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歪んだ箱庭  作者: パステル
13/24

第十三話 毒にも薬にも

リアル多忙とは言え一ヶ月以上間隔が空いた投稿になります

 彼女が来てしまう。

 もしも追い付かれたならば…



 白銀の刀身が、貴女の血を吸い赤く染まりーー




「ーーやめろッ!!…ハァっ、はぁっ……はぁ…」


 じっとりと汗ばんだ肌にほどいた髪や寝間着が張り付いてしまい気持ち悪い。


「アトラクト達は……起きた気配はないな」


 屋敷の主人と同室で寝具を譲られるのは、お客様と言えども有り得ない。

 そう身内の三人から進言された時は抵抗をしたが、周りの勢いに便乗して去って行くアトラクトの背中を見た時はかなり悲しかった。

 だがそのお陰で、取り乱した姿を見せる事にならずに済んだ。


「…全ては過ぎ去った出来事、なのに」


 今でも鮮明に思い出すのは、彼女と彼女以外の境界線を曖昧にさせて蝕むように広がっていく血溜まり。

 心臓部辺りに深々と突き立てられた祭儀用のダガーを中心として広がる、鮮烈な赤が段々と濃くて暗い色へと変色していく様子が脳裏に焼き付いたままで、いまだに恐怖に呑み込まれそうになる。


 原初の私ーーユウガオは、あの時になって漸く彼女が特別に強くて恵まれている訳では無い、自分と比べても大差無いような儚い存在なのだと思い知らされた。


「貴女も私も…誰かの代わりではない」


 あの頃から考えればきっと現在(いま)は、最良とまではいかなくとも数ある未来の中では恵まれている方だとは思う。

 それでも、心の奥底では納得出来ない理由は、原初の私の強い思念に感化されたのか、目的を失ったが為に狼狽えているからなのか。


「両方ともか、もしくは…」



 *****



 私の記憶の中にある学び得た知識はあっても、それを会得するに至るまでに掛けた時間が短いトワでは、全盛期の原初の私であるユウガオ相手になら、瞬く間に地面へ転がされているだろう。


 だが、それ即ち私が弱いままである事を示す訳ではない。


「見様見真似の剣筋は初心者向けの型とは違い、身体的な負荷の掛かり方が違う。今すぐにやめた方がいい」


 幼少期の私が記憶を頼りに真似たようにしていては、いつか身体が負荷に耐え切れずに倒れる事は、今の筋肉のつき方から見ても、容易く予想がつく。


「…僕はまだ、やれます…!」

「まだまだ、終わってないよ…!」


 防具を着けている胴体に木剣の平らな面での打撃ーー所謂平打ちをして、最後まで気合いで持ち堪えていたダークと他の三人よりは高い能力値の差で耐えていたアトラクトを地に叩き伏す。


「【癒しの霧】」


 周囲は数秒の間だけ傷を癒す霧に包まれると、霧が晴れれば打撲の痕や擦り傷まで治った私と四人が、修練場にいた。

 然し、魔法で疲労を回復させるには高難易度の光魔法による治療が必要とされる為、中級以上とされる水魔法では新しい外傷は治っても、私以外の全員は蓄積された疲労感に押し潰され倒れたままだ。

 なのでアトラクト達は最早、立ちあがろうともしなくなっている。


「今までの攻撃だけが、学んだ全てを出し切った結果のつもりなのか?」


 呼び掛けに対し、荒い息でアトラクトだけは辛うじて立ち上がったが…木剣を杖のように支えにしていて、たいして足に力が入っていないように見える。


「そろそろ、やめておいた方がいいと思うが」

「…あんまりアタシ達を、バカにしないでよねぇッ!」


 低く腰を落とし体重を乗せた上での、下段からの突きの一撃。

 だがその突進は直撃する数メートル前で急な角度で曲がり、大きな踏み込みからの跳躍に移る。


「でゃああッ!!」


 向かい合った方向の外からの俊敏な動きで見せられたのは、向かいなおる敵である私の左肩から右腰にかけての袈裟斬り。

 型の決まった指南を受けずに身につけた、初心者ならではの突飛な思考回路とそれを為せるだけの身体能力あっての、撹乱効果のある単身での斬り込み。


 体重に加え落下エネルギーまでが乗っている渾身の一撃の重さを考えれば、馬鹿正直に真っ向から受けずに後ろへ飛び退くのが普通の対処法だろう。


 だが、今の私は師範でもあり、相手取るのはアトラクト一人では無い。


「此の場に今、己が存在する意味を示せッ!!」


 空気を震わす声の反響と音が跳ね返ってくる速度から全員の位置に大体での目処を着け、身体を逸らせて木剣を躱しながら、脳内で並行して詠唱していた魔法の発動キーを口に出す。


