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勇者の息子と魔王の娘?  作者: まあ
ジーク=フィリス
802/953

第802話

「ジーク、ヒマなんだけど」


「……お前は静かにできないのか」


ジークはフィーナともに巨大蛇対応のために森の奥を進む。

フィーナはジークの後ろを歩いているのだが、巨大蛇や他に魔物の類も出る事無く、フィーナは腕が鈍ると言いたげに文句を言う。

彼女の言葉にジークはため息を吐くが振り返る事なく、先を進んで行く。


「待ちなさいよ。だいたい、その蛇を近寄らなくなる薬草って言うのは本当にあるの?」


「だから、それを調べに行くんだろ」


「だいたい、なんで私が付いて行かないといけないのよ」


フィーナは先を進むジークの姿にため息を吐くと早足で追いかける。

背後から聞こえるフィーナの声にジークは呆れたように言うが、フィーナは今更ではあるが自分がジークに同行する理由を聞く。


「……お前がもう少し指示通りに動いたら、こうならなかったんだよ」


「どういう意味よ?」


「シーマさんとセスさんがお前は扱いづらいから要らないってよ」


ジークもフィーナと2人で動くのは遠慮したいため、大きく肩を落とす。

その言葉にフィーナは眉間にしわを寄せるとジークはフィーナ相手に気を使う必要もないと思っているため、隠す事無く言う。


「そんなわけないでしょ」


「お前の自信はどこからくるんだろうな……それより、フィーナ、お前、森の中を探索していたんだろ。この先、どうなっているとか知らないのかよ。俺は森の探索はほとんどしてないんだから、お前の方が歩きなれているだろ」


「知らないわ。だいたい、いつも先を歩いてくれる人がいるから」


それでもフィーナはジークの言葉など信じていないようで胸を張り、否定する。

彼女の様子にジークはこれ以上何も言う事はないと言いたいようで大きく肩を落とすと、フィーナの方がこの森を歩きなれているため、何かないかと聞く。

しかし、フィーナは普段も何も考えずに森の中を歩いているようで迷う事無く、他の人間に丸投げしていると言う。


「……シーマさんが嫌がるわけだ。シーマさんが手伝ってくれるまでレインやザガロは大変だったんだろうな」


「何よ?」


「何でもない……とりあえず、こっちか?」


ジークは普段のレイン達の苦労を理解したようで眉間にしわを寄せる。

フィーナはジークの態度にムッとしたようで彼を睨みつけるとジークは周囲を見回した後、行く方向を決めたようで歩き出す。


「ジーク、どうしてそっちなのよ?」


「……お前はもう少し状況を見ろよ」


「状況ね……歩きやすいから?」


フィーナはジークの判断基準がわからないようで不満そうに言う。

彼女の言葉にジークは振り返ると足元を指差した。

ジークの指差した場所は人が2人くらい並んで歩けるくらいの獣道ができており、フィーナは歩きやすそうだと思いついた事のみを口にする。


「その通りなんだけど……どうして、歩きやすくなっているんだよ?」


「知らないわよ。誰か歩いたんでしょ」


「誰かじゃなくて、巨大蛇が進んだ跡だよ。それくらいは考えろよな」


ジークは意味を考えろと質問するが、フィーナは興味などないようでため息を吐く。

彼女の様子にジークは頭が痛くなってきたようで頭を手で押さえた後、巨大蛇が付けた跡を進む。


「何で止まるのよ?」


「……うるさいな。何もわからないんだからせめて静かにしてくれ」


しばらく、進んでいたジークだが急に立ち止まった。

フィーナは立ち止まったジークに文句を言うとジークは考え事をしたいようでフィーナに黙るように言うと道の先へと視線を向ける。

彼の様子にフィーナはムッとするものの考えるよりは黙っていた方が良いと判断したのかきょろきょろと何か面白い物でもないかと見回す。


「……ジーク、いつまで考えているのよ?」


「お前はもう少し静かにできないのかよ」


「ちょっと、なんでそんな歩きにくいところを進むのよ!?」


しかし、フィーナはすぐに飽きてしまったようでジークの背後から早くしろと急かす。

ジークは大きく肩を落とすと道から外れて進んで行き、フィーナは驚きの声を上げて追いかける。


「これか? 確かにばあちゃんの研究書に載っていたな。だけど……なんかおかしいな」


「ちょっと、何があったのよ?」


少し歩くと足元には小さな白い花が群生しており、ジークは持ってきた研究書を広げて照らし合わせるが、何か引っかかるのか首を捻った。

フィーナはジークが開いた研究書を覗き込むも、理解する気はないようでジークに答えのみを聞く。


「この花は蛇除けなんだけど……」


「それなら、この花をもっと広げれば良いんじゃないの?」


「そうなんだけどな……見ろよ。あっちの方にも同じ花が見えるだろ」


その白い花は研究書にもしっかりと載っており、フィーナはこの花の群生地を広げる事ができれば巨大蛇問題は解決だと言う。

フィーナの言う通りには簡単にいかないようでジークは少し離れた場所を指差すと巨大蛇の進んだ跡を挟んだ反対側にもあり、フィーナは首を捻った。


「だから何?」


「……お前、少し考えろよな。これだけ、群生しているのに何であそこだけ、ぽっかりと花が咲いてないんだよ。おかしいだろ」


「別にそういう事もあるんじゃないの?」


白い花が咲いていない場所はジークには誰かが作為的に摘んだようにも見える。

それでもフィーナは特に考えていないようでどうでも良さそうに言う。


「偶然と言うには出来すぎだろ」


「何よ? それなら嫌がらせで誰かが巨大蛇を送り込んでいるって言うの? そんな面倒な事する人間がいるの?」


「その可能性も高いけどな。だけど、俺なら遠慮したい。他に考えられるのは普通に巨大蛇を狩るためとか?」


ジークは偶然の産物ではなさそうに見えると言うとフィーナは納得ができないようでため息を吐く。

彼女の言葉にジークも考え過ぎかと思ったのか苦笑いを浮かべて頭をかいた。


「それで、どうするの? 蛇除けがあるのがわかったし、戻る?」


「いや、もう少し見て回るぞ。群生しているし、規模も見て回りたい。ここ以外にも蛇が入ってきているかわかるだろうし」


「……面倒ね」


フィーナは目的を達したと言いたいのか来た道を指差すが、ジークはこれからが調査だと言いたいようで彼女の言葉にため息を吐く。

ジークの判断にフィーナは面倒だと思ったようで不満を隠す事無く、舌打ちをする。


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