第19話
「ここをこうすれば……」
「今、カチって音がしましたね」
「……あぁ、解除できたみたいだな」
ジークはトラップ解除を行っているとトラップはカチッと言う小さな音を立て、ノエルはその音に声をあげるとジークはトラップを解除できたと言って立ち上がり、
「フィーナ、終わったからもう良いぞ」
「えぇ……」
ジークは周囲を警戒していたフィーナに声をかけるとフィーナは頷くが何かあるのか歯切れが悪く、
「どうかしたのか?」
「ん? 何か、おかしな気配がするんだけど、何もいないのよね。奥の遺跡に入ってからずっと見られているような感じなんだけど、そこに行っても何もいないのよ」
ジークはフィーナに何か気になる事があるのかと聞くとフィーナは先ほどから見られているような気配がすると言い、
「な、何かいるんですか?」
「……そんな気がするのよ。でも、これと言って何もいないし、ジークは何も感じない?」
「……確かに言われてみればそんな気もする。それも1つじゃ無く複数の気配、フィーナは確認してきたんだよな?」
ノエルはフィーナの言葉に身を守るようにジークの背後に隠れるとフィーナはこの気配があるから警戒を解きにくいようであり、険しい表情でジークには何も感じないかと言うとジークは目を閉じ、周囲の気配に集中するとその気配は1つではないと言うとフィーナは頷く。
「そうなのよ。それで気配のサイズから言えばたいした強さの魔物でもなさそうだし、気にしなくても良いとは思うんだけど……」
「一先ずは気にしても仕方ないだろ。この状況じゃ何も言えないし、敵意もなさそうだろ」
「えぇ」
フィーナもどうするか迷っているようで頭をはっきりさせたいのか乱暴に頭をかき、ジークは気配の感じから敵意はないと判断したようで閉じていた目を開いた。フィーナは考えるのが面倒になったようでジークの意見に頷き、
「行きましょう。一先ずは通路はそれなりに広そうだけど、どうする? ジークの武器を考えれば私が先頭で行く?」
「……いや、さっきも言ったけど、お前はトラップ感知とか向かないから遠慮する。ノエルを後ろにすると何かあったら困るから、俺、ノエル、フィーナの順で進もう」
「……わかったわ。ジーク、ノエルの歩く速さにちゃんと合わせなさいよ」
「わかってるよ」
ジークとフィーナは警戒したまま先を進む事を選ぶと遺跡を歩く順番を決め、
「ノエル、行くぞ。ここからは足元が今より悪くなるかも知れないから、気を付けてくれよ」
「は、はい。気を付けます」
「それじゃあ。行くか? フィーナ、後ろからの警戒を頼むぞ」
ジークは改めて、ノエルに足元に注意するように言い、フィーナには後方の警戒を頼み遺跡に1歩足を踏み出そうとするが、
「わかってるわよ。それより、ジーク、あんた、私を後ろにしたんだからあんたがトラップにかかるとかは止めてよね」
「……気を付けるよ」
フィーナは冒険に対しての好奇心は人一倍あるようで面白くなさそうにジークに言い、ジークはフィーナの様子に苦笑いを浮かべる。