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勇者の息子と魔王の娘?  作者: まあ
ジーク=フィリス
830/953

第830話

「……フォルムとは違いますね」


「王都ですからね。廃れていたら困りますよ」


転移の魔導機器を使用してジークはフォトンとともに王都を訪れた。

転移の魔導機器では王都にあるカインの屋敷にしか移動できないため、2人で王都を歩いている。

フォトンは初めて見る王都の様子に驚きが隠せないようで周囲を見回しており、ジークは初めて王都に来た時の事を思いだしたようで苦笑いを浮かべた。


「すいません。少し大人気ありませんでした」


「気にしなくても良いですよ。俺も田舎の人間だから、最初に王都に来た時は驚きましたしね。それに珍しくないですから」


「そうですか。それなら良いんですけど」


年下のジークが落ち着いている姿にフォトンは気まずくなったのか小さく咳をすると表情を引き締める。

ジークは王都の様子を楽しんだ方が良いと言いたいようでフォトンの気持ちもわかると言うと王都の中でフォトンと同じように周囲をきょろきょろと見回している人達を指差す。

王都と言う事もあり、田舎から出てきた者達も多く、フォトンのような行動をとっている者も多く、周囲の様子に少し安心したようでフォトンは苦笑いを浮かべた。


「それで魔術学園と言うのは遠いんですか?」


「魔術学園の前に寄りたいところがあるんで先にそっちですね」


「先ほど、カイン様から渡されていたメモに何が書いてあったんですか? ……全然、聞いた事もないものです」


フォトンは魔術学園までまだ時間が必要なのかと聞くがジークはカインから頼まれ事があるようでメモを見ながら言う。

ジークの手にあるメモを覗き込むフォトンだが、メモの内容はフォトンには心当たりがなく、首を捻った。


「実は俺もなんですけど……この状況は以前にもあった気がするんですよね」


「以前にもあった気がするんですか? それはいったいどういう状況ですか?」


「このメモに書いてある物は存在しない物だったんだよ」


ジークはメモを見て始めてバーニアの店を訪れた時の事を思い出して眉間にしわを寄せる。

彼の表情にフォトンはその時の事を聞くとジークはこのメモが本当に正しいのか疑問に思っているようで大きく肩を落とす。


「メモが意味をなさないなら、どうするんですか?」


「……とりあえず、知ってそうな人間に聞く」


フォトンは当然の疑問を口にするとジークはその時と同じ事をしようと考えたようでため息を吐きながら先を歩き、フォトンは彼の後に続く。


「それでここに来たわけか?」


「はい。それでこのメモって本物ですか?」


「……ここまで疑われるのもあいつの日頃の行いなんだろうな」


王都の職人通りにあるバーニアの店のドアを開けるとジークは今の状況を話し、メモをバーニアに渡す。

バーニアはカインならやりそうだと言いたいようで苦笑いを浮かべているとジークはメモの真偽を聞き、バーニアはメモを覗き込んだ。


「どうですか?」


「今回は本当にある物だな。この辺は紅茶とかその辺の物だ。他は魔術学園で買える物が多いな」


「紅茶ですか?」


急かすように聞くジークにバーニアはメモを指差した。

予想していなかった答えにフォトンは首を捻るとバーニアは大きく頷く。


「紅茶?」


「味としてはジークの作る葉に近いんじゃないか? カインが王都で良く飲んでいた物だな」


「それなら、どこに行けば良いんだ?」


バーニアはカインが王都にいる時に彼が常飲していた物だと言うとジークはなんと反応して良いのかわからないようで頭をかいた。

その様子にバーニアとフォトンは顔を見合わせて笑うとジークはバツが悪いのか、話をそらすように紅茶の売っている店を教えろと言う。


「少し待てよ。準備してくるから」


「準備?」


「俺も買ってこないといけない物もあるからな。それに案内はいた方が良いだろ。待っていろよ」


彼の様子にバーニアは苦笑いを浮かべるとカウンターの奥に入って行こうとする。

その言葉の意味がわからずにジークは首を捻るとバーニアは苦笑いを浮かべて奥に行ってしまう。

彼の背中を見送ったジークとフォトンはなぜバーニアが同行する気になったかわからないようで首を捻るが答えが出てくるわけでもなく、2人はバーニアの帰りを待つ。


「今回は前回と違ったようですね」


「そうですね。まぁ、毎回、存在しない物を探せと言われたら、俺もあいつの手伝いなんかしなくなるでしょうからね」


「そうですか」


フォトンは苦笑いを浮かべると店に飾っている武具が珍しいのか杖を手に取る。

ジークはため息を吐くとバーニアを待つ間に暇をつぶすものは無いかと店内を見回す。


「良い物でもありましたか?」


「いえ、そう言うわけではないんですが……正直、自分にどんな武器があっているのかも分かりませんし」


「そうなんですか? ……そう言えば、フォトンさん、武器を持っていませんでしたよね。魔法を使うなら杖くらい持っていても良いんじゃないですか?」


ジークは魔導銃と言う特殊な武器を使っているためか、バーニアの店ではあまり見る物もなく、フォトンが何を見ているのかと聞く。

フォトンは手に取っていた杖を戻しながら、バツが悪そうに笑うとジークは森の中を歩いていた時にフォトンが武器を持っていなかった事を思い出す。


「緊急時に武器を手にしている余裕などないですからね」


「そう言う物ですか? 確かに執事が武器を持って歩いていると少し怖いですよね」


「そうですね。武器を手にしていると来客してくださった方々に要らない心配をかけてしまいますから」


ジークは武器を手にした執事は物騒だと言いたいようで苦笑いを浮かべる。

フォトンは来客におかしな警戒をさせるわけにはいかないと言いたいようで柔和な笑みを浮かべるとジークは釣られるように笑う。


「体術で魔法を使うなら、面白い物があるけど、結構な値段がするぞ。見てみるか?」


「いえ、大丈夫です。それにフォルムはそこまで物騒ではありませんし」


「1番、物騒なのが領主とその妹だからな」


その時、準備を終えたバーニアが顔を覗かせると話が聞こえていたようで商品の売り込みに移ろうとする。

フォトンは首を横に振るとジークはフィーナとカインの兄妹喧嘩の様子を思いだしたようでため息を吐いた。


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