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勇者の息子と魔王の娘?  作者: まあ
ジーク=フィリス
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第873話

「成功したのか?」


「どうだろうね」


「……普通、ここは成功したって答えるだろ」


目の前で起きた光景に儀式が無事に済んだのかと確認するようにジークはつぶやいた。

カインの使い魔は彼の頭の上に降りると結果はわからないと言いたいようでため息交じりで答え、彼の答えにジーク不満げにため息を吐く。


「成功したかどうかは土地の成分に変化があるか調べてからだね。それに変化があったとしても最低でも収穫まで持って貰わないと成功とは言えないよ」


「そうだとしても他に言い方があるだろ」


「2人とも落ち着いてください。とりあえず、最初としては上手く行ったと言う事で良しとしましょう」


カインは調査する必要があるため、成功とは判断できないとジークを納得させようとする。

しかし、今は成功したと言う気分を味あわせろとジークは言いたいようで眉間にしわを寄せており、2人の様子にテッドは苦笑いを浮かべた。


「そうですね。ジーク、魔導機器の様子はどう?」


「魔導機器の様子? 何かあるのかよ?」


カインはテッドの言葉に頷くとジークに魔導機器を見せるように言う。

魔導機器と言われてもジークが持っている首飾りは偽物であり、意味がわからないながらもジークは首から下げていた首飾りを手に取って覗き込んだ。

首飾りはどこかくすんで見え、その様子にジークは首を捻るとカインの使い魔は首飾りが見える場所まで移動してくる。


「やっぱり、魔力が尽きちゃったね。これは何度も使えないね。データを取るのに何回か試したかったんだけど」


「そうなのか?」


「俺の持っている魔導機器も同じようになっているから、他のところも確認しないといけないかな?」


カインは偽物の魔導機器がさも本物のように魔力が尽きたと残念そうにため息を吐いた。

彼の言葉にジークは怪訝そうな表情をしながらも余計な事を言うよりもカインに任せた方が良いと考えたようで首を捻る。

ジークの行動にカインは即座に対応を行うと口からは平然と嘘が垂れ流されて行き、ジークは考えるのが面倒になったのか、頭をかく。


「見に行くか?」


「一応、女性陣以外には声をかけてあるよ。魔力の残存量の確認もしたいし、精霊達にどれくらい力を貸して貰えたか、アーカスさんに確認を取りたいからね」


ジークはカインの言葉について行けないと思ったようで味方を得たいため、この場所を移動しようとする。

カインはジークの場所以外にも使い魔を飛ばしていたようであり、ジークを先導するように彼の使い魔は翼を広げた。


「……先に言え」


「それは悪かったね。それより、早くしないとアーカスさんがジオスに戻っちゃうよ。あの人は魔導機器の発動さえ見られれば他に興味なんかないんだから」


「確かにそうだな……テッド先生、タニアさん、すいませんけど俺達はまだやる事があるので失礼します」


ジークがため息を吐くとカインの本体はアーカスを確保しに行こうとすでに動い出しているようにも聞こえる。

アーカスの行動を考えると何も言わずにジオスに帰ってしまう彼の姿は容易に想像がつき、ジークは頭をかいた後、テッドとタニアに頭を下げた。

2人は苦笑いを浮かべるとジークを送り出してくれ、ジークは先を行くカインの使い魔の後を追う。


「レインとフォトンさんにも連絡しているのか?」


「そうだね……そうでもしないと逃げられるからね」


カインの使い魔の後ろに付いたジークは他の2人がどうなっているかと聞く。

その質問にカインはため息交じりで答えるとジークも納得ができるようで頭をかいた。


「それより、さっきのは何なんだ?」


「さっきの?」


「テッド先生はこっちの状況を知っているんだから、あんなわざとらしい話をする必要はないんじゃないか?」


アーカスを確保するためにカインの使い魔は少しスピードを上げ、ジークは早足になりながら、先ほどのわざとらしい話は何だったのかと聞く。

カインの使い魔は方向転換をすると首を小さく傾げるが、その様子はとてもわざとらしく見えてジークは大きく肩を落とした。


「テッド先生には必要ないけどね。もう1人居ただろ」


「あー、タニアさんか? 悪い人には見えなさそうだぞ」


「見た目はね。ただ……ザガードの出身者は警戒しないといけないからね」


カインは移民の情報をつかんでいるようでため息を吐くがジークはリアーナとタニアが親密に話していた様子を思い出して彼を良い人だと言う。

彼がお人好しのため、カインは警戒を強くする必要があると思っているようであり、ザガード出身を言う事を強調するとジークは眉間にしわを寄せる。


「……そんな物か?」


「警戒するのは必要だよ」


「だけど、それを言ったらリュミナ様やリアーナ達も警戒しないといけなくなるだろ」


ジークが納得できていないのはカインにもわかるようだが、必要な事だと念を押す。

ザガード出身と言う事だけで疑ってしまえば懇意にしているリュミナやリアーナ達も疑う事になるため、ジークは納得が行かないようでため息を吐く。


「そっちは大丈夫だよ。俺よりも強力な方達が居るからね。ザガード出身者は少なからず警戒されていると思うよ」


「そうか……でも、エルト王子は気にしてなさそうだよな」


「エルト様はね。そう言うのは気にしないから、それにリアーナを中心としてリュミナ様についてきた騎士達はザガードではなくリュミナ様に忠誠を尽くしているって感じだったしね……」


カインは王都でもザガード出身者は警戒されていると言い、ジークは微妙に納得が行かないようで頭をかいた。

彼の様子にカインは心配ないと言うが何かあるのか言葉は途中で止まってしまう。


「おい……何かあるのかよ?」


「最初にリュミナ様を逃がした人間が居て、その後に彼女を追いかけてハイムに来たと考えた時に追いかけてきた人間はどこに行くだろうね?」


「普通はリュミナ様のところだろ。彼女を追いかけてきたんだから」


カインは現状でフォルムにいるザガード出身者を監視対象だと言いたいようであり、ジークに質問をする。

質問の意味がわからないようでジークは首を捻ると彼らが向かう場所は王都だと言う。


更新が遅れてしまい申し訳ありません。

先日から肩こりが再発してしまい、パソコンに向き合うのがしんどい状況になっています。

現在はノラ猫の新シリーズも同時に執筆しているためか、交互に書いている状況です。

しばらくは毎日更新は難しいと思いますがご了承よろしくお願いいたします。

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