「【峰打ち】【神鳴り】」



 〜〜〜〜〜



 アトラクト達には、私と一対四の図になる形での打ち合いの一種である、一斉打ちをさせていた。

 そして今回の一斉打ちに限りだが、どんな手段を用いた勝利でもいいとした上で実力差を考慮した結果、私から一本取れれば今日の鍛錬は即座に終わりにするとも言った。

 勿論、魔法も小細工もありで、数の暴力も勿論認めている。


 その条件を聞いて、鍛錬に苦手意識を持つベリィとソフランが食い付き、現在に至る訳なのだが…現状から考察しても、少なくともプロの指南の仕方を知らない私が相手では、これ以上の伸び代は期待できないだろう。


「本日の鍛錬は終了とする。各自、運動後のストレッチは忘れないように。それと、昼食の時間までは自由時間にしていいよ」


 それだけ言って、修練場から立ち去ろうとする、が。


「…アトラクトからは聞いていないが、少なくともダークとベリィとソフランは既に冒険者登録を済ませているんだ。ならば尚の事、勝つ為の手段を選ぶ余裕など持たずに、目の前の相手を倒せる最善策を考えるべきだ。その点においてはベリィもアトラクトも即座に決断できる素質があると言える」


 背後から聞こえてくる振り被った際の息を吸う音と空を切る大杖の回転数から大体の着弾点は察していたので、床に落下する寸前に数歩戻り、一応私の背中に向けてアトラクトによって投擲されていたベリィの私物である大杖ーーもとい、飛来した鈍器の先端を掴んだ。


「だが、その評価を与えられるのは、あくまでも正式なルールとして不意打ちが認可された試合の最中や、敵対関係にある者に対して。そして、死地となる戦場での場合に限りでの事だ」


 分かり易い予備動作があった先程の大杖は目眩しだったのか、続いて飛んできた投げナイフは綺麗な弧線を描いて頭上から静かに降ってくるが、引力任せで中距離射程内である事もあり遅く、簡単に木剣で軌道を逸らせた。


「キミ達がオーロラから指南され学んできた剣技や武術は、鍛錬の時間外となった瞬間に相手の寝首をかく為のものだったのかな?ならばそれは間違いであるとともに、師範の身内を害するという犯罪にもなる」


 迫って来ていたダークの剣筋には迷いからなのか大した力も入っていないので、刃先を受け止めた指先を耐熱コーティングしてからその表面を加熱させて、剣先をぐにゃりと曲げておいた。


「午後からは元通りの教師陣に戻るが、今後の鍛錬や授業内容が実りあるものと成る事を祈っているよ」


 励ましの言葉も意味がなさそうな程度まで四人の心を折って再起不能にした気がしたが、最初に友好的な関係を崩したのは()()()()()あちら側からだから問題ない。

 そして昨夜の事も同じように、私は何一つ言及していないのを、あちら側が勝手に自分達の行動は気付かれていないと解釈しているだろうなと、私も勝手に思うだけだ。



 *****



 トワさんは僕達の奇襲にはものともせずに、修練場から去っていった。

 そしてそれから少しして、アトラクトさんに僕達は呼び出されて、普段から冒険者としての会議をする時に借りている多目的室に集まっていた。


「輝け第二十四回!イベント対策会議ィ!!」

「いぇ〜いっ!」

「ヒューヒュー!」

「わっ、わぁ〜…」


 やっぱり僕はまだノリを合わせられないし、馴染めていない気がする…


「んじゃあ、今回の議題なんだけど…」


 いつものように言ってから、アトラクトさんは何故か周囲をキョロキョロと見渡した。


「やっぱり此処じゃあ駄目だぁね…」

「アトラクトさん?どうかしましたか?」

「ん〜と、ちょっと待ってね〜」


 アトラクトさんはインベントリから教科書を取り出し目次を見ると、隠密系統の魔法についての記述をじっくりと読み出した。

 そして、小声で詠唱を始める。


「風が騒めき声を掻き消し、光なき闇の中に姿は見えない【擬態結界】」


 一瞬だけ耳鳴りがしたかと思うと、周囲の景色は陽炎のように揺らいでいた。


「みんな、アタシからなるべく離れないようにしてね。部屋の隅に移動するよ〜」


 アトラクトさんの言った通り、離れ過ぎずに一番出入り口のドアに近い部屋の隅まで来る。

 すると、インベントリからアトラクトさんが小石を取り出して、対角線上の位置にある窓の方角へ、大きく振り被った。

 …嫌な予感がする。


 ーーガシャンッ!!


