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勇者の息子と魔王の娘?  作者: まあ
ジーク=フィリス
852/953

第852話

「……シーマ様、何をしているんですか?」


「べ、別に何もしていません!?」


「そういう事にしておきましょう」


フォトンがテッドの診療所に顔を出すとシーマはお年寄り達に必要以上に可愛がられており、その様子を見て、フォトンは眉間にしわを寄せた。

シーマはフォトンの顔を見て慌てて立ち上がると何もないと首を横に振った。

待合室にいたお年寄り達はフォトンの表情を見て逃げるように距離を取り、シーマは助けを求めるようにお年寄り達を見るが、お年寄り達はフォトンには睨まれたくないのか視線をそらす。


「……まったく」


「フォトンさん、どうかしましたか? 魔導機器は見つかりましたか?」


「カイン様から状況確認の指示を受けましたので」


フォトンが呆れたようにため息をついた時、待合室の様子がおかしい事に気が付いたのかミレットが診察室から顔を出した。

ミレットはフォトンを見つけて、彼が戻ってきた事に首を捻ると彼は柔らかい笑みを浮かべた後、診療所に戻ってきた理由を話す。

カインの指示と聞き、ミレットは小さく頷くとフォトンとシーマに診察室に招き入れる。

フォトンはすんなりと受け入れ、診察室に入るがシーマはフォトンが苦手なため、足が診察室には向かわない。


「……シーマ様、時間もありませんので速くしていただけませんか?」


「フォトンさん、あまりきつく言わないでくださいね」


彼女の様子にフォトンはシーマに速くしろと言うと彼女はしぶしぶ歩き出し、2人の様子にミレットは苦笑いを浮かべる。


「……一先ずは大事に至らなくて良かったです」


「そうですね」


テッドから運び込まれた人間の安全を保障され、フォトンは胸をなで下ろす。

ノエルは彼の様子に笑顔で頷くがシーマはどういう反応をして良いのかわからないようで顔を伏せている。


「それで、フォトンさんはカインへの報告と言っていましたが、本当にそれだけですか?」


「どうかしましたか?」


「ケガ人が診療所に運び込まれた時にはジークくんも居ましたからね」


シーマの様子にミレットはくすくすと笑うとフォトンが診療所に訪れた本当の理由を聞く。

フォトンは首を傾げるとテッドはあのわずかな時間でしっかりと診察していたと思っているようでミレットの言葉に頷いた。


「……居ましたからと言ってもそんなにわずかな時間で調べられる物なんですかね?」


「それだけ、ジークが一生懸命勉強しているんですよ」


「……まぐれですわ。もしくは何も考えずに無責任に置いて行っただけに決まっていますわ」


ノエルのジークが少しだけしかケガ人を見ていなかったため、首を捻る。

ミレットはジークが時間のない中で頑張っていると言い、ノエルは同調するように小さく頷いた。

しかし、カルディナはジークの事を認めていないため、まぐれだと頬を膨らませている。


「おかしな事を言うとクーちゃんに嫌われますよ」


「……すでに手遅れのような気がしますね」


彼女の様子にミレットはカルディナをいさめるように言う。

その言葉にカルディナははっとしてクーへと視線を向けるとクーはカルディナと顔を合わせるのもイヤなのかすぐにそっぽを向く。

クーの態度にカルディナの顔には絶望の色が浮かび、落ち込み始めるとフォトンは力なく笑う。


「フォトンさん、テッド先生の言っていた魔導機器は見つかったんですか?」


「まだ見つかっていません。今はアーカスさんが手伝ってくれています」


「アーカスさんがですか? ……どうやってフォルムにまで足を運んで貰ったんですか?」


ノエルは話を変えようと思ったようでフォトンに魔導機器について聞く。

フォトンはアーカスを連れてきた事を話すとノエルは信じられないと言う表情をする。

ミレットはノエルの反応も理解できるようでくすくすと笑っており、ノエルはバツが悪そうに目を伏せた。


「……家に長居をされるよりは速く済ませてしまおうと思ったようです。私達ではあの書斎はどうしようもできませんでしたので」


「そ、そうですね。あそこから、目的の物を見つけるのは難しいですよね」


「はい……ただ、まだ、カイン様には話をしていませんが、時間をいただいて書斎の整理をしてきたいと思っています。あれだけの知識が貯められている物ですから必ず役に立つ時があると思いますから」


フォトンはアーカスの反応から推測した事を話した後、書斎の感想を話す。

ノエルは何度か書斎を訪れたがフォトンと同様に目的の物を探しきれた事はないため、大きく肩を落とした。

フォトンは彼女の様子に小さく笑うと何か使命感が湧き上がっているようでアーカスの書斎を整理しに行くと宣言する。


「が、頑張ってください」


「はい。目録を作り、何かあった時にはすぐに対応できるようにしたいと思っています」


「……フォトン、話がずれてきていない?」


ノエルは彼が宣言した事がどれだけ大変か理解しているためか、顔を引きつらせるがフォトンの目には静かにやる気の炎が灯っている。

彼の様子にシーマは状況が理解できないため、ため息を吐くとフォトンは小さく1つ咳をして表情を戻した。


「失礼しました」


「アーカスさんが手伝ってくれているなら、魔導機器もすぐに見つかるかもしれませんね」


「はい。それでですね……シーマ様」


フォトンは自分の行動を謝罪するとノエルは魔導機器の件に対して光明が見えたと言いたいのか笑顔を見せる。

彼女の笑顔にフォトンは釣られるように笑顔を見せると本題に移ろうと思ったのかシーマへと視線を向けた。


「な、何?」


「カイン様からの指示です。私達に合流して売却しても良い魔導機器の選別をお願いしたいとの事です」


「……なんで、私がそのような事をしないといけないのですか? 不要な物なら売り払ってしまえば良いでしょう」


シーマはフォトンの視線に後ずさりをするとフォトンは視線を正してカインからの指示を告げる。

その指示にシーマは少し考えると指示に従う理由はないと言いたいのか首を横に振った。


「そうですか? フォトンさんシーマさんをお願いしますね。ノエルも今日は大丈夫そうですから、食事の準備をお願いしても良いですか?」


「はい」


「ま、待ちなさい。なぜ、勝手に話が進むんですか!? 私はあの悪徳領主の臣下ではありません!!」


シーマの態度を気にする事無く、ミレットはシーマにフォトンと一緒の行くように言う。

その言葉にシーマはカインからの指示を聞く理由はないと声を上げるがノエルとフォトンに引きずられて診察室を出て行き、クーが3人の後を追いかけて行く。


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