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勇者の息子と魔王の娘?  作者: まあ
お家騒動?
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第143話

ジーク達3人は薬草を引き取りにきた馬車に乗せて貰い、ルッケルに到着する。ルッケルは地震による被害はまだあるの物の王都からの調査員の駐留されているため、公的資金の投入により少しずつ回復している。


「……これ、何の騒ぎだ?」


「何なんでしょうね」


馬車に商店街で下して貰うと3人はアーカスに頼まれた買い物を済ませようとするが商店街の中心部の広場になっている場所が騒がしい。


「見に行く?」


「先にジルさんのところで宿を取るのが先だろ。部屋が無くて野宿が良いなら、それでも俺は良いけどな」


「さあ、ジルさんのところね」


「そうですね」


フィーナは騒ぎが気になるようで中心部に駆け出そうとするが、ジークは宿を取るのが先だと言う。ノエルとフィーナは野宿は遠慮したいようでジルの店に向かって駆け出して行く。


「やれやれ。結局、余計な出費だよな。まぁ、王都から出た報酬があるから良いか?」


ジークは2人の様子に苦笑いを浮かべると後を追いかけて行く。


「ジルさん、部屋、空いてる?」


「いらっしゃい。2部屋で良いんだよね?」


「はい」


ジルの経営する冒険者の店に顔を出すとジルは笑顔で対応してくれ、ルッケルの騒ぎでノエルはジルと気兼ねなく話せるようになっているようで滞りなく、宿泊手続きは進んで行く。


「何か、スムーズすぎるな」


「何だい? ジーク、どうかしたのかい?」


「いや、ノエルもこの店になれたもんだと思ってさ。それより、商店街の中心に人が集まってましたけど、何かあるんですか?」


ジークはやる事がない事に苦笑いを浮かべるとジルにルッケルで何かあったのかと聞く。


「あぁ。何か、王子様2人がイベントをするみたいでね。ルッケルは今、こんな状況だろ。ありがたい事だよ」


「……ルッケルでイベント? あいつ、もしかして見世物にしようとしてないか?」


ジルの言葉にジークは色々な物が繋がったようで眉間にしわを寄せる。


「それで、舞台を作るとかで調査員以外にも多くの人員がルッケルに滞在してるのよ。何か、大きな舞台が魔法で次々と出来上がっててね。人が集まってくるとお金も動くからね」


「いや、警護とか色々と問題が出てくるんじゃないか? アズさん、大忙しだろ」


ジルから聞かされる情報にジークはアズにかかる負担がどれほどのものかわからないが、彼女が大変だと言う事だけは理解出来るようでため息しか出ないようである。


「ジークさん、どう言う事ですか?」


「あー、簡単に言うとカインが言っていた事を王都ではなく、ここ、ルッケルでやる気だって事だ」


状況が理解できないようで首を傾げるノエル。ジークは彼女の様子に苦笑いを浮かべて簡単に説明をする。


「それって、大丈夫なの?」


「俺が聞きたいって言うか、あいつ、いつから考えてたんだ? 手配がスムーズすぎるだろ」


この騒ぎにカインが1枚も2枚も噛んでいる事は疑いもなく、ジークは頭が痛いようで乱暴に頭をかく。


「難しい事はわからないけど、調査員と一緒に作業員も来ていたよ」


「失礼します。ここにジーク=フィリス、ノエリクル=ダークリード、フィーナ=クロークの3人が滞在していると思うんですが」


ジーク達の様子にジルは苦笑いを浮かべた時、店のドアが開き、ルッケルの領主であるアズが警備兵を連れて店の中に入ってくる。


「アズさん、お久しぶりです」


「やはりここでしたね」


ノエルはアズの顔を見て慌てて頭を下げるとアズは3人を見つけてほっとしたようで胸をなで下ろした。


「忙しそうですね」


「はい。まさか、こんな状況になるとは思っていませんでした。カインが鉱山以外にルッケルの様子を見ている事に気づいてはいましたけど」


疲れ気味のアズの様子にジークは苦笑いを浮かべ、アズは予想外の仕事にかなり疲れているように見える。


「あいつ、そんな事もしてたのか?」


「はい。そのおかげで臨時収入はあり、助かってはいるんですが」


カインはルッケルの毒ガス騒ぎの時から、しっかりとルッケルの復興の事も視野に入れていたようでジークは少なくとも思いつきの行動ではない事がわかる。


「それで、アズさん、私達を探してたみたいだけど、どうかしたんですか?」


「は、はい。すっかり忘れていました。ジオスから戻ってきた人間が3人を連れて来たと言うのでお話をしたいと思いまして」


「息抜きですか?」


フィーナはアズが自分達を探していた理由を聞くとアズは慌てて答え、彼女の返事にジークは首を傾げた。


「確かに息抜きもしたい気分ですが、今はそんな時間はありません。現在、多くの人間が滞在しているため、物資が不足しているんです。フィーナはジオス村の村長の娘ですし、ジオスから余剰食料があれば村長との取引交渉の仲介。ジークには治療薬以外の商品の取引。後はアーカスさんの作る魔導機器の売買に対する仲介を出来ればお願いしたいんです」


「そんなに予算があるんですか?」


「はい。復興費用として、王都からの資金援助もありますし、聞いていると思いますが、イベントを聞きつけて、近隣の街からも多くの人間がきていますから、問題はありません」


「そうですか? 俺は構いませんよ。アーカスさんは期待しないでください。食糧問題に関しては何とも言えませんけど、村長に話をしてみます」


アズはジオスとの取引を希望しているが、ジーク以外の事は直ぐに答えられない。


「はい。かまいません。それではジオスに帰る時に屋敷に顔を出してください。馬車を出しますから」


「はい。わかりました」


「それでは時間がありませんので、これで失礼します」


アズはジーク以外の件は成立できれば儲けもの程度にしか思っていないようであり、言いたい事を言うと直ぐに店を出て行く。


「アズさん、忙しそうだな」


「そうね。誰か、支えてくれる男性ひとでもいてくれたら良いんだけど」


アズの様子にジークは苦笑いを浮かべるとジルは1人身のアズを心配しているようで小さくため息を漏らした。


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