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しつこすぎるよ! わたしの『前世』  作者: ドコカノ クロコ
1/3

1話 わたしと『わたし』

初投稿なので、生まれたての小鹿のようにプルプルしています。どうか生暖かく見守ってくださいね。


【注意!】

お話の進行と、前世さんの職業と性格上の問題で『排泄関連のお話』がたくさん出てきます。お食事中の方はくれぐれもご注意を。どうしても無理な方は引き返してください。すみません。

この先のことも考えて、一応「R15」ってことにしておきます。

利用規約は一通り読んだんですが、大丈夫でしょうか? ドキドキ。




 ジョボボボボ ボボボボボボボ ボボボボボ……


「あ、出ちゃった……」


 木の床に 広がっていく 黒い染み

 ほれ見たことか 物語る ばあちゃんの顔

 目を逸らし 考えてみても 一度出たのは戻らない


 諦め 気まずさ 羞恥心

 湧き上がる いろんな気持ち ごちゃ混ぜで

 肝心の 上手い言い訳 出てこない


 そんな状況 だったのに――




∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥


 きちんと整頓されているが、狭い部屋。

 ベッドに横たわるお婆さん。

 掛け布団を捲り、彼女に触れて、確かめる。


「わぁ、背中まで濡れてる!? ごめんなさい!

 そのままだと気持ち悪いですよね!?

 お着換えお手伝いさせて頂きますね」

 と、『わたし』は言った。


「いつも、すまないねぇ……■■■さん」

 力ない声で『わたし』に謝るお婆さん。


∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥




 突然に 浮かんできたの 頭の中に


 それは誰? そこは何処?

 勝手に動く 知らない『わたし』


 わたしベル 5歳です

 かあちゃん ばあちゃん それからわたし

 女ばかりの 3人家族

 ルドイド村に 住んでます

 それは間違いないんです!


 日中に 水遊びして 熱出した

 暗くて怖い ぼっとん便所

 オシメはイヤよ 1人で行くと 意地張って

 ばあちゃん困らせ 逃げ回り

 そんなこんなで 漏らしたの――




∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥


 慣れないヒールで 踵が痛む

 精一杯に オシャレした


 同期に泣きつき 挑んだ合コン

 敢え無く全敗 涙が滲む帰り道

 都会の木枯らし 肌身に染みて

 独り寂しく ヤケ酒飲んだ

 

 やるせなくて、月に向かって叫んだの。

「今の歌なんか知らんわ! 何がJPOPや!!

 演歌は日本の心やろうが! 笑うな!!

 お前の頭がボンバイエちゃうんか!?

 話も合わんし、これやから同年代は好かんねん!!」


「ちょっと? あなた、往来で叫ばないでくれる?

 署で事情聴かせてもらえるかな?」


 通報されてた。


∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥




「あーあ、もう。しょうがないねぇ……」

 ため息吐いた わたしのばあちゃん

 俯くわたしに 背を向けて

 拭くための布 探してる


 目の前と 頭の中が チグハグで

 何が何だか分かんない!


「ねぇ、ばぁちゃん?」

「ん? なんだい?」


 ボンバイエって何ですかぁ――




∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥


 家の近所にある喫茶店。

 昭和レトロで心落ち着く。

 『わたし』と彼のお気に入り。


 5歳年上の優しい男性。

 職業はなんと警察官!

 出逢いのきっかけは……ヒ・ミ・ツ♡

 付き合いだして、3年になる。

 もうそろそろかな? な~んて思ったり♪


 そんな彼がさっきから固まっている。

 大好きなはずのカレーライスを一口も食べずに。


「ねぇ? どうしたの?

 早く食べないと冷めちゃうよ?」

 そしてそろそろ『わたし』も食べて? 

 なーんちゃって♡


 バン!

 勢い良くテーブルに手をつき、立ち上がる彼。

「もう、別れよう、■■子!! 

 これ以上、お前と一緒にいるのに耐えられない!!

 職業病だとかいう言い訳も聞き飽きた!

 カレー食ってる時に【ピーピーピー】

 その話だけはするなと何度も言ったよな!?」


∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥




 黒歴史

 そんな言葉が あったよね?


 知らない世界 知らない『わたし』

 知らない人と 出会って別れて

 知らない時を 過ごしてる


 脳内で 再生続く 『わたし』の記憶

 これは夢? いや違う?

 けれどこんなの認めたくなぁい――




∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥


「あー、そこはちょっと違うかな?

 いい? まずご利用者様と目線を合わせる。

 上からスプーンを突っ込んじゃいけません。

 ごめん、代わって」


 よっこらしょと立ち上がり、新人君と入れ替わる。

 最近は腰が痛い。

 行きつけの整骨院は先日閉業してしまった。

 次の院、探さないとなぁ……


 おっと、いけない。今は大事な研修中。

 気持ちを切り替えなくては。

 若手の育成、ちゃんとしないと差し障る。

 何にって、そりゃ……


 バタン!

 唐突に第二会議室の扉が開いた。

 息を切らして入ってきたのは、同期の桜■

 ケアハウス事業の施設長。更に既婚だ。 ケッ!!


「ねぇ、■木!! もう理事長から聞いてる?

 次の人事異動の話。

 アンタ、特養だって!!

 フロアリーダーだよ~!!

 良かったじゃん、やっと出世できそうで」


 桜■は余計な一言が多い。

 悪気がないのは知っているので、それはいい。

 それより何より。

「えっ!? また?? また『わたし』転属なの!? 

 落ち着いて婚活できないんだけど!!!」

 そう返して、睨んでやる。八つ当たりだ。


「大丈夫。アンタ結婚向いてないから」

 だから一言多いんだよ!!

 ニヤニヤするな!! 自分が高みにいると思って!!


「うん、大丈夫ですよ……

 先輩みたいな女性を好きな男もきっと居ます!!」

 まだ20代の新人君に慰められた……

 ううう、可愛い年下彼女持ちに言われても。

 ちっとも嬉しくないやい!!


∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥




 ワカリマシタヨ ミトメマショウカ

 わたしは今世(コンゼ) 『わたし』は前世

 これが流行りの転生ね!


 じっと手を見る 床を見る

 排泄含め 介護する

 そんなお仕事 してたのに

 何の因果か? 今世では

 漏らして前世思い出す

 

「どうしたんだい? ボーっとして……」


「バアチャンゴメン」

 もうダメよ……

 記憶の奔流 スゴすぎて 頭がパンクしそ~なんれす


「え!? 何だって??? ベルーーッッ!!」


 わたしはイシキてばなすお

 バタンキュ~



とりあえずは三話で一旦区切りの予定です。

HPMPが残っていたら頑張るつもりです。


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