第36話
「……確かにそう言われればそうか。参ったな」
「ですよね」
「……一先ずはギド達は魔法を見てくだろうから、俺達は魔導機械かな? ……いや、違うな」
ジークはノエルの言葉に頭をかくとフィーナやギドとは違ったアプローチで遺跡の奥を探し出そうとするがジークはまた、何かが引っかかったようである。
「どうかしたんですか?」
「いや、俺達はノエルやギドが妖精の魔力を感じたからそっちを原因として探してきたわけだろ。妖精は何の目的があって道を隠しているんだ? この遺跡に来た人間を騙して何になる?」
「それはわかりませんけど、妖精さんはいたずら好きなのはみなさんも知っている事ですよね?」
ジークは妖精達にもいたずら以外にも目的があるのではないかと考え始めたようだがノエルはジークの疑問に答える事は出来なく、首をかしげており、
「……そうなんだけどな。遺跡の奥の魔剣だか聖剣を取られると人が来なくなるからか? だとしても、限度ってものがあるだろ。それも、こんな人が来るかどうかもわからないより、人にいたずらをするなら外に出た方が効率が良い」
「……えーと、妖精さん達って効率とかって考えるんですかね?」
「何事も効率的に合理的に人間も妖精も一緒だろ?」
ジークは妖精達が遺跡の奥にとどまっている理由がわからないようで首をひねっている様子にノエルはジークが効率と言うのは妖精にはジークと同じ考えを持つものはいないと苦笑いを浮かべるがジークは人間以外にも効率を考えて動くものは必ずいると笑う。
「そうでしょうか?」
「ノエルだって一緒だろ。俺の両親は人間の勇者で名前が知れ渡ってるから考えを変える事ができたら、早く解決するかも知れないからだろ。それに探すより、うちで待っていた方が効率的だと思ったわけだろ。目的のために考えれば行きつくのは合理的に効率的に動く事に行きつく」
「……確かにそうかも知れませんけど」
しかし、ノエルにはジークの考えが理解できないため、首を傾げるとジークはノエルも効率的に動いた結果であると言い、ノエルは納得できなさそうだがそれでも自分の行動と重ねてしまったため、何も言えないようであり、
「だ、だとしたら、妖精さん達はなんの目的があっていたずらをしているんですか?」
「そりゃあ、遺跡の奥を隠すためだろ」
「それだと矛盾しませんか?」
ノエルはジークの考えている事がわからないようで妖精の目的を聞くがジークはくすりと笑うと、
「前提目的が違う可能性があるんだよ。俺達は妖精はただ、遺跡に入って来た人間にいたずらをするのが目的だと思っていた。それが妖精だから」
「はい。妖精さんはいたずらが大好きですから」
「それが今回に限ってはもしかしたら間違いだって可能性はないか?」
ジークは妖精達の目的がいたずら目的ではないと疑っており、
「ど、どう言う事ですか?」
「妖精は長寿だろ。そして、ずっとこの場所にとどまっていた。この遺跡の奥の物を世に出さない事を目的としていたら?」
妖精の目的は遺跡の奥に眠るものを守っている可能性が高いと言う。