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勇者の息子と魔王の娘?  作者: まあ
ジーク=フィリス
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第827話

「転移魔法、便利ですね」


「フォトンさんも魔法が使えるなら教われば良いよ。俺は魔導機器を使わないと難しいけど、転移魔法が使える人が増えると正直、ありがたいからな」


「私はそこまで、魔法の才能はありませんから」


セスの指示通りにサンプルを集めたジーク達は転移魔法でカインの屋敷に戻った。

フォトンは初めて転移魔法を経験して不思議そうに首を傾げているとジークはフォトンにも転移魔法を覚えてみてはと言う。

ジークの提案にフォトンは困ったように笑っており、彼の様子からフォトンにその気はないと思ったようで残念そうにため息を吐いた。


「そう言えば、そっちも転移魔法を使えるのよね? ……なんで、逃げないの? バカなの?」


「……フィーナさん、少しは言葉を選びましょうね」


「ミレットさん、どうして、ここに?」


フィーナはシーマが転移魔法を使えた事を思い出し、彼女が逃走しない事を不自然に思ったようで暴言を吐く。

彼女の言葉にシーマは眉間に深いしわを寄せた時、話を聞いていたようでミレットの呆れたような声が聞こえる。

フィーナは彼女の声に驚きの声を上げるとミレットは大きく肩を落とした。


「ノエルの様子を見に来たんですよ。お昼も過ぎてしまいましたからね。そろそろ、食事をできるまで回復していれば良いんですけど」


「そんな時間か?」


「ジーク、帰ってきたんだし、ご飯」


ミレットはフィーナの質問に答えるとノエルの体調を心配しているようで苦笑いを浮かべる。

彼女の言葉にジークは時間が過ぎるのも忘れていたと苦笑いを浮かべるとフィーナはお腹が減ったようで昼食にしようと言う。


「サンプルは速く届けた方が良いよな?」


「そうですね。私が運びましょうか?」


「今の時間なら昼食を食べてからの方が良いと思いますよ。この時間にサンプルを持って行ったら食事をしないで調査を始めそうですから」


昼食は必要だと思いながらもサンプルを届ける方が先決だと思ったようでジークは首を捻る。

フォトンも同意見のようでサンプルは自分が持って行こうと提案してくれるがミレットは屋敷に入るように勧め、フィーナはすぐに屋敷に入って行く。


「確かにセスさんなら始めそうだな。休ませるためにも俺達も休憩にするか」


「はい。シーマさんもフォトンさんもどうぞ」


フィーナの背中をジークは見送った後、ミレットの意見にも賛成できるようで小さく頷いた。

ジークの返事にミレットは満足そうに笑うとシーマとフォトンの背中を押して歩き、3人の後をジークは追いかける。


「……何があった?」


「私が聞きたいわよ」


「ジークさん、フィーナさん、お帰りなさい。今、昼食を用意します」


屋敷の居間にジークが入るとノエルが床に倒れ込んでおり、その様子にジークは眉間にしわを寄せた。

先に屋敷に入ったフィーナはノエルを抱き起すとノエルは消え去りそうな声で食事の準備を始めると言う。


「ご飯はジークが作るから、ノエルは休んでいてよ」


「……いや、作るけどお前も手伝えよ」


「イヤよ」


フィーナはノエルを抱きかかえると彼女をソファーの上に運び、休んでいるようにと言い聞かせる。

ジークは彼女の言葉にため息を吐くとフィーナにも手伝うように言うがフィーナは瞬時に拒否し、ジークは眉間員しわを寄せた。


「とりあえず、お茶を淹れてきますから、2人はここで待っていてください」


「は、はあ」


「……わかりました」


納得が行かない物を感じながらもジークはシーマとフォトンに声をかけてキッチンに向かう。

フォトンはどう反応して良いのかわからないようで間の抜けた返事をするがシーマは何か言っても仕方ないと考えているようで空いているソファーに腰を下ろす。


「……ミレットさん、なんかキッチンに行きたくないんですけど」


「ピリピリしていますね。フィーナとシーマさんはやっぱり、相性は良くないですか?」


ミレットもキッチンに移動し、ジークと2人で昼食の準備を始める。

昼食ができる前にお茶でも出そうと考えていたジークだが、紅茶を手に居間を覗いた時、居間ではフィーナとシーマが睨み合いをしており、ジークはミレットに助けを求める。

ミレットはジークの隣に並び、居間を覗き込むと楽しそうに笑う。


「ミレットさん、楽しそうですね」


「そんな事はありませんよ。それより、逃げていても仕方ないんですから、速く場を和ませてきてください」


「……俺より、ミレットさんの方が向いていると思うんですけど」


ジークは他人事のように言うミレットの様子にため息を吐く。

ミレットは笑顔でジークの肩を叩くとジークは紅茶を彼女に渡そうとするが、ミレットはその手から逃げるように距離を取った。

ジークは絶対的に場の空気を和ませるのはミレットの方が向いていると思っているため、大きく肩を落とす。


「苦手だからと言っても逃げてはいけませんよ。お姉ちゃんは、ジークをそんな弱い子に育てた覚えはありません」


「……俺も育てられた覚えがありません」


それでも、ミレットはジークの成長のためだと言いたいようで笑顔で紅茶を出してくるように言う。

彼女の言葉にジークはミレットの相手をする方が面倒だと思ったようでため息を吐きながら、居間に移動する。

ミレットはジークの背中を見送った後、昼食の準備の方に戻って行く。


「ノエル、大丈夫か?」


「ジークさん、すいません」


「それで……何があったんですか?」


居間に戻ったジークは4人の前に紅茶を並べるとノエルの体調を心配する。

彼女はまだ体調が悪いようで青い顔をしてジークに謝るが、ジークは気にする事はないと首を振ると今も睨み合いを続けている2人へと視線を向けた。

フィーナとシーマはジークの事など気にするつもりもないようであり、ジークはノエルとフォトンを呼ぶと何があったのかと聞く。


「……申し訳ありません」


「いや、それに関して言えば、フィーナにも絶対に問題があるから、フォトンさんはそこまで謝らなくても良いです」


フォトンの開口1番は謝罪の言葉であり、ジークは責任はフィーナにも絶対にあると思っているため、首を横に振った。


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