第44話
「……やっぱり」
「やっぱりって何よ?」
「ジークさん、何かわかったんですか?」
ジークは部屋の中を歩き回ると5カ所の赤い石が光らない場所を見つけ、小さく頷くが、話を聞かされていないノエルとフィーナは首を傾げる。
「あぁ。この石を見てくれ」
「さっきの石がどうしたのよ?」
ジークは2人の前に石を出すと石は光をあげている。
「だけど、この場所だと」
「光が消えましたね」
「あぁ。この石が光らないところが5カ所ある。部屋の中心と部屋の4隅の計5カ所」
ジークは手を動かすと石の光が失われ、ジークはこの部屋に5カ所だけ、石が光らない場所があると答える。
「へぇ、それで、だからなんなの?」
「いや、それを今から調べようと思って」
フィーナはそこから先の事はわかったのかと聞くがジークはまだそれだけしか気付いていないため、気まずそうに視線を逸らす。
「でも、この5カ所は怪しいですよね」
「そうだよな。そうに違いない」
「……」
ノエルはジークの言葉に賛成するとジークはフィーナに疑われているためか嬉しそうに頷き、フィーナはそんな彼の姿に少し呆れたようにため息を吐く。
「とりあえず、この石が何かのカギである事は確かだと思うんだけど」
「まぁ、確かにだけどさ。これが何かのカギだとしても、この石は5つあるわけでもなんでしょ」
ジークは石を透かして見るが何かあるわけでもなく、フィーナは光らない場所と石の数が合わないと呆れたように肩を落とす。
「まぁ、実は一回り小さいのがもう1つはあるんだけど」
「それなら、後3つですね。でも、どこにあるんでしょうか?」
「……と言うか、持ってるなら、最初から出しなさいよ」
ジークはもう1つの部屋で見つけた石を取り出すと両手に石を乗せる。ノエルは石が2つある事でどこかに3つの石があると思ったようで首を傾げ、フィーナは眉間にしわを寄せる。
「あれ?」
「何だ?」
フィーナは眉間にしわを寄せながらも2つの石を見比べたようで、何かに気づいたのか首を傾げると顔を石に近づける。
「こっちの小さい方って光ってるわよね?」
「まぁ、光ってるだろうな。同じ石だし」
「違うわよ。小さい方の石。かすかに光ってるのよ。そして、ほら」
フィーナは小さい石も光を放っていると答え、ジークの両手の間に自分の手を入れるとフィーナの手のひらには赤い光の点が映る。
「これって、どう言う事ですか?」
「わからないけど、ノエル、ちょっと、こっちの石を持ってって」
「は、はい」
ノエルは首を傾げるとジークは何か確認したい事が出来たようで小さな石をノエルに渡すと自分は大きな方の石を持って部屋の中央の石が光らない場所に向かって歩き出す。
「あ、あの。フィーナさん、ジークさんは」
「うん。私もジークが何をしたいのかわかった気がするわ」
ノエルはジークが何をしたいのかわからないようでフィーナを呼ぶがフィーナはノエルの持っている石から放たれている光が変わらずにジークの石を目指している事を確認すると苦笑いを浮かべる。