 予想通りアトラクトさんは小石を投げて、盛大に窓ガラスを割った。

 少しすると顔見知りの使用人さん達数名が室内に入ってきて、辺りを見渡すと焦り出す様子をみて心苦しくなる。


「この世界の文明発達レベルからしたら、あの大きさと純度の窓ガラス一枚直すのに、駆け出し冒険者の稼ぎ一ヶ月分じゃ釣り合わないような…」


 ソフランさんの独り言が聞こえて、僕は胃が痛くなった。



 〜〜〜〜〜



 いる筈の無い襲撃者騒動の最中、僕達はアトラクトさんを先頭にしてトワさんの寝室へ向かい、道中で魔法の罠に引っ掛かりつつも、なんとか侵入に成功した。

 アトラクトさん曰く、この屋敷の中でなら最も盗み聞かれる心配のない場所で、秘密の作戦会議も安全に行える場所らしい。


「【収納】に【接続(コネクト)】…いつもの作戦会議セットを【選択(セレクト)】」


 絨毯の上を見つめたアトラクトさんが詠唱と発動キーを言うと、一つのローテーブルとその周囲に四つの大きなクッションを同時に出現させる。


「…ふぅ」


 力が抜けたようにクッションへ座り込むアトラクトさんに続いて僕達も座る。


「やっぱり…魔法ってすごい!アトラクトちゃん、かっこいいよっ!」

「ベリィちゃんありがと。でも、まだ…届かない」

「僕達プレイヤーと同じように持ってるインベントリからじゃなくて、今のは闇魔法と光魔法の複合魔法なんですよね?」

「うん。二つの魔法適性と、ある程度の知識が無ければ、維持する事も出来ない魔法なんだ…」

「だったら、たった数日で発動できるようになったアトラクトちゃんは、十分にすごいと思うけど」

「でもトワちゃんは詠唱を簡略化させるどころか発声もせず、長時間の思考時間っていうタイムロスすら必要とせずに、殆ど無意識下で維持したまま即座に発動させてるんだよね」


 アトラクトさんは大きな溜め息を吐き、瞼を閉じて懐かしむように拳を固く握ってーー


「本当に、アタシにはもったいない…立派な妹のままだよ…」


 ーーとんでもない特大の爆弾発言を投下した。



「相変わらず、裏切られる恐怖からの強がりは治っていないけど、アタシよりもずっと神の器の資格があったから…止められて、本当によかった……さて、それじゃあ作戦会議を「ちょちょちょっと、待ったッー!!」へ??」


 良かった、ベリィさんが止めてくれなかったら、ソフランさんか今にも心臓が口から飛び出そうな僕が止めていなければならなかった。


「あれ、もしかして前世の話とか全部言ってなかったっけ?」

「詳しくは言われてないよ?!!」

「妹だった頃しか知らなかったのに、気が付いたらお姉ちゃん属性付いてたから、そりゃあ驚くよね〜!」

「そうかもだけど、そうじゃないでしょ!」

「ハッ…!まさか、アタシの妹と弟に惚れちゃったとか?!お姉ちゃんは認めませんよっ!」

「それも違いますっ!」

「まっ、禁則事項に抵触しちゃうから、これ以上は言えないんだけどね〜」

「「「わざとかいッ!!」」」


 とってもタチの悪いボケだった。

 しかし。


「とにかく、さ。これ以上可愛い妹を苦しめさせたくないから、アタシが言ったことは秘密にしてくれると助かるかな!」


 …何も、言えなかった。

 例えゲームの設定なのだと分かっていても、気安く応えられる筈がなかった。


 重たい沈黙が訪れたが、静寂を打ち破ったのもアトラクトさんだった。


「それよりさぁ〜、仕方がない事情というか仕様があるとは言え、アタシにも一切の説明も無しなのは寂しいなぁ?」

「えっ?なんのこと?」

「みんなは新米配信者チームの『ブロッサム』なんだよね?」

「えぇっ?!なんでアトラクトちゃんが知ってるの!?」


 リーダーのソフランさんが大袈裟に驚くが、それも無理はないと思う。

 何故ならば、僕達がチャンネルを開設したのはまだ五日前の夜で、今までも自由時間が纏まった時間で取れない関係上、配信活動は何一つしていないし、今呼ばれたパーティー名も昨晩決めたばかりだからだ。


「いやぁ、伊達に元運営側じゃないからね〜!…なんて言ってみても、毎晩の日課のスレ徘徊してたら丁度良く賑わってたとこを見つけただけなんだけど」


 そう言って、アトラクトさんは取り出したタブレットを机の上に置いて見せてくれた。



 ***



【エゴカオ】ゲームまとめスレ4【押し活交流場】



 116:名無しのプレイヤー

 モフ天こそ至高


 117:名無しのプレイヤー

 >116

 モフ天って、誰?


