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勇者の息子と魔王の娘?  作者: まあ
お家騒動?
202/953

第202話

「とりあえず、魔導銃に注意するって事はわかった……けど、正直、防ぎようがないだろ。魔導銃は引鉄を引いたらある意味、終わりだろ?」


「確かに発射してから、目標を撃ち抜いているって感じだからね。現在、使用されている武器のなかじゃ最速って言って良い」


「それって、どうやって防ぐんですか? 防ぎようがないじゃないですか?」


魔導銃の射出速度はかなりのものであり、使用されてしまっては防ぎようはなく、ノエルの顔は青くなって行く。


「そこはほら、野生の勘?」


「フィーナ、出番だぞ。撃たれると思った瞬間に身を挺して、エルト王子をかばうんだ。お前の死は無駄にしないから」


「どう言う事よ!!」


ジークとカインは状況の割には緊迫感はなく、フィーナ相手に軽口を叩いているが、言われているフィーナにとっては面白いわけもなく、怒りの声をあげる。


「まぁ、冗談は置いておいて、実際、高性能の魔導銃を使われたら、防ぎようはないのは、隠しようのない事実。だけど、そこまでの魔導銃が世に回ってる可能性は極端に低い」


「そうなんですか?」


「あぁ。使ってる俺が言うのもなんだけど、剣や槍と言った鍛冶師が作る武器じゃないからな。それこそ、特殊な魔法技術を使ってるからな。魔導銃のコアを作るだけでも相当な技術だぞ。この国で作れる人間なんてアーカスさん以外でいるかも微妙だしな」


魔導銃での襲撃の確率はかなり低いようであり、ジークは改めて、アーカスがなぜ、ジオスのような辺境の村にいるのかと疑問に思ったようで眉間にしわを寄せた。


「それに魔導銃を持っているなら、イベント最終日の警戒の強い日をわざわざ狙う必要なんてないだろ。ただでさえ、言いたくないけどウチの王子様2人は外出が大好きだから、俺なら、その時にちょっとしたいざこざに巻き込まれたていで始末するよ」


「……と言うか、実際、狙いたい放題だろ」


「……確かにそうですね」


カインは仮に自分が襲撃者なら、イベント最終日など狙わないと言い、護衛もあまり付けず、ルッケルを歩きまわっているエルトとライオの姿を思い出したジークとノエルは次の言葉が出てこないようである。


「……その前に、それなら、小者は何で今までで仕掛けて来てないのよ?」


「そりゃ、目的がエルト様とライオ様の命をほぼ同時に奪う事、もしくは勝負の時に事故とは言え、どちらかがどちらかを殺したって嘘でもいいから風潮するため、片方を襲撃で暗殺して、もう片方が残られるともっと困るんだよ。それも自分の安全は確保してね。言ってしまえば、最大出力で銃身が破壊されるような目立つ魔導銃での狙撃は小者にとっては都合が悪い」


シュミットは暗殺を計画しつつも、自分が矢面に立つのは避けたいようであり、裏でこそこそと動いているようであり、カインは小者だとため息を吐く。


「でも、実行犯が何を選ぶかじゃないの?」


「後はリスクの問題。襲撃者だって捕まりたくないんだよ。戦争で命を奪うわけでもない。王子様を暗殺するって事は捕まった時点で確実に殺される。下手したら、一族郎党な」


フィーアの疑問にカインは実行犯も自分の命の安全を重要視しており、攻撃の手段は限られて行くと言う。


「エルト様とライオ様を暗殺する事でシュミットが確実に王位を継げるなら、ハイリターンを狙って動く人間もいるかも知れないけど、シュミット自身は第5位の王位継承者であり、実父のラング様がいて、アンリ様がいる。仮にラング様が王位を継ぐと言う話になっても、正直、ラング様は辞退すると思うしね」


「それだと、シュミット様が暗殺を計画する意味ってあるんですか?」


「まぁ、言いたくないけど……考え足らずの小者だから」


王子2人を暗殺してもシュミットが王になる可能性は低く、ノエルは今回の暗殺騒ぎに意味がないと思ったようで首を傾げる。カインは自分ではめておきながらもシュミットが哀れに思えてきたようで彼女から視線を逸らした。


「……元も子もないな」


「現状で言えば、狙撃犯をとっ捕まえて、シュミットとの繋がりを見つけるのが、最重要かな? それができれば、少し静かになるだろうしね」


「そうですね。何もないのが1番です。それに3人とも血が繋がっているんですから、そんな事は良くないと思うんです」


カインはなんだかんだ言いながらもシュミットを犯罪者にもしたくないようで、少しだけ困ったように頭をかき、カインの様子にノエルは彼女のなりに気合いを入れたようで両拳を握る。


「とりあえず、魔導銃はないとしても、舞台上でエルト王子とライオ王子の安全の確保が仕事なんだよな? ……相手もいるのに大丈夫なのか?」


「手っ取り早く、狙撃される前にライオ様のチームを倒せばいいのよね?」


「……確かにその通りではあるんだけど、その回答はバカっぽいな」


ジークは改めて、自分達の仕事内容を確認するがフィーナは力づくで治めようとしており、カインは実妹の発言に眉間にしわを寄せた。


「な、何よ? 1番、早い決着方法でしょ?」


「まぁ、フィーナらしいと言えばらしいんだけどな。それができれば、誰も苦労しない。ライオ王子だって、それなりの実力者をそろえてるだろ。言いたくないけど……俺達、武術大会3回戦程度の実力だからな」


「ジークは武器を奪われてたと同じ状況だからね。単純に戦闘力としては同等程度だと思うけどね」


「そうです。ジークさんが魔導銃を使っていれば、もっと、それこそ、優勝だってできたはずです」


武術大会の成績があまりパッとしなかった事もあり、早期決着は難しいと言うジーク。カインは自分を過大評価する事のないジークの様子に苦笑いを浮かべ、ノエルはカインの言葉に大きく頷き同意する。


「それは過大評価だって、まぁ、ノエルの期待を裏切らないように、エルト王子の力になりますよ」


「まったく、ジークは仕方ないな。さてと、そろそろ、時間も近いから、準備するか? ノエル、いくつか、防具を持ってきたから、使えそうなものを合わせて見るか?」


「は、はい。お願いします」


ジークはノエルの言葉に少し照れたのか視線を逸らす。カインはその様子に小さくため息を吐くもそれ以上は何も言う事はなく、ノエルに防具を合わせようと声をかけ、ノエルは大きく頷いた。


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