第39話
「……とりあえずは下まで着いたな」
「そうですね」
2人は階段を降りると階段には何も仕掛けはなく無事に最下層まで到着すると周囲を警戒するようにランタンで周りを照らそうとすると、
「灯りが点いたな」
「はい……」
先ほどと同様に灯りが灯り始め、奥に続く1本の道が繋がっている。
「……誘われてるのかな?」
「わからないですけど、奥に行くしかありませんよね」
「まあな……」
2人は遺跡の奥に誘い込まれている感じがするが先を進む事しか2人には選択肢がないため、前に進もうとするが、
「ジークさん、何かあるんですか?」
「いや、ノエルと2人になってからは順調に進んでいると言う気がするからな。さっきも言ったけど誘われてる気がするんだよ。俺とノエルの2人で条件がそろったのかも知れない」
ジークはこの遺跡は侵入者を選んでいる可能性が高いと確信したようで大きく頷き、
「行こう。この先にあるものはきっとノエルの役に立つものだ……そんな気がする。たぶん、ギドが言っていたような聖剣とか魔剣の類ではないと思うんだ」
「はい。わたしもそんな気がしてます」
ジークとノエルは直観的にだがこの奥にあるものは武器ではないと感じたようで2人で歩きだす。
「開けるぞ」
「はい」
1本道を進むと奥には両手開きの大きなドアがあり、2人は大きく頷くと息を合わせるようにドアを開くと、
「……部屋? 居住スペースってところかな?」
「そうみたいですね」
遺跡の主がなくなってから、掃除が行われているわけもないため、埃が厚く積もった部屋であり、2人は中を見渡すとこの部屋には中央に丸型のテーブルが1つそして部屋の形は四角形であり、壁にはジークとノエルが入ってきたドア以外にも3方向に部屋があるようである。
「とりあえずはこの部屋から調べるか?」
「でも、この部屋には何も無さそうですけど、3つの部屋に入るための居間って感じがしますけど」
「確かに目立った物はテーブルしかないか。それじゃあ、どこから行くかな?」
「こう言うのって普通は中央の部屋にあっていて欲しいですよね?」
「まぁ、そんな気もするけど……」
この中央の部屋には特に何も無さそうではあるが2人は中央のテーブルまで歩き、3つの部屋、どこから調べようかと話をするとノエルは自分達が入ってきたドアとは対面にあるドアに駆け寄り、ドアを開こうとするが、
「……開かないですね」
「カギがかかってるんじゃないか? カギは他の2つの部屋にあるのかもな」
ドアは開く事はなく、ジークはドアを調べるとドアには小さなカギ穴があり、このままではドアは開かないようであり、
「とりあえず、他の部屋もカギがかかってないか調べてカギがかかってない部屋から調べようか?」
「そうですね。とりあえずはあっちを見てみましょう」
「あぁ」
ジークとノエルは今度は入口から左側の部屋の前まで進み、
「カギはかかってなさそうだな。ノエル、開けるけど罠がないとは言えないから、注意してくれ」
「はい」
ジークはドアのノブに手をかけると部屋の奥から何か出てくる可能性も考えられるため、ノエルを後ろに下げるとゆっくりとドアを開ける。