 118:名無しのプレイヤー

 >117

 グループ系配信者の先駆者で、今では企業勢の中でもトップクラスの配信グループ


 119:名無しのプレイヤー

 >117

『モフモフ天国』

 通称『モフ天』は三名の女性の獣人のみで構成される三人組配信者グループ

 ーーーーー

 ・ぴょんこ

 ウサギの獣人で愛称はぴこ。

 モフ天のリーダーだが、かなり抜けているところがあり、マウントを取りたがり失敗するくだりに定評があるいじられキャラでもある。

 ・るんるん

 クマの獣人で愛称はるーママ。

 モフ天のママでありおっとりとしたお姉さんタイプだが実は頭脳派で実質モフ天の参謀役だが、怒らせるとガチで怖い。

 ・なっつ

 ハムスターの獣人で愛称はなっつん。

 モフ天の最年少メンバーでみんなの愛されキャラな天然記念物レベルのド天然で純粋無垢な光属性。


 引用元はモフモフ天国ファンサイトから

 貼っておいたぞっと


 120:名無しのプレイヤー

 >119

 お、おう…情報サンクス


 〜〜〜


 309:ぴょんこ

 ヤバいNPCいた!


 310:名無しのプレイヤー

 >309

 ファッ!?


 311:名無しのプレイヤー

 >309

 本物のぴこ??


 312:ぴょんこ

 今日はお城に迷い込んで入っちゃったんだけど、いっぱい出て来たお城の騎士をズババッてメイド服の美少女と白マントのイケメンのNPC二人が倒したんだよ!


 313:名無しのプレイヤー

 この人の話を聞かない暴走感は本物っぽい


 314:なっつ

 後ろで指示してた人もすっごいキラキラしてたから、お忍び中の王子様の護衛の人だったのかな?


 315:名無しのプレイヤー

 >314

 待って、なっつんもいるの?!


 316:名無しのプレイヤー

 午前の生配信が途中からるーママだけになっているシーンがあるけど、ぴこはまだしもなっつんまで着いて行くか?


 317:名無しのプレイヤー

 なっつんなら『待ってよぉ、ぴこちゃ〜ん!』とかやりそうなのが目に浮かんで草


 318:るんるん

 ぴこちゃん達の姿が見えないと思ったら、また二人で私を仲間外れにしていたのね〜?


 319:名無しのプレイヤー

 るーママがお怒りモードでご登場につき、ぴこ終了のお知らせ


 320:ぴょんこ

 >319

 なんで私だけ?!なっつんも一緒だよ!


 321:名無しのプレイヤー

 それはまぁ、ねぇ…?


 322:るんるん

 ギルドホームで続きをお話しましょうね?

 それじゃあ皆様、お騒がせしました〜


 323:なっつ

 夜の配信でも会えたら嬉しいな!


 324:名無しのプレイヤー

 今日も推しと同じ世界で生きられて幸せですありがとうございます


 325:名無しのプレイヤー

 >324

 わかりみが深い


 〜〜〜


 567:名無しのプレイヤー

 今日のモフ天の配信、お前ら最後まで見たか?


 568:名無しのプレイヤー

 >567

 美形揃いのNPCとの再会からのぴこ撃沈か?


 569:名無しのプレイヤー

 出会い頭に『あなたは!私を護ってくれた幻の王子様!』は草


 570:名無しのプレイヤー

 モフ天みたいな尊いの化身の前でも『幻ではなく普通の人類ですが?』って普通に言えた貴族のボンボンは、ある意味大物だけどな


 571:名無しのプレイヤー

 馬車の家紋だけで辺境伯の子息だと当ててみせたるーママは流石の博識だわ


 572:名無しのプレイヤー

 それよりも何よりも問題なのは、次回の配信でその貴族とコラボの件一択だろ!


 573:名無しのプレイヤー

 貴族はみんなプレイヤーに友好的なのかな?


 574:名無しのプレイヤー

 >573

 この世界のお貴族様だからって訳ではないぞ

 俺は進行方向に居たってだけで馬車に撥ねられてデスポーンしたからな


 575:名無しのプレイヤー

 >572

 予告的には簡易的な授業を受けてみるらしいが、既にコネがあったプレイヤーも合同が条件らしい

 しかもそのNPC曰く、最近チャンネルを開設した個人勢の配信グループだとか


 576:名無しのプレイヤー

 >575

 それマ?

 今から俺も配信者になってくるわ


 577:名無しのプレイヤー

 >576

 お前はお呼びじゃないよ


 578:名無しのプレイヤー

 条件絞って検索したけど、リリック辺境伯の領地って広すぎない?

 何なら俺も領地内に拠点あったし


 579:名無しのプレイヤー

 明日は初心者の方も生配信するんかな?


