第47話
(……石人形を作れるって事は魔導兵器に詳しい魔術師だったんだよな。魔導銃の部品ってないかな? 正直、このままじゃ、商売あがったりだ)
ジークはあてもなく物を探しても仕方ないと思ったようで、壊れた魔導銃の部品になりそうな物がないかを探すが、見慣れないものが多く、魔導銃に使えそうな部品かもわからずにため息を吐く。
「ダメ。いろんなものはあるけど、何に使えるかわからないものばっかり」
「そうですね。ここに住んでいたお2人の時代のものでしょうし、道具を見つけても使い方がわからないとどうして良いのか?」
ジークだけではなく、ノエルとフィーナも同じように何に使って良いかわからない物しか見つからないようですでに弱音を吐いている。
「……何のために来たか、わからないな。考えさせられる事はあったけど、これと言った収入はなさそうだし、魔導銃を壊しただけか?」
「……そうね。ギドしか本を読めないし、私やジークにはなんの価値もないわよ」
「……オマエタチフタリハヨメルヨウニナロウトハオモワナインダナ」
この遺跡に住んでいた魔術師の書いた書物はジークやファーナには読めないため、商品価値を見いだせないようであるが、ギドは呆れたようで肩を落とす。
「読めるようになるまで、待つって言ったて、それはそれだ。今、必要なのは魔導銃を修理できる費用があるかどうか。このままだと、薬の材料集めにも行けない……ノエル、どうかしたのか?」
「い、いえ、これって何かな? っと思って、さっきのカギになっていた石とは違うみたいですけど、微かに魔力を感じるんです」
ジークは壊れた魔導銃を手にしながら苦笑いを浮かべた時、ノエルが手にした青く輝く石を覗き込んでいる。
「魔力を?」
「はい。でも、このままでは何も起きないようなんですけど?」
「ちょ、ちょっと、ノエル、ジーク、何をしたのよ!?」
「わ、わかりません!?」
ジークはノエルに近づき、青い石を覗き込むんと青い石からは光が漏れ出し、突然の事にノエルは慌てて石を放し、石は重力にひっぱられて落下を始めた。
「ちょっと待て!? 投げるな!? 爆発したら、どうするんだよ!?」
「そ、そうでした!? す、すいません」
「まったく……ノエル、あのさ」
しかし、ジークは石が爆発する事を考えてしまったようで、慌てて石を受け止め、ノエルは深々とジークに向かって頭を下げるとジークは何かに気が付いたようで眉間にしわを寄せる。
「い、いや……あるな」
「ジークさん、どうしたんですか?」
「ジーク、あんた、何をしてるのよ!!」
ジークは眉間にしわを寄せた後に何かを確認したいようでノエルの頭に手を伸ばし、彼女の頭を撫でる。彼の突然の行動にノエルはどう反応して良いのかわからないようで無抵抗に頭を撫でなれ、フィーナはジークの腕をつかみ、ノエルから引き離す。
「……フィーナ、1つ、聞いて良いか? ノエルの角はどうなってる?」
「何を言ってるのよ。ノエルの角なら……あれ?」
「フィ、フィーナさん?」
「ノエルは気にしないで……あるわよね。疲れてるのかしら」
フィーナはジークの質問にため息を吐いた後にノエルの頭を見る。そして、先ほどのジークと同じように何かを確認するようにノエルの頭を撫で、確認がとれると眉間にしわを寄せた。