第51話
「それもあったって、忘れてたの?」
「……あぁ。すっかり忘れてた。どうするかな?」
フィーナはジークの反応に大きく肩を落とすとジークは頭をかく。
「あの。ジークさんは武器を修理とかはできないんですか? もしくは修理できる人に知り合いはいないんですか?」
「……知り合い? 居ない事はないけど行きたくないな」
「……そうね」
ノエルは単純に魔導銃を修理できる人間はいないのかと聞くが、ジークもフィーナもその相手に何かあるので眉間にしわを寄せて渋る。
「あの。苦手な人なんですか?」
「苦手と言うか、何と言うか、一言で言えば、変人?」
「……その一言に尽きるわね」
ノエルは2人の反応に苦笑いを浮かべるが2人は眉間にしわを寄せたまま、その相手の事を『変人』と言い切った。
「変人ですか?」
「あぁ。この間の遺跡より、もっと村から離れたところに1人で住んでいるんだけど、人間嫌いであまり村には来ないんだけど、魔法機器には妙に詳しいんだよ。俺の魔導銃はその人に貰ったんだけど」
ノエルは首を傾げるとジークは壊れた魔導銃を手に苦笑いを浮かべる。
「でも、無いと困るんですから」
「そうね。ジーク、店番は任せて」
「……フィーナ、お前、逃げる気だな?」
ノエルは魔導銃がないと困るため、ジークを説得しようとするとフィーナは巻き込まれるのはゴメンだと言いたげに店番に逃げ、ジークは大きく肩を落とす。
「だって、壊れたのはジークの武器だし、私は関係ないわ」
「あの。ジークさんのフィーナさんもイヤなら、わたしが行ってきましょうか?」
「……いや、それは流石に無理だから、ノエル1人だとその場所にたどり着けそうもないから、それに会ってくれるかもわからない」
ノエルは2人がその相手に会いたくないのが目に見えているため、自分が魔導銃の修理を頼みに行くと言い始めるがジークは彼女の行動を却下する。
「でも」
「いや、まずはノエルがその人に会うのは不味いんだ。あの人なら、ノエルがドレイクだって事もばれそうだし」
「そうよ。妙な事に詳しいから」
「あの。でも、その人って人間嫌いなんですよね? それに魔導銃とかに詳しいなら、その本の解読は頼めないんですか? そう言う人なら、言って回るような事もしないでしょうし」
ノエルはジークとフィーナから聞いた相手の印象に口が固い人間だと判断したようで遺跡から持ち帰った本の解析も頼めないかと言う。
「……確かにそれはそうだけど」
「……危険よね」
「あの。すいません。わたしには2人が何かに理由を付けてその人に会いたくないように見えるのは気のせいでしょうか?」
ノエルは渋り続ける2人の様子に頭をよぎった疑問を口にするとジークとフィーナはノエルから視線を逸らす。
「……否定はしないわ」
「フィーナに同意」
「あ、あの。本当にどう言う人なんですか?」
「ジーク、いるか?」
ジークとフィーナがそこまで会いたがらない相手にノエルはどうしたら良いのかわからないようで苦笑いを浮かべた時、シルドがジークに何かようがあるのか店のドアを開ける。