 580:名無しのプレイヤー

 これは二窓待機案件ですよ



 ***



「と言う訳で!アタシはまだ冒険者じゃないから加入してないけど、三人は晴れて注目株なグループ系配信者の仲間入りだねっ!」

「「「……」」」

「いやぁ、おめでたいよね〜!」


 ケラケラと笑うアトラクトさんは気楽そうだが、僕としてはいきなり決まった大物配信者とのコラボ確定事項に震えていた。


「どうしよう……本物のモフ天とコラボとか、光栄の極みなんだけどっ!?」

「あ〜、またベリィが欲丸出しの姿になったかぁ…」

「ベリィさんもソフランさんも、大物配信者とのコラボだなんて、怖くないんですか?!」

「いやいや、僕もモフ天ファンからのバッシングは怖いけど、こんな有名になれるかもしれないチャンスを逃す手はないでしょっ!」


 僕は、忘れていた。


「あははは…」


 三人ともがかなり楽観的な性格であり、大体の場合は僕が監督不行届を問われるのだと。



 *****



 ミスティックレガリア王国の王都であるエレメントには、数多くの冒険者ギルドが点在している。

 然し、その役半分程は王侯貴族の後ろ盾があり、日々を過ごす事が出来ているハリボテのギルドホームだという事は、赤子の頃から大人に言い聞かされて覚えるような、無休で働き詰めにさせられる詐欺紛いの勧誘を断るための常識だ。


 あくまでも、この大陸で出生した前提での話だが。


 だが少し真面目な話にすると、腐った連中は言う事を素直に聞いて反発しないような馬鹿正直の人材しか求めていない。

 それではその選定基準からふるい落とされた、反骨精神のあるーー要するに口先だけが大半の、粋がった未熟な冒険者が何処へ流れるかというと、選定した側の商売敵の方へと親切そうな口調で誘導される。


 そして更に言えば、景気の良い有名どころの冒険者ギルドなどが格好の餌食にされる。


「ギルマス、またトワを借りてきます」

「…あまり困らせてやるなよ?」

「善処します」


 まぁつまり、何が言いたいのかというと。


「いつから私は見世物にさせられるように決まったのかな?」


 私を本部の表玄関前に立たせてその隣に看板を持って立つ、たった一人の同期であるハイドを見上げる。

 そしてハイドの持つ看板には『自分の得意分野で妖精姫との勝負に勝て』とだけ書かれていて、残りの余白には私の姿絵がデカデカと貼られていた。

 ついでと言いつつ、普段から壊さないように着けたまま過ごしている魔封じのチョーカーに、魔鉄製のチェーンが付けられているのだから、これでは逃げようがない。


「俺はトワの大好きな()()()()を見つけただけだ」

「これがかい?」


 結果として、周囲に群がった野次馬達と、長い長い挑戦者の列。


「私のコストパフォーマンスが最悪な気がして仕方ないんだが」


 視線はハイドから逸らさずに腕相撲で挑戦者を瞬殺しながら、ダメ元で聞いてみるが。


「大丈夫だ。その点については考慮などしていない」

「ハイドは少なくとも私よりはヒトの心を持っているんだから、私にも優しくして欲しいね」

「俺がトワを褒めてもなんの利益も発生しないだろ?」

「…はぁ」


 冒険者登録を必須の義務かのようにしている異国人への対応は、王都の冒険者ギルドが共通で抱えている、ここ最近の悩みの種であった。



 *****



『ーーという流れで、成り行きで助けられただけの異国人を名乗る獣人三名が、明日の朝に屋敷に来訪したいと騒いでいるのですが…』

「異国人の間では有名人だからと天狗になって、貴族家を異国人の間に宣伝しようと名乗り出たのか…その者達の恩返しの概念は、随分と図々しいね。まぁ私としても、これ以上ギルド本部に縛り続けられる日々は御免被るし、挑戦者が減るなら都合が良い。招待しても構わないよ」

