第24話
「……ジークさん、フィーナさん、たぶん、ですけど、こっちに道があります」
「ノエル、1人で行かないでくれ。灯りがないと転ぶぞ」
「そ、そうですよね。す、少し、興奮してしまいました」
ノエルは妖精達の様子から道がある方に進もうとするがジークは彼女を引き留める。
「それじゃあ、戻るか? あれ? そう言えば、先を歩いていたゴブリン達はどうしたんだ? あれも妖精達のいたずらだったのか?」
「ゴブリンにも魔法を使うのがいたんじゃないの? えーと、確か、ゴブリンの上位種に魔法を使うのがいたような」
「……そう言えば居たな。と言うか、厄介だな」
ジークはランタンを手に先頭に立つと3人で歩き出し、ゴブリンにも魔法を使うものがいた事を思い出して表情を引き締める。
「ジークさん、そこです」
「ここ? ……ホントだ。何か不思議な感じがするな」
「そうね」
しばらく、歩くとノエルがジークを引き留めて遺跡の壁を指差し、ジークはその壁に手を伸ばすと手は壁の中に消えて行き、3人は今までになかった感覚に苦笑いを浮かべて顔を見合わせ、
「それじゃあ、行くか?」
「は、はい」
「この奥には何があるかしら」
3人は大きく頷くとジークを先頭にして壁をすり抜けて行く。
「広いな……」
「な、何ですか?」
「灯りが点いた?」
ジークはランタンで通路の奥を照らすと通路は先ほどまでの通路より広く、ジークは息を飲んだ時、通路には灯りが付いて行き、
「……招かれてるのか?」
「……おかしな者がいないと良いけどね。ゴブリンにも魔法を使うのがいるかも知れないから戦う事になると厄介だし」
通路に自然に灯りが点いた事にジークはこの先に何があるか予想が付かないようで冷たい物が背中を伝い、フィーナも同じ意見のようで頷くが、
「ジ、ジークさん、フィーナさん、凄いです。これで足元も確認できますから安心して先を進めますね」
「「……」」
ノエルは灯りが点いた事が嬉しいようで笑顔を見せて通路の壁の灯りを覗き込み、そんな彼女の様子に苦笑いを浮かべる。
「まぁ、行ってみないと何もわからない……ノエル!!」
「は、はい!?」
ジークは先を進もうとした時にジークは何かに気づき、ノエルの名前を呼ぶと彼女の手をつかみ、ノエルを自分の元に引き寄せた時、
「きたわね」
「そう言う事だ」
ノエルが立っていた場所を小さな火球が襲い、フィーナは剣を抜き、ジークはノエルから手を放すと彼女を庇うように立ち、1対の魔導銃を構える。
「ジ、ジークさん、な、何があったんですか?」
「何があったって俺達を邪魔だと思う奴がいるわけだろ」
「そう言う事よ」
ノエルは何があったかわからないようでジークの服をつかみ、不安そうな表情をするとジークとフィーナはノエルに向けて火球を放った者がいるであろう通路の先に視線を向けると、
「……」
「……言ってるそばからかよ」
「そうみたいね」
先ほど見たゴブリン4匹がジーク達に敵意をこめた視線を送っており、ジークとフィーナは表情を引き締める。