第33話
「……ギド、ノエルの居場所はわかるか?」
「……ワカッテイレバクロウナドシナイ」
石の人形を倒した後にノエルを探し始めてしばらくするが、妖精の悪戯により道を惑わされるためギド便りであり、ノエルを見つける事は出来ない。
「簡単に二手に分かれるって言っても、俺とフィーナで行くわけにもいかないからな」
「そうなのよね……やっぱり、魔法を覚える必要性があるわね」
「……そう思うなら、俺の肩を叩かないで自分で覚えろよ」
フィーナは今までの魔法をあまり重要視していないため、自分ではなくジークに魔法を覚えてほしいようだが、ジークは大きく肩を落とす。
「……オマエタチハヨウセイノケハイモカンジラレナイノカ?」
「気配くらいは感じられるけど、魔法は使えない」
「ソウカ? ソレナラバサイノウハアルカモシレナイナ」
ギドはジークとフィーナに妖精の気配を感じられるかと聞くとジークの答えに少し考え込むような素振りをすると、
「……サイノウガアルナラタメシテミロ。サガセルモノガフエルナラ、ノエルサマヲハヤクミツケルコトガデキル」
「試してみろって言ってもな。具体的に何をしたら良いか。わからないし」
「それに仮に私とジークが妖精の魔法を突破できても単独行動は危険でしょ。さっき見たいなのでてきたら1人じゃ無理だし」
ギドはジークとフィーナの事を高く評価しているようで簡単に妖精の魔法を感知してみるように言うがジークとフィーナは簡単にできる事では思っていないため、首を横に振る。
「マホウハサイノウダ。デキナイモノハドレダケドリョクシヨウガデキナイ。スクナクトモオマエタチハマリョクヲカンチデキル。ソレニ、スクナクトモ、オマエタチハヒトリデモサッキノモノガデテキテモニゲキルコトハデキルダロ?」
「まぁ、動きも遅いし、逃げるだけなら……さっきも無理に戦う必要ってなかったんじゃないか?」
ギドの言葉にジークは魔導銃を壊してまで戦う相手ではなかったと思ったようで大きくため息を吐くと、
「とりあえず、やるだけやってみるが、ノエルだと逃げる事もできなさそうだ……と言うか、石の人形みたいな魔導人形は言葉なんか通じないのに話し合いで解決しようとずっと話しかけてそうだから、時間はないだろうし」
「……否定できないのが痛いわ」
「……ソレニカンシテハドウイケンダ」
ジークはノエルを探す手掛かりになるならとギドの提案に乗るがその理由にフィーナとギドは眉間にしわを寄せる。
「ジカンガナイ。カンタンニセツメイスルゾセントウニツカウワケデモナイ。マリョクヲカンチスルノハデキルナ?」
「あぁ。そこにも魔力の高いところがある」
「……マリョクガタカイカショハヨウセイガナニカヲシカケテイルカノウセイガタカイ。ソコヲサガシテイケバイイ」
「……それって結局は全部探せって事だろ?」
「ハヤイハナシガソウダ」
ギドの説明にジークは結局は現状では怪しいところを確認して行く事しかできない事に大きく肩を落とし、
「とりあえず、俺はそこを行くから」
「ええ、私はしばらくギドと歩くわ」
ジークは魔力を感じる壁を押すと手は壁の中をすり抜けて行くため、ジークは単独行動に移る。