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勇者の息子と魔王の娘?  作者: まあ
お家騒動?
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第137話

「まぁ、そんなこんなでライオ様はエリオ様に不快感を抱いているわけだ」


「……だろうな。兄弟で比較の対象で良いところを見せようと思っているところで全部破壊されたら、イヤになる」


カインのため息混じりの言葉にジークは頷く事しかできないようで頭をかく。


「それをエルト様も察したようで関係を修復しようと考えているわけだけど」


「あー、何となくわかったけど、それは間違いなく逆効果だろ」


エルトはライオとの関係を修復したいようだが、ジークはエルトの性格ではさらに関係を悪化させるとしか思えないようで眉間にしわを寄せた。


「あの。ジークさん、どうかしたんですか? 仲直りをしようとしているんですから」


「……あぁ。それ自体は素晴らしい事だろうな。きっと、さっきみたいに拳で語り合おうとか言い出すんだろうな」


「そ、そんな事は……しそうです」


エルトが取るであろう後方を話すジーク。ノエルはジークの言葉を否定しようとするが否定しきれなかったのか顔を引きつらせる。


「間違いなく、そう言うだろうね。と言うか、既に言った後だろうね」


「……それを聞かされた俺は何を言ったら良いんだ?」


2人の反応にカインはすでにエルトがライオとの関係修復を試みた後だと答え、ジークは考えれば考えるほどカインが何を企んでいるのかわからない。


「まぁ、1対1で拳で語り合わせるわけにもいかないから、条件を付けたわけだ」


「条件ですか?」


「あぁ。1対1だといろいろと問題あるからチーム方式にしたわけだけど」


「いや、それは変わらないだろ」


カインはエルトとライオの関係修復がチーム戦だと言い、ジークはその条件にツッコミを入れる。


「いや、いきなり殴り合いをするよりは必要メンバーを集めて、戦術を決めてぶつかり合う。ライオ様の領分も入ってるだろ」


「……それを俺に手伝わせる気か?」


「まぁ、そうなるね。ジークがエルト様のお目にかかっていればだけど」


カインがジオスにエルトを連れてきた理由はチーム戦にジークを引っ張り込むためであり、ジークは両親の事もあるため、王族になど関わり合いたくないようで眉間にしわを寄せた。


「断る」


「それが残念ながらジークは断れないんだよね」


ジークは当然、拒否をしようとするが、カインはジークの弱みを握っているようで邪悪な笑みを浮かべている。


「どう言う事だ?」


「何、ジークはエルト様に借りがある。その借りを返して貰うんだよ」


「借り? 初対面の人間に借りなんてない」


ジークはカインの手のうちで踊るつもりはないとはっきりと拒絶の意思を示す。


「そう? それなら、エルト様のところにアズ様から来た報告書を国王にジークの名前込みで報告するだけだけど」


「……おい。俺の名前は伏せてるはずだろ」


「あぁ。俺は伏せたけど、アズ様はしっかりと報告したわけだね」


「……」


カインはルッケルの毒ガス騒ぎの報告が国王まで上がるとジークに取っては不味いのではないかと脅しをかけ、ジークの顔には諦めの色が濃い。


「大変だろうな。目立たないでいたから、騒ぎにならなかったんだけど、ルッケルの騒ぎを終結させた勇者様」


「……」


「カ、カインさん、それはあんまりです。ジークさんは勇者と呼ばれたくてルッケルで頑張ったわけじゃないんです。そんな事は止めてください!! それにエルト様のチームでジークさんが出たら、結局、ジークさんの事がばれてしまうじゃないですか?」


カインの言葉に歯嚙みをするジークの様子にノエルは耐えきれなくなったようで声をあげる。


「その点もちゃんと考えているから安心してよ」


「偽名でも使うつもりか?」


「いや、偽名を使ったって、ノエルやフィーナには無理だろ」


「……あぁ。戦闘中にずっと偽名で呼び続けられるほど器用じゃないな」


カインは不敵な笑みを浮かべながら、策はあると言うとジークは単純に名前を変えると言う。

カインはエルトのチームにノエルとフィーナも巻き込む腹づもりのようであり、ノエルとフィーナ相手ではお手上げと言いたげにため息を吐く。

ジークはカインの言葉に1度、ノエルに視線を移すとポリポリと首筋をかく。


「あ、あの。それって、どう言う事ですか?」


「あぁ。簡単に言えば、ノエルとフィーナにもチーム戦のメンバーに入って貰う」


状況が掴めなく首を傾げるノエル。そんな彼女の様子にカインは苦笑いを浮かべるもはっきりとした口調で言う。


「そうなんですか?」


「そうなんです」


「そうなんですか? ……ま、待ってください。そんなの無理です!?」


ノエルはカインの言葉の意味を考えているようで、2度、頷いた後に慌てて拒絶する。


「……だよな」


ジークは王都にドレイクのノエルを連れて行くわけにもいかないため、眉間にしわを寄せるが王族とかかわりが深いカインにノエルの事を話す事は出来ない。


「ジーク、何か隠し事をしてる?」


「……何も」


「そう。素直に白状するなら顎を砕くだけで許してあげるけど」


カインはジークの様子に何か察したようで首を傾げる。ジークはカインに対しておかしな反応をしてはいけないと直ぐに平静を保ちながら何もないと答えた。

しかし、その反応でカインはジークが隠し事をしている事を確信したようでジークの胸倉をつかみ、笑顔でジークの顎を拳で打ち抜く


「カ、カインさん、何をしているんですか!? お、落ち着いてください」


「ノエル、何を言ってるんだい? 俺は落ち着いてるよ。何度も言うけど、これはしつけだから、嘘を吐くなんてどう言うつもりなんだ?」


カインは2発目のために拳を振りかぶるとノエルは慌てて彼の腕にしがみついてカインを止めようとするがカインは腕が止められたせいか、ジークに頭突きを喰らわせる。その後に何事もなかったかのようにジークに隠した事を白状するように言う。


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