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勇者の息子と魔王の娘?  作者: まあ
ジーク=フィリス
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第791話

「ミレットさん、それってどういう意味?」


「フィーナは気にしなくて良いです」


フィーナはミレットの言葉に不満げに聞き返すが、ミレットは笑顔で首を横に振る。

その笑顔にはフィーナは黙らせるような力があり、フィーナは文句がありそうだが口をつぐんだ。


「とりあえずは俺の提案に乗って貰うと言う事で問題ないですね」


「……仕方あるまい」


「それじゃあ、フォルムの件に協力して貰えますよね」


ジークが席を座り直した様子にカインはフィリムに確認するように聞く。

フィリムは自分が直接訪ねても追い払われるだけで話を聞いてもらえないと思っているようで眉間にしわを寄せて頷いた。

カインは口元を緩ませる念を押すように言い、フィリムはしつこいと言いたげだが眉間にしわを寄せたまま、再び、頷くとジークは胡散臭いと思っているようで眉間にしわを寄せている。


「……巨大蛇の生態か?」


「そうですね……ただ、鱗や骨はバーニアが買い取ってくれるんで完全に追い払いたくないんですよね」


「……いや、これ以上、要らないから、あんまり貰っても加工が間に合わないからな」


フィリムは中庭で確認した巨大蛇に事を思い出そうとしているのか目をつぶった。

カインは希望としては巨大蛇を駆逐するのではなく、狩猟のターゲットしておきたいと言う。

バーニアは今回の件で必要分は確保しているため、必要ないと首を横に振る。


「……ちっ」


「舌打ちをするな。バーニア、それなら他に買ってくれそうなところって無いのか?」


「ない事もないけどな……」


カインは買い取り先が無くなった事に舌打ちをするとジークは大きく肩を落とした後、他に巨大蛇の骨や鱗の買い取り先は無いかと聞く。

バーニアには心当たりはあるようだが、何かあるようであり、難色を示している。


「何よ? 何かあるの? その心当たりの相手がそこの性悪みたいに最悪な人間性を持っているとか?」


「……いや、ただ単に良い物が他にわたると自分の店の売り上げに響くからだろ」


「……」


彼の様子にフィーナは相手に問題があると思ったようで首を捻った。

ジークは同じ商売人としてバーニアの心内を予想するとそれは的中していたようでバーニアは視線を泳がせる。


「……最低ね」


「仕方ない。フォルムで使用しない物は魔術学園でしばらくは引き取ろう。その間に何か考えろ」


「わかりました。いくつか考えさせて貰います……セスが」


フィーナはバーニアを軽蔑するような視線を向けた。

バーニアは商人などそんな物だと言いたいのか気にした様子もなく、フィリムは魔術学園の生徒達の研究に使うと言うとカインは頷くが方法はセスに丸投げをする。


「……なぜ、こっちに回すんですか?」


「そうよね。こう言うのってセスさんより、ミレットさんじゃないの?」


「フィーナさん、その発言は不味いような……」


セスは眉間にしわを寄せて文句を言うとフィーナはセスの専門外の事のため、あまり興味がなさそうに言う。

しかし、その言葉にはセスのやる気に火を点ける物が含まれており、ノエルはイヤな予感がしているようでフィーナの服を引っ張る。


「……やりますわ」


「バカ、フィーナ」


「何よ?」


ノエルの予想通りセスはおかしなやる気を起こしてしまい、小さな声でつぶやいた。

ジークはセスの反応にフィーナを見てため息を吐くがフィーナは自分が悪いとは思っていないため、ジークを睨み付ける。


「お前が余計な事を言うから、セスさんがおかしなやる気をだしただろ」


「やる気が出たなら良いじゃないのよ?」


「……俺達が巻き込まれなければ良い事なんだろうな」


ジークはセスを指差すとフィーナは視線を彼女に向けた後、セスに任せてしまえば良いと言う。

彼女の言葉にジークはイヤな予感がしているのか眉間にしわを寄せており、レインも同じ事を思っているのか苦笑いを浮かべている。


「一先ずは魔術学園に移動だ」


「ここで教えて貰えないんですか?」


「教えても構わんが、口頭だけで覚えられるほどお前達は賢いのか?」


フィリムは話を終えたため、巨大蛇の事を教えてやると言い、席から立ち上がった。

ノエルはすぐに教えて貰えると考えていたようで首を捻るとフィリムは説明だけで充分かと聞く。

その言葉にカインは笑っているが、カイン以外は覚えられる自信がないのか眉間にしわを寄せる。


「……カイン、お前なら覚えられるだろ?」


「覚えられるかも知れないけど、巨大蛇のような物を追い払うとしたら植物の知識が必要になるだろうからね。ジークの方が向いているよ」


「そうだとしてもな」


ジークはカインの表情にため息を吐くとカインはジークが聞いておくべきだと言う。

その言葉は納得のできる物だったが、それでも踏ん切りがつかないようで頭をかいた。


「それじゃあ、バーニアとリアーナはジークに任せるよ。師匠と一緒なら、ライオ様に見つかっても逃げ切れるだろうし」


「……逃げ切れるか?」


「関係ない人間を研究室に入れる必要はないな」


カインはジークの言葉を聞く事無く、話を決めて行く。

その中にはフィリムを上手く使えばライオ対策もできると考えているのだが、ジークはライオを抑えきれるかわからないようで眉間にしわを寄せる。

フィリムは研究資料の件もあるため、ライオには見せる必要はないと言い切った。


「前に巨大モグラを運んだ時にライオ様の事も跳ね除けていましたよね?」


「そんな事もあったような気がするな。それなら大丈夫かな? それじゃあ、行くか?」


「そうですね。そろそろ、王都に戻らないとリュミナ様が心配ですから」


ノエルは以前のフィリムとライオを思いだしたようで苦笑いを浮かべるとジークはその時の事を思いだしたようでため息を吐いた後に立ち上がる。

リアーナは王都を空けている間に主君に何かあってはいけないと思ったようでジークに続き立ち上がった。


「わ、わたしも行きます」


「私はいかないわよ。面倒なのはイヤ」


「クー」


ノエルとクーはジークについて行きたいと手を上げるがフィーナはだらだらしたいようでテーブルの上に突っ伏す。


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