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僕と  作者: 宵待昴
14/14

絵馬


宗也と満寛は、初詣にやって来ている。

参拝が終わり、宗也は絵馬の並ぶ一角を見つけた。

「あれ、この絵馬……」

近付いた宗也は、目を丸くする。絵馬の願い事が、皆同じものだった。

「『◯◯が、幸せになりますように』?」

◯◯の部分は名前のようだが、不鮮明でどれも読めない。宗也が更に近付くと、風も無いのに全ての絵馬が一斉に揺れた。大勢の笑い声が、宗也の耳に刺さった。

「うわっ」

笑い声の中で、大勢が何か囁いているのが聞こえる。

「不幸せになりますように」

(不幸せになりますように?)

宗也は耳を塞ぐ。重たいものが身体に乗る感覚に襲われ、動けなくなった。

(どうしよう)

冷や汗が流れ、強く目を閉じた時。後ろから肩を掴まれた。

「宗也!」

満寛の声。ハッとして、宗也は目を開ける。振り向くと、不機嫌そうな顔の満寛がいた。

「どうした、何も無いとこで」

「何も無いとこ?」

宗也は、絵馬の方へ向き直る。あれだけあった絵馬は、無くなっている。大勢の声も消えていて、参拝客の喧騒が戻っていた。

「絵馬があったんだけど、」

「絵馬なら向こうだぜ?行くか?」

満寛が反対方向を示しながら言う。宗也は首を横に振る。

「ううん。何か食べに行こうよ」

「ん。そうするか」

何か言いたげな顔になったが、満寛は結局頷いた。









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