第34話
「……やっぱり、ダメだろ」
ジークはフィーナ達と別れて遺跡の中を歩いているが妖精のいたずらに惑わされてしまったようで完全に迷子になってしまう。
「……さてとどうするかな? 戻るとしても合流できる自信はないな」
ジークの視線の先には自分が迷子になったと確信した先ほど倒した石の人形が転がっており、ジークは大きくため息を吐くと、
「ん? 何か光ったか?」
ジークは改めて妖精のいたずらに惑わされないように集中しようとした時に倒れている石の人形のそばが弱々しい光を放ち、ジークはその光に何かを感じたようで石の人形のそばまで歩き、
「動き出したりしないよな? ……これか光ったのは?」
近づいては見た物の先ほど苦労して倒したため、1人では対処できないと思っており、警戒をしているが石の人形の身体のそばには小さく光る赤い球体が転がっている。
「これって、たぶん、こいつのコアだよな? なら、動く事はないと思うけど」
ジークは赤い球体を拾い上げると石の人形が動かない事に安心したようで大きくため息を吐き、
「まぁ、何かの役に立つかな? 貴重なものではあるわけだし、それに魔導銃の修理に使えれば儲けものだし」
ジークは赤い球体を懐にしまうとノエルの探索に戻ろうと妖精のいたずらを見極めるために目を閉じて集中する。
「ん? ここが1番、おかしな気配がする? そう言えば、フィーナ達はこの辺から出てきたよな? ノ、ノエル?」
「……あ、あの。ジークさん」
ジークはフィーナ達が突然現れて石の人形に攻撃した事を思い出して壁に手を伸ばした時に目の前にはノエルが現れ、ジークの伸ばした手はノエルの胸に触れ、彼女の顔は真っ赤に染まって行き、
「ま、待って。ノエル、こ、これは事故なんだ!! わざとじゃない!!」
「は、はい」
ジークは慌ててノエルに謝罪するとノエルは顔を真っ赤にしたままうつむいてしまい、
「あ、あの。ノエル、1人で大丈夫だった? 魔物とか、こんなのに襲われなかったか?」
「は、はい。わたしは大丈夫です」
ジークは話を変えようと1人だったノエルを心配するとノエルは大きく頷くと、
「それじゃあ。ノエルと合流できたわけだし、次はフィーナやギド達と合流しないと危ないから、こんなのが何体も出てきたら対処何か出来やしない」
「そうなんですか?」
「あぁ。やっと倒した感じだしね。機械的に生み出された魔法機械じゃ、俺の魔導銃ではたいしたダメージも与えられないからな」
ジークは先ほど胸を触ってしまったため、2人っきりは気まずいため、フィーナ達と合流を急ごうとするがノエルとは目を合わそうとはしない。
「ノエル、フィーナ達の居場所はわかったりしないよな?」
「わかっていたら、もっと早く合流できました」
「それもそうだ。妖精達のいたずらを止める手立てがあれば楽なんだけど、どうにかならないかな? ……あれ? ノエルは妖精達のいたずらを止められる事ってできないかな?」
ジークはこの遺跡が迷宮化している原因である妖精達をどうにかできないかと考え始めたようである。