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勇者の息子と魔王の娘?  作者: まあ
ジーク=フィリス
815/953

第815話

「で、結局、どうなったのよ?」


「どうしようか」


酔っぱらい3人を部屋に送り届けた後、4人で食卓を囲む。

フィーナは食事を頬張りながら、シーマに用があったのではないかと聞く。

カインも予想外の事のため、どうして良いのかわからないようで小さく肩を落とした。


「とりあえずは明日の朝に話をするしかないだろ……しまった。ミレットさんがお酒に飲まれるとは思わなかった」


「そうですね」


「……今のうちにこの屋敷にあるお酒を廃棄しようか」


ジークは先ほどのミレットの様子を思い出して大きく肩を落とすとレインは酔っぱらい3人の相手を長くやっていたせいか、憔悴しきった様子で頷く。

カインは屋敷の中にお酒の匂いがあるのもイヤなのか眉間にしわを寄せてつぶやいた。


「流石に無理だろ。それに料理にも使うからな」


「そうね」


「それで、カイン、あそこの場所に付いて何かわかったのか?」


ジークはカインのつぶやきを否定するとフィーナはバカな事を言うなと言いたいようで大きなため息を吐く。

カインも無理な事はわかっているため、何も言う事はないが食卓が微妙な沈黙に陥ってしまい、ジークは空気を変えようと思ったようで白い花が咲いていた場所の話を振る。


「そうよ。シーマさんがいないにしたって、私達は巻き込まれたんだから、知る権利はあるわ」


「お前が聞いてわかるのか?」


「……ジークも余計な事を言わないでください」


フィーナはジークの言葉に頷くが、彼女は難しい話になるとすぐに投げ出す傾向があり、ジークは疑いの視線を向けた。

その言葉にフィーナはムッとした表情をするとレインは酔っぱらいの相手をして疲れているため、これ以上の問題は起こさないで欲しいと懇願する。


「……そうだな。カイン、始めてくれ」


「そうね」


「そうだね。始めようか……その前にジーク、お茶を用意して」


レインの様子にジークとフィーナは流石に悪い気がしたようで顔を見合わせた後、2人はカインへと視線を向けた。

カインは小さく頷いた後、表情を引き締めるがすぐに表情を戻し、ジークにお茶を要求する。


「……まだ、飯を食っているんだけど」


「途中で退席すると話が止まるよ」


「途中でフィーナが話に飽きて席を立つから何も問題ない」


ジークはまだ早いだろうと言いたいようでため息を吐く。

カインは長くなると思っているようだが、ジークはそれでも問題ないと言うと彼の言葉にフィーナへ視線が集まる。


「そこでどうしてケンカを売ってくるのよ? まぁ、否定はできないけど」


「……できれば否定して貰いたいね。状況次第だけど、フィーナが情報を精査して人を動かす事もないとは言えないんだから」


「そうですね。フィーナさんも森の中で指示を出す時も出てくるでしょうし」


フィーナはジークを睨み付けるが、自分も飽きる事は否定できないようで小さなため息を吐く。

彼女の様子にカインはため息を吐くがその言葉にはフィーナに成長して欲しいと言う意味を込められており、レインも同調するように頷いた。

しかし、フィーナは自分にはまったく関係ないと言った様子で夕飯を頬張っており、2人は大きく肩を落とす。


「……とりあえず、始めようか?」


「そうだな。それで、その前にレインはどこまで聞いているんだ?」


「一通りはミレットさんから聞きました。話について行けないと困りますので」


カインは1つ咳をするとジークはレインの意見も必要になると思っているためか、状況を確認する。

ジーク達が戻ってくる前にミレットがレインとシーマに状況を説明してくれていたようで彼は苦笑いを浮かべた。


「……そこまで状況を理解してくれているのにどうしてお酒を出すかな?」


「シーマさんがあそこまでお酒に弱いのはさすがのミレットさんも予想外だったんじゃない」


「あの状況なら、ミレットさんも飲むしかなくなっていたのかもな……そう言えば、なんで、ノエルもお酒を飲んでいたんだ? ノエルは自分が弱いのを知っているだろ」


カインは眉間にしわを寄せるとフィーナはミレットも予想外だったのではないかとため息を吐く。

あそこまで酷くなった過程のわからないジークは首を傾げた。


「……シーマさんが無理やり飲ませました」


「そうか……酔っぱらいは困るな」


「……ねえ。このままだといつまでたっても話が進まないんじゃないの?」


レインはあの惨劇を思いだしたようで眉間に深いしわを寄せるとジークは頷く事しかできなかったようである。

ノエルに起きた悲劇に食卓は微妙な沈黙が広がるがこれ以上、無駄話をしているのもどうかと思ったようで手を上げた。


「そうだね。それじゃあ始めるよ。あの白い花を植えたのはシーマさんのお祖父さんみたいだね」


「結構前なのね……だけど、誰も知らなかったの?」


「かなり前の話だしね。忘れているか。知らないかはわからないね」


カインは運んできた資料からシーマの祖父の功績だと言うとフィーナは首を傾げる。

その言葉にカインはフォルムの民がどれだけ知っているかはわからないと笑う。


「やっぱり、蛇除けで植えたんでしょうか?」


「巨大蛇に関して言えば、昔も出ていたと言う記録はあったよ。だけど、そのために植えたと言う記録はなかった」


「それなら、何のために植えたのよ?」


レインは白い花が植えられた理由がわからずに首を捻るとカインは今の段階ではわからないと首を横に振る。

フィーナは結論の出ない状況にはっきりしろと言いたいようで眉間にしわを寄せるとそこに関する記述は見つかっていないため、カインは頭をかく。


「わからないよ。土地の改良のためだったのか……だけど」


「フォルムの土地じゃ、育つ花じゃないんだよな。カインから最初に渡された土の成分からだけど、植えるにしても最初に土地を改良しないと難しいと思う」


「そうなんだよね。土地改良に詳しい人間がいたとしたら、もっと、広がっていても良いと思うんだよね」


ジークとカインは白い花が先か良質の土が先かが重要だと思っているようで首を捻っているがフィーナはそこに関して言えばどうでも良いと思っているようで欠伸をしている。


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