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勇者の息子と魔王の娘?  作者: まあ
ジーク=フィリス
821/953

第821話

「そうですか。カインは魔術学園にこの土のデータを持って行ってみると言っていたのですか」


「何か不味いですか?」


「そう言うわけではありません。私も考えた事がありますし……ただ、フォルムまで来てくれるかはわかりませんね」


ジークとミレットはここで朝食を済ませてしまおうと思ったようで昨晩、元領主の屋敷に泊まった人達とともに朝食を食べ始める。

食事の途中でジークはカインが人手不足のため、協力者を探したいと言っていた事を思い出してセスに話す。

その件に関しては彼女も考えた事があるようだが、良い返事を聞けないと思っているようで眉間に深いしわを寄せた。


「来てくれる人も居るかも知れませんし、やる価値はあると思いますけど無理と決めつけるのは可能性をつぶす事になりますよ」


「それは理解しています。ただ、研究員や調査員を雇い入れるとなると……お金がないんです」


「当面で1番の問題ですね……カイン様は良くやってくれていると思います」


ミレットはジークの負担になっている事もわかっており、新たな人材確保には賛成のようでセスが難色を示している事に首を捻る。

セスも必要な事は理解しているようだが、財政管理をしているためか人件費が捻出できないと言い、フォトンは彼女に同調するように苦笑いを浮かべた。


「セスさん、実際問題、そんなに財政って不味いんですか? ……俺達、食費くらいしか貰ってないんですけど」


「そうですね。テッド先生の診療所もボランティアのようなものですし」


「それに関して言えば、申し訳なく思っています」


自分達はカインから給金を貰っていないため、ジークは首を捻るとミレットは苦笑いを浮かべる。

2人の言葉にセスはテーブルに両手を突き、頭を下げた。


「いや、謝られても困るけど、それにカインに問題があってセスさんも俺達と同じような物でしょう?」


「そうなのですが……私の場合はまだエルト様付きの文官扱いですから、エルト様の指示でジークの教育を行っている立場になっています。そのため、実家の方に帰れば給金もあります。先日、帰った時にも使わずにとってあると言われましたので」


「どうかしたんですか? ……ミレットさんは何かわかっているんですか?」


ジークはセスが謝る事でもないと思っており、首を横に振るとセスは自分の立場はジーク達と違うと言うがなぜが彼女の顔は赤く染まって行く。

彼女の様子にフォトンは首を捻るとミレットはセスの顔を見てニヤニヤと笑っている事に気が付いた。

ミレットが何かに気が付いていると思ったフォトンは彼女に質問するとミレットは視線をセスに向け、セスは察しの良い彼女にすべてを見透かされていると思ったのか大きく首を横に振った。


「親御さんにカインとの婚約のためにしっかりと管理しておくとでも言われたんじゃないでしょうか?」


「……ミレットさん、当たっているみたいですけど、口に出さなくても良いんじゃないかと」


「でも、フォトンさんに聞かれてしまいましたし、答えないといけないじゃないですか?」


しかし、ミレットは笑顔を浮かべたまま、推測を口に出すと彼女の推測は正しかったようでセスの顔は耳まで真っ赤に染まる。

セスの様子にジークは大きく肩を落とすとミレットは責任を全てフォトンに押し付けるように笑う。


「私の責任ですか!?」


「そうですね。フォトンさんの質問に答えただけですから」


「セスさん、あんまり、大変なら少しだけどお金を入れようか? 一応、俺とノエルは収入あるし」


フォトンはまさか自分に責任を擦り付けられると思っていなかったようで驚きの声を上げた。

ミレットは笑顔のまま、念押しをするとジークはこのままにしていると話が進まないため、薬屋として収入があるため、お金を入れようかと言う。


「そう言うわけにはいきません」


「でも、収入がないと他の人達だって困るだろ?」


「いえ、私達は先代の領主様の時より、多い給金をいただいています」


セスは平静を務めようと努力しようとしたようで1つ咳をすると表情を引き締めてジークの提案を断る。

ジークはこの場にいる人達も自分達と同じだと思ったようで首を捻るとフォトンは今までの話を聞いて少し気まずそうに笑った。

彼の言葉に同席していた研究員も気まずそうに頷く。


「……そうなんですか?」


「カインもレインも自分達の事は割とどうでも良いタイプですからね。それにカインは優秀な人材にはしっかりとしたいでしょうし」


「そうなんですよね……それなのにジークさん達の扱いが悪いですよね?」


ジークはセスへと視線を向けて確認すると彼女は小さく頷いた。

ミレットは領主とその補佐である2人の顔を思い出して苦笑いを浮かべるとフォトンはジーク達の働きを評価しているようで申し訳なさそうに言う。


「まぁ、俺達は別に良いよ。元々、自給自足みたいな生活していたわけだし、あまり気にならない。あれだったら、俺達の分くらいならジオスで食い物を貰ってきても良いし」


「……そう言うところにカインも私も甘えているんですが、この軽いノリはどうなんでしょう?」


「別に気にしなくても良いですよ。私もテッド先生の診療所には勉強で来ているわけですし、食事が出るだけでもありがたいですから」


フォトンの心配など余所にジークは気にした様子もなく、朝食を頬張るとセスはカインがジーク達の人の好さが不安なところもあるのか大きく肩を落とす。

ミレットも他に目的があるため、気にする必要はないと言うとセスは小さな声で礼を言う。


「俺達と同じ事を言ってくれそうな人って、セスさんやカインの知り合いに居ないんですか?」


「……自分達が特殊だと言う事を少し理解してください」


「そうですね。ほとんどただ働きなのに文句も言わない人達はあまりいないと思います」


ジークは自分達が特殊だとは思っていないため、軽い感じで言うがセスは眉間に深いしわを寄せて首を横に振った。

フォトンは先代領主の時の周囲の事を思いだしたようで眉間に深いしわを寄せているが、ジークは良くわからないようで首を捻っている。


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