローを外し、
どよめきが起きるなか
リングから跳ね返ったボールは、足を痛めたかに思われた"想希"によりどうに押し込める
ピィー
してやったりの顔をしながら
私の元に駆け寄り、とても綺麗な手の平を目の前に出す
「?・・・・・どうしたの?・・・馬・・・・"想希"君」
彼は私の手を掴み、その華奢な平を優しく
小さく叩いた
パン
小さなハイタッチ。
「お礼なんて要らない....
こちらこそ、前半最後までサポートしてくれてありがとな....
カッコつけさしてくれてありがと....
それと...無理はするなよ?....希<のぞみ>は」
彼は私の肩にもそっと手を置き
笑顔いながら去っていった....
ここら辺が彼の魅力、だと私も思う。
皆曰く
「想希は素っ気ないっていうか、自然なんだよね。」
「普通やっぱ男子は下心?とかそうゆう目で見てこないんだよね・・・アイツ。」
「私もこの前、喫茶店の近くでさその時結構柄悪い奴にさナンパされて困ってたんだけと
・・・普通に話し掛けてきてくれて?
まぁ、ボコボコに遣られたけどさ。
アイツマジ弱いんだよ!ってか一度も反撃しないでさ・・・でもさ私はアイツはいい奴なんじゃない?分かり図らいけど・・」
「そぅそう!アイツ、裏表無さすぎてさ・・・
前に家に呼んだらさ・・・・なんかウチの親と意気投合して一緒に料理の新レシピとか考えたり・・・・"あ"・・・今の無しね」
以下略
私自身も"馬鹿"などと言う名前を頭の中で呼んでいた自分に少し驚き・・・
手を触れたときに感じた暖かさに
何処と無く、彼の心の中を垣間見た気がした
<"想希"君なら・・・・・もしかしたら>
ハット頭を降る
(馬鹿.....今何を.....私は考えて)
私は自分の体と頭を冷やし少しでも体力を回復するために休憩をする事にした。
"前半戦"終了
前半戦スコア
43対52
その差 9point(3point三本分)
そしてハーフタイム(休憩)に入る・・・・
#2
クラスの仲間達のバスケ経験者や部員仲間
皆、"想希"に近寄る。
想希自身は、痛くないって!・・・ちょっ触るな痛ッ!!
とただをこねて周りの笑いを誘っている。
チラ
一瞬目が合った気がしてドキリとした
するとタイミングよく
相棒の"卓也"が私の事を見て
近くに少しより変な独り言を呟き始めた
「アイツさぁ・・・・部活時も授業の時でも
いつもお前を見てんの知ってる・・・・?
("詩望"・・・さん。は知ってる?
"アイツ"が何でこの学校来たか?)
アイツさ・・・外側は結構怖いってか、闇?
何て言うんだろうな・・・・
全てを見てる・・・
ってか知ってるような表情すんだよ
だから皆、取っ付きにくいイメージ持ってる
見たいでさ・・・・・
でもさ、俺見たんだよ・・・
下校途中でさ
街の中心街の一角でさ
野良猫が居たんだよ・・・・結構弱ってて
ミャーオン・・・・ミャー・・・
って助けを求めてる子猫なんだけどさ
皆、可愛いねとかお腹減ってる?
とか言ってるんだけど・・・・
近寄らないんだよ。
俺も、後から気付いて・・・・捨てられた理由と近寄らない理由も分かったんだが
その子猫、"叉猫"
(*尻尾が二本這えている化け猫)
とそっくりの尻尾だったんだ。#後書き参照
まぁ、不幸を呼ぶってイメージはあるし
災いとかをもたらすって皆思って不気味がる
その気持ちも分からなくはないんだがな・・・
そんな時さ、自転車がもうスピードで駆けてきたわけよ・・・俺のよく知る奴のチャリが
何やら、急いで戻ってきた見たいで・・・
手には牛乳を持ってたんだよ。
いや、正確には溢れた液体を被った服がな
いつもの、ヘラヘラ顔じゃなくてさ
俺つい隠れて見たんだよ。
"アイツ"多分、真っ先にその子猫を見つけて
お腹透かしてるだろうと思って。
牛乳持ってこようとしたんだろうな・・・
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これも後から聞いたんだが
これも本当に馬鹿な話でさ・・
子猫に危害を加えられないようにして、
逃がさないように
自分のバックを預ける代わりに
そこら辺にいた違う学校の女子に渡して。
見てて貰ったんだって・・・
でさ・・・戻ってきたら、バックごと無くなってたんだが。
"アイツ"財布もバックに入れてたらしくてそもそも家にも入れずに立ち往生したらしくて
隣の叔母さんに頼んで牛乳を貰ってもうスピードで行くいいが・・・・(以下略)
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で、結局"アイツ"猫を牛乳まみれ、泥まみれで擦り傷だらけでも、
楽しそうに抱っこしながら帰ったんだよ。
「・・・・ふふ・・・・・あっ」
(自然に出た笑いに私は戸惑った)
なっ・・・・想像出来ないだろ?
俺は"アイツ"いい奴だと思うぜ?
でも、俺じゃまだ"アイツ"の中までは
入り込めねぇんだ・・・・
今はな・・・・
悪いな、こんなこと言って・・・
お前なら・・・・ごめん・・・
詩望さんなら何かできる思ってな?」
「ごめんなさい拓也君・・・、悪いけど私・・・
別に人(想希君)の過去に興味ないの・・・」
"神谷 隼人"はこのクラスの学級委員だ。
実際、かなり女子からも人気がある。
頭も悪くはないし、運動もバスケ部の
"現キャプテン"性格も絵に書くような好青年ではないが・・・・とても気配りがうまい
でも、私は"神谷"は好きじゃない
興味がないものは無色にしか見えないもの
コート上とはやはりかなり態度が違う
"想希"は一瞬、私の方を見て
一瞬だけ顔を強張らせ
彼は無言で体育館の見上げ、
一瞬、私の方を見た気がした
当然、私には気づきもしなかったが、
神谷の手は私の腰に回していようにわざとらしく見せつけていた。
その瞳は何を訴えてたのか分からない
彼の姿はやがて見えなくなった。
その姿に、私は何か女性特有の勘なのか
この場の雰囲気に"脆さ"や"儚さ""危うさ"を
感じた・・・・
そして彼を一人にしていけない気がした。
私が側に居なくてはいけない気も・・・・
猫叉とは尻尾が偶然にも二本に別れてしまったりする猫の事で、化け猫など不吉の象徴のような縁起が悪い猫。
私の猫も二本の尾がある猫ですが、
今では布団の中でゴロゴロいう仲です・・・