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勇者の息子と魔王の娘?  作者: まあ
ジーク=フィリス
855/953

第855話

「……」


「魔力回路の確認なら使えるかも知れないですけど、属性を考えると魔力回路を焼き切る可能性もありますよね?」


「普通に考えると土か木ですよね。後は水も使えるとは思いますけど……」


アーカスはカインの手から待竜の瞳の欠片を手に取り、光に照らす。

その様子にカインは興味の対象が変わってしまったのではないかと思ったようで苦笑いを浮かべると火竜の瞳での実験は止めた方が良いと言う。

カインの言葉にアーカスは反応する事無く、火竜の瞳を覗き込んでおり、セスは小さくため息を吐くと魔導機器の属性から使えそうな物を挙げて行く。


「そうだね。水もぎりぎり使えそうだけど……」


「……おい。そこで何を悪巧みしている」


「だから、悪巧みなんてしてないよ。どうして疑うかな?」


セスの言葉でカインは何か考え付いたようで小さく口元が緩み始める。

その表情にアノスはカインがまた良からぬ事を考えていると思ったようで眉間に深いしわを寄せた。

彼の言葉にカインは言いがかりだと言いたげに大袈裟に肩を落とすが、その様子は酷く胡散臭い。


「……カイン、言い難いのですが胡散臭いです」


「そうですね。何か考え付いたならもう少し表情を気にしてください」


「はいはい。俺が悪かったよ」


レインがため息を吐くとセスも同様の意見のようでカインに注意するように言う。

2人に言われた事でカインはとりあえず、形だけの投げやりな返事をする。


「それで、何を企んだんだ?」


「企んだわけじゃないよ。魔導機器の魔力回路の確認だけをするなら、セスの言った通り、魔導機器に負荷がかからない魔力を流して見る必要がある」


「それはわかっていますけど、それができるほどの精霊石などはありませんよ」


アノスはカインに企みを話すように言うとカインはため息を吐いた後、現状を確認するように話し始める。

セスは頷くが今の状況では魔導機器の動力になるような物はないとため息を吐く。


「それがあるんだよね。水属性だけど」


「水ですか?」


「ジーク、ちょっとこっち来て」


カインは使えそうな物に心当たりがあったと笑う。

セスは何の事を言っているかわからないようで首を傾げると夕食をテーブルに並べ始めていたジークを呼ぶ。


「……今度はアーカスさんに何をしたんだよ?」


「それに関して言えば、俺は悪くない……と思う」


「……嘘くさい。それで何の用だ? 見ての通り、忙しいんだけど」


ジークは怪訝そうな表情をして呼び出した理由を聞こうとするが興味の対象が魔導機器か別の物に変わっているアーカスに気づき、眉間にしわを寄せた。

自分は悪くないと言おうとするカインだが、火竜の瞳を渡したのが自分のため、自信がなくなったようで伐が悪そうに笑う。

ジークはため息を吐いた後、速く用件を言えと催促する。


「冷気の魔導銃を貸して」


「……魔導銃を? 何に使う気だよ?」


「ちょっと、魔導機器の実験、破損個所の確認をしたかったんだけど、火竜の瞳は危ないからね。使って、この屋敷が全焼とか笑えないだろ」


カインに魔導銃を貸すように言われてジークは意味が理解できないため、首を傾げた。

ジークの疑問にカインは答えるとジークは疑いながらも冷気の魔導銃を取り出してテーブルの上に置く。


「お前、分解できるのか? 前はいじるのは止めとくって言ってなかったか?」


「アーカスさんほどじゃないけど、魔法石を取り外す事くらいはできると思うよ」


「そうか……火事にはならないけど、ここが氷漬けとかは止めてくれよ」


カインは魔導銃を手に取ると分解する方法を確認しようと魔導銃を覗き込む。

その様子にジークはおかしな事にならないようにしろと言った時、フィーナからジークに文句が飛び、ジークは夕飯の準備に戻って行く。


「……うーん」


「カイン、アーカスさんに任せた方が良いのではないですか? ある程度の魔導機器ならまだしも魔導銃は危険ではないですか? アーカスさんもいるのですし、少し待ってみてはどうでしょう?」


「製作者なわけですしね。あ、あの、アーカスさん、何をするつもりですか?」


魔導銃を観察しているカインは構造がすぐに理解できないのか首を捻っており、セスは危険だと判断したようでカインに手を止めるように言う。

彼女の意見にレインも賛成のようで大きく頷いた時、アーカスが火竜の瞳を魔導機器の中に取り付けようとしている事に気づく。

レインの言葉でカインとセスはアーカスに視線を向けるとすぐに彼の手を押さえつける。

アーカスは2人の行動に文句があるのか、視線で2人に手を放すように訴えるが、カインとセスも手を放す事はない。


「手を放せ。私の邪魔をするな」


「邪魔をするなって、火竜の瞳は危ないですから、魔導機器が爆発して火事とか笑えません!!」


「アーカスさん、実験するなら、こっちで、冷気の魔導銃に使っている魔石なら、属性的にも問題ないと思います。回路の確認ならこっちで充分でしょう」


2人が手を放さない事にアーカスは鬱陶しいと言いたげだが、セスは考え直すように言うとアーカスの腕から火竜の瞳を奪い取った。

カインは火竜の瞳が取り上げられて空になった手に冷気の魔導銃を乗せ、こちらで試すように言う。


「ふむ。確かにそうか。それに火竜の瞳か? ……あの石人形の外装に魔法処理をすれば他にも試せる事があるか」


「……何かおかしな事になっていないか?」


「そ、そうかも知れない」


アーカスは魔導銃を手に取ると何か考え付いたのかぶつぶつと言い始め、時折、口元を緩ませる。

その様子にアノスはイヤな予感がしたようで眉間にしわを寄せるとカインも同じ事を考えているのか大きく肩を落とした。


「今回の手伝いの件だ。交換条件に火竜の瞳の欠片を貰う。良いな?」


「……拒否権ってきっとないですよね?」


「当然だ。少し面白い事を考え付いたのでな。それには火竜の瞳が必要だ」


アーカスは魔導機器の修理などに力を貸す代わりに火竜の瞳を要求する。

その要求にカインは悩んでいるようで念のため、考えを変えてくれないかと聞き返すがすぐにアーカスに却下されてしまう。

カインはアーカスの性格も良く知っているため、大きく肩を落とすと小さく頷いた。


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