第37話
「この遺跡を作った人間はかなり高位の魔術師で魔導機械に詳しい人物。妖精を従える事が出来るような。だから、魔導機械と妖精達が2つの特徴を生かして奥への道を塞いでいる」
「妖精さんを従えるって、そんな事ができるんですか?」
「従えるは言い方が悪いけど、彼らが遺跡の奥を隠したがるくらいに妖精達を心を通わせていたんだろ」
ジークは推測でこの遺跡を作り上げた人間像を話すとノエルは真面目な表情をし、
「ジークさんの言う事が正しいなら、わたし達は奥に必ず行かないといけないですね。妖精さん達と心を通わせる事が出来た人なら、わたしと同じ事を考えたかも知れません。奥に眠っているものを魔族と人族の争いの火種にしてはいけないと思います」
「まぁ、希望的なものも入ってるけどな……もし、ノエルが望んだ世界を夢見た人がいたなら、その想いに答えてあげたいな」
ノエルは自分の理想と同じものを掲げた人間がこの遺跡の奥に住んでいたと決めつけ、気合いを入れるように両手のこぶしを握りしめるとジークは苦笑いを浮かべながらもノエルの考えには賛同しているようで彼女の肩に1度、手を置くと、
「何の手がかりもないなら、予想を立てて動くしかない。最初はギド達と会った場所を調べ直そう。ギドの話を信じれば俺達があの場所に着いた時に灯りが点いた。もしかしたら、何か条件があった可能性もある」
「ギドさん達だけでは起きない何かがあったわけですか?」
「あぁ」
ギド達と遭遇した灯りの点いた場所に戻ろうと2人で歩きだす。
「あ、あの。ジークさん」
「何だ?」
「灯りが点いた条件ってなんだと思います?」
目的の場所を探し始めてしばらくするとノエルはジークが気にしている場所の条件が知りたいようで首を傾げた時、
「……着いたな」
「灯りが点きました」
目的の場所にたどり着いたようで先ほどまでは暗かったはずの遺跡の中が明るくなる。
「条件は推測だ。ギド達だけでは灯りが点かなかった事を考えるとドレイクみたいな高位の魔族がいないか? もしくは俺達、人間か? その2種族が一緒にいるのが条件かも知れないな」
「わたしとジークさんがいるからですか?」
「道を惑わされていた事を考えるとな。1人の時はここにたどり着かなかった。もしくはたどりついていても灯りが点いていなかったから、ここだと気付かなかった可能性もある」
ジークはこの場所で灯りが点くのは異種族が共にいる事が条件ではないかと予測を立てていたようであり、
「ノエル、何かないかを探そう。俺の予想が正しければこの場所に遺跡の奥へ続く道がある。ノエルは壁にある魔力を見てくれ。俺は魔力をまったく感じないところに仕掛けはないかを見るから」
「は、はい」
ジークはノエルにこの場所を探索しようと言うと近くの壁を調べ始め、ノエルは目を閉じて妖精達の魔力に集中し始めるが、
「あ、あの。ジークさん、この場所なんですけど、妖精さん達の魔力を感じないんですけど」
「……あぁ。俺も思った。魔力は感じるけど妖精とは違う気がする」
ジークとノエルも同じ事を感じたようで顔を見合わせる。