『姉上の手を煩わせる事態になってしまい、申し訳ありません…』

「大丈夫、マラカイト達の所為じゃない。それに今から戻れば夕刻2の鐘には帰れると思うし、王都での用事はもう粗方済ませ終わったから逃走している」

『…わかりました。それでは道中、お気を付けて逃げ切ってくださいね』

「あぁ、またね」


 ピっ、と音を立てて、イヤーカフ型通信装置のボタンを押して通話を切る。

 現在いる乗合馬車の待機場所地点は街道や交易路からは離れており、近くに居るのも商人の乗った馬車と護衛中の冒険者らしき一団しか居ないので、あまり気にする必要はない。


「次の乗合馬車の時刻までまだ時間があるし…近くの市場を回るか、いっその事このまま走って帰るか…」


 でも、だいぶ王都からは離れてしまったし、領地やこの近辺で手に入る素材は屋敷に一通りは揃えてあった筈だ。


「この地域特有の魔物でも狩って、珍しい素材でも持って帰ろうかな…?」


 独り言を溢していると、商人の一団の方向から下働きらしき身なりの青年が一人駆け寄ってくる。


「お隣に失礼しても、よろしいでしょうか?」

「…あぁ、構わないよ」


 悪意は見て取れないし、商人の指示で来た訳ではなさそうだね。


「お嬢様は珍しい魔物の素材をお探しの様でしたので、何か御入用ではないかと思いまして」

「ふむ、それは読唇術によるものかな?と言うか、私が貴重な商品の代金を払えるように見えるのかい?」

「えっと、辺境伯様の御子女様でAランク冒険者のトワ様ですよね?」


 青年の視線を追って自分の胴体を見ると、イメージアップと宣伝効果倍増の時専用の煌びやかなラメアーマーを着ていた。

 そう言えば、ギルド本部へ寄ったからいつものワンピースではないのだった。


「…バレてしまっては仕方ないか。素晴らしい慧眼を持っているキミと出会えたことだし、その記念に商品を見せてもらっても構わないかな?」

「はいっ!」



 〜〜〜〜〜



「まさか、閃光の妖精姫様とお会い出来るとは!無理を承知での願い出なのですが、サインを頂いても宜しいでしょうか…?」

「あぁ。それくらいならば構わないさ」


 渡された手のひらサイズの色紙と可愛らしいデザインの便箋にサインをして、娘さん宛だと言う便箋の封筒には追加でメッセージも書き足しておく。


「妻と娘に早く見せてやりたい気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございます!」

「喜んでもらえたようで何よりだよ。それじゃあ、さっき頼んだものを包んでくれるかい?」

「既にお包みさせて頂いております。ありがとうございました!」

「仕事が早いね。こちらこそありがとう」


 手際の良さに少し驚きつつも、手渡された麻袋二つと丁寧に梱包された魔物の素材を【収納】へ仕舞い込む。


「さて。特別授業の材料はこれくらいで足りるだろう。強いて言うならば、刺激と初見殺し要素が足りないかもしれないな…」


 ぶつぶつと呟きながら歩き、空腹を満たすために腰に下げたポーチを開き逆さにすると、丁度最後の丸薬が手の中に転がり出てきた。

 完全栄養凝縮薬ーー通称丸薬を口に含んで、犬歯でガリッと噛み砕き【収納】から取り出した蒸留水で流し込む。


「…そろそろ味の方も調整してみるか」


 別に今の段階でも不味くはないし、主な旨味成分と呼ばれるグルタミン酸やイノシン酸にグアニル酸などを配合してある為、少し硬い出汁のキューブを齧っている感覚なので、美味しいとも言えるのだが…よくよく考えると味が単調という感じで、いまひとつ味の深みに欠ける。


「甘味は砂糖で足すとして。もう少しだけ塩気があれば…石化毒を中和剤で割って、それから…」


 結局この後、近場の状態異常のダンジョンの最下層まで根絶やしにしない程度に攻略し魔物の素材を採取して、帰路に着く事とした。



 *****



「マラカイトさんはマトモだって信じてたんですよ…」

「この屋敷の主人は姉上ですよ?」

「だからって…!ケホッ…【ピュアウォーター】」


 緊張を紛らわそうとマラカイトさんと会話を続け、口の中が渇いて仕方ない僕は、もう三杯目になる水を飲んでいた。


「…念の為に忠告しておきますが、今みたいに気軽に魔法を使わない方がいいと思いますよ」

「えっ、と…あとでお腹を下すって意味ですか?」

「ハァ…身から出た錆にまでフォローはしませんからね?」


 そうは言われても、プレッシャーから渇きを感じるのは自分でもコントロールできないのだから仕方がない。


「極力気を付けますね」

「…まさか、たった一日半でこうも変わるだなんて…僕達もより一層気を引き締める必要がありますね」

「険しい表情ですけど、マラカイトさんも緊張しているんですか…?」

「いいえ。僕自らがお招きしたお客様ですから、緊張は然程していませんよ」


 スパッと言い切ったマラカイトさんはいつもよりも凛々しく見えて、勝手に自分自身と対比した癖に、僕がとても幼く感じてつい俯いてしまった。


「マラカイト様。何やら門番に向かって『王子様に招かれた』等と騒ぐ獣人の女性三名が、本邸の見張りに捕縛されているようなのですが…」



 *****



「こんにちはっ!冒険者パーティー『モフモフ天国』リーダーのぴこですっ!」

「本日はお招き頂きありがとうございます。るんるんと申します〜」

「なっつです!皆さん、今日はよろしくお願いします!」


 ウサギ、クマ、ハムスターの獣人の少女達が順番で挨拶をする。


「キャーっ!!本物のモフ天だっ!!」

「ぴこ!るーママ!なっつん!」


 ベリィもソフランも大いにはしゃいで喜んでいる。

 それはいいのだが…


「あの、お二人とも静かにしないとトワさんが…」


 絞り出すようなダークの一言にビクッと大きく震えてから二人は後ろへ跳び退いて、辺りを見渡した。


「あれ?お姉ちゃんとお兄ちゃん、どうかしたの?」

「…だ、大丈夫だよ〜…」

「なんでもない、です…」


 首を傾げるハムスターの獣人の女の子の前でなんとか取り繕ったベリィとソフランは、身を翻してダークに詰め寄っていく。


「ダークっ!なっつんの前で要らない恥をかいちゃったじゃん!」

「ベリィと同じく!」

「いや、でもそろそろ時間的に…」


 ウサギの耳をピクピクと警戒するように動かす獣人の少女が一人、三名の中では一番話が通じそうなダークの方へと詰め寄った。


「君はダークくんっていうんだ?」

「えっ?そそそそうです…!」

「実は配信前に少し、聞いてから打ち合わせしたい事があるんだけど。ダークくん達も知っているだろうけども、今度の第一回イベントで出てきそうな強キャラが周囲に三人も居て、シークレットルートの最凶キャラでこのお屋敷のボスのトワイライトさんについて!何か弱みを知ってたりしないかな?!」

