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勇者の息子と魔王の娘?  作者: まあ
ジーク=フィリス
829/953

第829話

「お帰り、お昼は食べたのかい? 食べてないなら作るけど」


「屋敷に戻ったついでに食ってきた……後、作るなら自分で作る。セスさんの目が怖いからな」


「ジーク、どういう意味ですか?」


昼食を食べ終えたジーク達はフィーナを屋敷に置いて収集したサンプルを持ってカインを訪ねる。

カイン達はちょうど昼食を食べ終えたところであり、ジークに昼食をどうするかと聞く。

領主と言う立場にありながら、フットワークの軽すぎるカインの様子にジークはため息を吐くが彼の言葉にセスは何か感じたようで彼を睨みつける。


「カインが遊び過ぎでセスさんに負担をかけていますからね」


「カイン様にもカイン様のお考えがありますし」


「ただ、自分のやりたいようにやっているだけでしょう」


ジークは苦笑いを浮かべながら、自分の発言はセス寄りだと言うとフォトンは領主であるカインをフォローしようとしているのか苦笑いを浮かべた。

フォトンの言葉にシーマは舌打ちをすると彼女の言い分もわかるためか、その場は微妙な空気が漂って行く。


「ジーク、そう言えば、フィーナは?」


「具合が悪いノエルを1人にしとくのは気が引けると言って、屋敷でだらだらしている」


「まったく、フィーナはダメだね」


その空気を読む事無く、カインは同行していないフィーナに付いて尋ねる。

フィーナは調子の悪いノエルがいるため、休める理由を手に入れた事もあり、屋敷にいるとジークが答えるとカインは眉間にしわを寄せた。

サボる事しか考えていないフィーナへの失望もあるようでカインの放つ空気は冷たく、あまり見ないカインの様子にシーマとフォトンは後ずさりする。


「それで、これはどうしたら良いんだ? セスさんに渡して良いのか?」


「そうですね。預かります……」


「どうかしましたか?」


ジークはカインの様子に小さくため息を吐くと話を戻す必要があると考えて持ってきたサンプルに付いて聞く。

セスはジークが気を使ってくれた事を理解して頷くものの、何かあるのか小さく首を捻った。

彼女の小さな仕草をジークは見逃す事はなく、何かあったのかを首を傾げる。


「他の視点からも調査してみたいので道具をそろえたいのですが、準備もしたいので取りに行くヒマがなくて」


「……魔術学園に取りに行けって事ですか?」


「そうなりますね……言いたい事は解りますけど、行ってくれませんか?」


セスは申し訳なさそうにジークの顔を見るとジークは目的地が魔術学園だと気づき、眉間にしわを寄せた。

ジークの反応はセスには予想が付いていたようで困ったように笑うと改めて、ジークに頭を下げる。


「……ライオ王子に見つかりたくないんだよな。この間もおかしな絡まれ方をしたし」


「ですけど、ライオ様も今は王都周辺に出没している巨大蛇の件で忙しいでしょうし、魔術学園にはいない可能性も……」


「ライオ王子の事だから、現場に行かないとわからない事もあるって言って同行したがるかもしれないね。流石に許せれないと思うけど」


先日、魔術学園を訪ねた時にジークはライオに捕まっており、彼に見つかりたくないためか反応は鈍い。

セスはジークの気持ちも理解できるのだが必要な事のため、ライオが魔術学園に居ない可能性を示唆してジークを説得しようとする。

しかし、彼女の言葉をカインが否定し、ジークもカインと同様の考えを持っているようで首を横に振った。


「……言われなくてもわかっています」


「ですよね……だけど、行かないといけないんだよな。何か、ライオ王子の目を誤魔化す方法はないかな?」


「誤魔化す方法となると変装でしょう?」


実際はセスもライオが魔術学園に居ない可能性が低い事は解っており、眉間にしわを寄せるとジークは苦笑いを浮かべるとライオを欺く方法を考えようと首を捻る。

ジーク達がそこまで頭を抱えている理由がわからないため、シーマは無難な策を出すが3人は難しい表情をしており、その様子にフォトンは苦笑いを浮かべた。


「……悩んでいても仕方ないのでしょう?」


「そうなんだけど、変装って、どうするんだよ?」


「一般的に……女装とか?」


シーマは3人の様子に速くしろと言いたいのかわざとらしいため息を吐く。

ジークは変装と言う物に経験がないため、困ったように頭をかくとカインは何か面白い事を考えたのか小さく口元を緩ませた。


「何をバカな事を言っているんですか?」


「俺はイヤだぞ」


「冗談だよ。ミレットさんは喜んで手伝ってくれそうだけど、流石に俺も見たくないし」


セスは呆れたように大きく肩を落とすとジークは女装などやっていられないと言いたいようで大きく首を横に振る。

カインも本気で言っていなかったようで苦笑いを浮かべるとどうするべきかと考えているのか頭をかく。


「ライオ王子と面識がない人間が行ければ良いんだけど、そうなると学園の中に入れて貰えないよな?」


「そうですね。委任状を書いたとしても初めての人間となると許可が出るのに時間がかかると思います。その間にライオ様に私達の関係者だとばれては元も子もありません」


ジークはフォトンやシーマがいるため、王都に2人を連れて行こうと考えるが魔術学園は国立であり、素性の良くわからない人間達への対応は厳しそうである。


「……とは言っても、考えているだけじゃ何も変わらないね。ジーク、悪いんだけど策も何もないけど行ってきてくれるかな?」


「拒否権はないよな……ワカッタよ」


「当然だね。とりあえず、いくつか手を打ってはおくけど、ジーク1人だときついと思うからフォトンも付き合ってくれるかな」


有効な対策は無いのだがいつまでも時間を取っている余裕はなく、カインは苦笑いを浮かべながらジークに頼む。

ジークは逃げる方法を考えるが良い考えも浮かばず、必要性も理解しているためか大きく肩を落とした。

その様子にカインは小さくため息を吐くとフォトンにジークに同行するように指示を出す。

フォトンは主の指示のため、すぐに頷くとカインとセスは魔術学園から持ってくる必要のある物のメモをかき始める。


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