第11話
(……ったく、何をやったら、ここまで荒らせるんだ? まめに掃除はしてなかったけど、少なくとも荒れてはいなかっただろ? ……これは本当に今日中に遺跡探索は無理だな。せっかくのチャンスなのに冒険者が入ると薬草類も取られるし、知識のない冒険者なら貴重な薬草も平気で踏みつぶして行くからなぁ)
ジークは祖母の部屋のドアを開けると部屋は予想以上に散らかっており、大きく肩を落としてため息を吐き、フィーナへの怒りを感じながらも片付けを始めようとすると、
「あ、あの。ジークさん」
「どうかした?」
「わ、わたしもお手伝いしたいんです。こんな風になるとは思っていませんでしたし、あ、あの。すいませんでした」
ノエルがフィーナを止める事が出来なかった事もあるため、申し訳なさそうな表情で部屋の中を覗き込み、ジークは彼女に何かあったかと聞くとノエルはジークに頭を下げて掃除を手伝わせて欲しいと言うが、
「……良いよ。ここはばあちゃんの部屋だし、あまり触って欲しくないものもあるから、だから、なるべく、そのままにしておきたかったってのもあるし、それでもばあちゃんの服とかは有っても仕方ないし、他にも片付けないといけないものをあるから、選別もしないといけないから……まぁ、ここまで、荒されると思い出も何もあったもんじゃないかも知れないけどさ。それでもね。懐かしむものはあるんだよ」
「す、すいません。わ、わたし、何も知らなかったので、そ、そんなに大切なものがあるなんて思わなかったので、フィーナさんも気にしないで良いって言ってましたし」
ジークはこの部屋には物以上に祖母との思い出が詰まっているため、他人であるノエルやフィーナのような幼なじみであっても触れて欲しくないものをあるため、1人で片づけをしたいようであり、幼い頃のジークと彼の祖母が並んだ写真の入った写真立て手に取り、写真を撮った時の事を思い出したのか当時を思い出しているのか祖母の事を思い出して優しげな笑みを浮かべながらもノエルの言葉を否定するとノエルはジークの様子に彼が怒っていると思ったようで不安そうな表情でジークに頭を下げる。
「……いや、ノエルが謝る事じゃないよ。それを知っているのにフィーナがここに入ってきたんだろうから、さっきも言ったけど、この部屋には俺とばあちゃんの思い出もあるからね。あいつはこの部屋や店が俺をこの村に縛り付けているとか勝手に思い込んでいるんだろ。だから、この店を辞めさせたいんだろうけど、俺的にはそれだけじゃないんだよ……やっぱり、手伝って貰おうかな。しばらくはここにいるならここはノエルの家になるわけだし、家族は支え合うものだからね」
「は、はい。何から始めたらいいですか?」
ジークは自分の考えを祖母の意見だと言って我が物顔でジークの家を荒らしまわるフィーナに怒りは感じているがノエルに当たるわけにはいかないため、彼女に気にしないで欲しいと言うがノエルの表情は晴れず、ジークはそんな彼女を見て彼女を元気づけようと思ったようで笑顔を見せると考え直したと言ってノエルに部屋の片付けを手伝って欲しいと言うとはノエルは顔を上げて返事をし、2人で部屋を片付け始める。