「えっ?!そ、それって…!」


 周りを見渡す程困っているようだし、そろそろ助け舟を出してあげるか。


「嫌いなのは中途半端なモノだ」

「「え?」」

「私の弱みなら私自身に聞けばいい事だろう?」

「トワさん?!これはその、裏切り行為とかではなくってっ!!」

「言われなくともそれくらい、見ていたからわかっているさ」

「えぇっ!?一体いつから?」

「最初からだね」

「そんなぁ!?」

「ふふっ。悪かったとは思っているよ」


 毎回驚愕してくれるのでダークは揶揄い甲斐がある。

 だがそれよりも、今はお客人への対応が先だろう。


「さて、此の屋敷の主人として。お客人方には挨拶をさせて貰っても構わないだろうか?」


 そう言ってから、先程から硬直したままのウサギの獣人の少女の顔を窺うと。


「お姉さまッ!!」

「ぷぎゅ?!」


 いきなり抱き締められた。

 幸いにも、それほど勢いはなかった為、受け止める事はできたが。


「トワお嬢様。今すぐにこの無礼者を始末しても宜しいでしょうか?」

「僕のトワから離れろッ!!」

「オーロラは縄を仕舞って。ヴィオも落ち着かないか…」


 身内が初っ端から暴走し始めた。

 どうしたものかと思い、私にぴったりと密着して深呼吸をしているウサギ獣人の少女を見ていると。


「ぴこちゃんっ!離れなさい!」


 クマ獣人の少女が、ガシッとウサギ獣人の少女の耳を掴んで私から彼女を引き剥がした。


「仲間が失礼な真似をしてしまい、申し訳ありません!」

「ごめんなさいぃー!!」


 そして、クマとハムスターの二人に綺麗な土下座を見せられてしまった…

 どうやら私は、彼女達に偏見を持っていたようだ。


「謝られるような事は何もされていないさ。それになにより、仲間の為に頭を下げて謝罪出来るという素晴らしい美徳があるキミ達を賞賛はすれども、怒るだなんて器の小さい行いはしないと誓う」

「ぁ、ありがとうございます!」

「ありがとうございましゅ!」

「それと、貴族の礼儀作法をいきなり求めたりなどはしないから、普段通りの自然な姿でいてくれると、こちらとしても弱みを見せてしまうかもね?」


 軽いブラックジョークも交えてウインクをして見せる。


「はわわわ!」


 …気の所為でなければ、ハムスター獣人の少女の瞳に、ハートが浮かんだような…?

