第42話
「それじゃあ、開けても良いか?」
「さっさと開けなさいよ」
ジークはこの部屋に石の人形がびっしりと並べられている事を想像してしまったためかドアを開ける事を躊躇するがフィーナは無責任にドアを開けるように言い、
「それじゃあ、開けるぞ」
「はい」
ジークはドアにかけられていたカギを開けるとカチッと音がし、ジークはゆっくりとドアを押して部屋を覗きこもうとすると、
「遅い。さっさと開けなさいよ」
「フィ、フィーナ、罠があったらどうするんだよ!?」
「ここまで来たら罠なんてないでしょ」
フィーナは待っていられなくなったようでジークの背中ごとドアを押すとジークは部屋内に押し込められ、ジークは驚きの声をあげるがフィーナは気にする事もなくジークの背後から部屋の中を見回す。
「ジークさん、フィーナさん、何かあります?」
「……いや、ギドの言っていた聖剣や魔剣のような類のものはなさそうだけど」
「そうみたいですね」
ノエルは警戒気味にドアから部屋を覗き込み、ジークはギドから聞かされていた武器がないかと周囲を見回すが特に目立つ場所にはそれらしき物は見つからず、首を傾げるとノエルは部屋内に入ってくる。
「とりあえず、探索してみるか?」
「そうね……だけど、この部屋って何かな? ほかの部屋は寝室と」
「キッチン、中央の部屋は居間って感じだろ。とりあえず、罠がないとは言い切れないから怪しい物は直ぐに触るなよ」
ジークは一先ずは部屋の中には石の人形もなかったため、警戒しながらも部屋の探索に移ろうと言うとフィーナに少しは考えるように釘を刺すが、
「ギドの言っていた武器以外は見つけた人間のものよね」
「フィーナ、話を聞けよ!?」
フィーナは警戒もする事なく、何かありそうなところから探索を始め出し、ジークは驚きの声をあげる。
「良いから、探しなさいよ。あんただって魔導銃が片方壊れたんだから修理費用くらいは稼がないといけないでしょ。このままだと収入なしよ」
「まぁ、そうなんだけどな」
「そ、それは大変です。ジークさん、一生懸命探しましょう」
フィーナはジークにうるさいと言いたげにため息を吐くとジークに魔導銃の修理費用くらいを見つけるように言い、ジークは破損した魔導銃に視線を移すとノエルはジークの店の運営資金の事もあるのか張り切って探索を始め出し、
「そうだよな。壊れちまったんだよな」
ジークは自分が治療薬の調合に使う材料を採取しに行き始めた時から使い始めた相棒の様子に大きく肩を落とす。
「とりあえずは俺も探すか? ん? あれ? これって石の人形のコアか?」
「ジークさん、どうかしたんですか?」
「いや、ちょっと待ってくれ」
石の人形から取り外した赤い石が光っているのか淡い光がポケットから漏れている事に気づき、ジークは慌ててポケットのなかに腕を突っ込むと、
「ジーク、それ、何?」
「石の人形のコア、1人の時に石の人形のところに戻って何となく拾ったんだよ」
ポケットから出した赤い石をフィーナが覗き込む。