 いや、決め付けるには早い。


「なっつの王子様だっ!」


 気の所為では無かった。



 〜〜〜〜〜



 るんるんちゃんが撮影用発信機型魔道具を宙に浮かせ、我が家のエントランスで生配信が始まったのだが…


『開始早々、るーママの御尊顔ドアップで尊死した』

『今日の生配信を全裸待機してた』

『あれ?るーママだけのパターン再来?』


「うふふ〜。少し待ってね〜?」


 るんるんちゃんが操作すると、魔道具のレンズが私達を画角に収める。


「お姉さまはかわいいッ!!」

「王子様はかっこいいッ!!」

「なっつんの分からず屋!」

「ぴこちゃんの方が違うもん!」

「「むふぅー!!」」

「こんにちは。今回、特別講師役を務めさせていただく者だ」


 一応微笑んでカーテシーをしようとしてから、動きづらくて諦める。


「こちら、今回の辺境伯様のお屋敷での滞在と撮影許可を認めて下さった、トワイライト・リリック様です〜」

「普段は冒険者ギルド【刻印】に所属する冒険者のトワとして活動しているから、私のことはトワと呼んでくれると助かるよ。勿論、画面の向こうの皆さんもね?」


『うっわ、かわよっ!!』

『よく見たら【閃光の妖精姫】御本人じゃん!』

『呼吸するの忘れるレベルな美少女で心臓持たん』

『来世はトワちゃんのお兄様に産まれたい』

『誰もポンコツリーダーと天然記念物ちゃんがガウガウしているとこに触れてあげないで草』


 私の右の腕にはぴこちゃんが抱きつき、左の腕にはなっつんちゃんが抱きついていたが、画面の向こうからの反響も概ね好意的なものが大半を占めているようだ。


「この通り、もう生配信の時間なのに、二人ともトワさんにメロメロみたいね〜?」

「このまま生配信は延期で〜」


『かつてない程ぴこが憎く見える』

『そんな事言うと、るーママの雷が落ちるぞ〜』

『ぴこへのヘイト急上昇中』

『るーママ、いつものお願いします!』


「もう…ぴこちゃん?あなたはリーダーで、今回マラカイトさんに無理を言ってトワさんから撮影許可を貰ったキッカケでしょう?」

「でもぉ、なっつんが…」

「自分の言動には責任を持つって、私達は約束したでしょう?なっつちゃんも、勿論出来るわよね?」

「「…はぁ〜い」」


 るんるんちゃんが少し釘を刺しただけで、両腕が解放された…


『見慣れた光景』

『しょんぼりしちゃってかわいいかよ』

『実家のような安心感』


 …何となくだが、この三名のパワーバランスがわかった気がするな。


「少し、良いだろうか?」

「はい?」

「るんるんちゃんは、頑張り屋さんだね」

「…え?」


 なので早速、解放された片手で服の裾を掴んで屈んでもらい、もう片方の手で頭をそっと優しく撫でる。


「……え、と…??」


 気が抜けたように見開かれたるんるんちゃんの瞳には、酷く機嫌の良さそうな私が映っている。

 努力家である長所以外にも、どうやら本能で感じ取ったお互いの魔力の波長も近いのか気に入ったようで、屈んでもらい空いた方の手で自然と髪を梳く事をやめられない。


『るーママが思考停止した、だと…!?』

『まさかトワちゃんは最初から、モフ天全員を口説き落とすつもりなんじゃ…』

『開始以前からの貴族なんだからNPCなのは確定なんだし、いくら高度なAIでもそんな事するのか?』

『敵だと区別していたら、あり得なくはない、のか…?』


 だが魔道具の画面にくだらない邪推が幾つも流れる為、段々と苛立ちが募る。


「キミ達は何の意図と権利があり、一方的な悪意を向けてくるのかな?」


 言うまでもなく不愉快だった事もあり、感情を表に少し出して【威圧】をこの魔道具の映像受信者に搾り意識しながら放つ。


『『『『すんませんでしたー!!』』』』


 どうやら悪意あるリスナーには、隅々にまで伝わったようだ。


「私の思いも伝わったかな?」


『調子乗ってすみませんでした!!』

『美少女怖い…!』

『さっきまで背景だったメイドさんとイケメン二人まで殺気立っているんですが…!!』


 それは私の預かり知らぬ所だ。


「すまない、話が逸れてしまったね」

「い、いえ…」

「自ら苦言を放つ事で仲間を律してあげているのに、その苦しみを誰かに言ったりはしない。素晴らしい美徳だよ」

「あの、困る事はありますけど、決して嫌だと思った事はないんです!」

「だが然し、るんるんちゃんが努力を怠らないからこそ、ぴこちゃんとなっつんちゃんも大きな衝突もなく仲良くしていられるのだと、私は思ったんだ」

「はぅっ…!」


 全く、身内の三人にも見習って欲しいものである。


「はぅ……駄目よ、私まで入れ込んじゃったら、私達は…」


『まさかるーママまで?!』

『いやいや、それだけはないだろ…多分』


「そうよ。配信中なのに笑顔を崩しては……きゃっ!?」


 早足で後退りして躓き、るんるんちゃんが階段の踊り場から落ちていく様子が見えてーー


「【聖炎】ッ!!」


 ーー咄嗟にるんるんちゃんを【収納】に入れていた。


『画面が真っ白になった!?』

『なにこれバグ?』

『それよりもるーママは大丈夫か!!』

『くそっ、なんにも見えねえ!』


 不味い、と思い一瞬硬直したが。


「トワっ!」


 私の行動を予測していたのか、異国人には内密にしておきたい【収納】の性能を隠すように、撮影用魔道具を燃え移る事のない【聖炎】で覆ったヴィオの焦る声が聞こえる。


「すまないッ!」


 即座に落下していたであろう地点に飛び降り、腕の中にるんるんちゃんを出現させる。

 タイミングを見計らい、ヴィオも【聖炎】を解除させると駆け寄って来た。


「いっ…た、くない…の?」

「何所か、痛むところはないかな?」

「あ、ぅ……!!」


『よかった!るーママが無事だぞ!!』

『画面のバグ?が戻った瞬間、美女を抱える美少女の背景に百合のエフェクトが見える』

『るーママも即落ちにつき、モフ天メンバー全員がメロメロなご様子』

『箱推しだった俺、新たにトワちゃんをメンバーに希望』


 何はともあれ無事で良かったと安堵の息を吐く私を見つめる視線には…


「思念波の放出量が、規定値をオーバーした…?」


 後で色々と、答える必要がありそうだが。

良ければまた読みに来てください!

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