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メイドだって戦闘職です  作者: カエデ
二章
88/111

インフレ強化再び

 今日も普段通りログインすると、運営とラムネからギルメン全員に対してのメールが同時にきた。


「ラムネは帰るの早過ぎない?」


 今日だって平日だから、私よりも少し遠いラムネが、その上で私達の方に合わせてる分余計に距離があるのに……。


「おーし全員来たな」


 今ログインしているギルメンは全員来ているみたいで、なんの呼び出しか聞けば、さっきた運営からのお知らせの話だった。


「今回運営側が用意しているイベントについては読んだか?」


 そう言えばまだ読んでませんね。

 内容を見ると、夏休み後のユーザー確保に向けたちょっとした撮影イベントをやるみたい。


 参加するのは勿論ゲーム内のプレイヤーだけで、運営から用意されるのは広くて広大なマップだけみたい、それをプレイヤー達が準備期間の間に開拓を進めて、一つの異世界物語を作って、それを配信サイトで動画化しようと言うことらしい。


 今回ラムネが全員を呼び出したのは、参加の有無、と言うのもこのイベント参加期間中は、こっちのフィールドには戻って来られないからだけど。

 そこはゲームを楽しみたくて参加しているうちのギルメンは、即全員参加が決まった。


 次に話すのは、そのイベント期間中のそれぞれのギルドの役割を決める抽選会、その代表をどうするのかという事だけど……。


「そうだなぁ、希望者で誰か……」

「「………………………」」


 うん、こっちは誰も参加しないのね。まぁ……そりゃあね。言っちゃうとこれで私達のイベントの配役が決まっちゃうわけで、その辺の村人Aが実はラスボス並に強いとか笑えないし。

 ただそこはラムネとフィロ、2人はこんな状況になる事も想定していたみたい。


「そんじゃ、全員でじゃんけん大会な」

「「ええぇぇぇぇ!?」」

「よし氷菓、例の魔法だ」

「りょ〜」


 氷菓の魔法で簡単な総当たり式じゃんけん大会が開催された。

 効果は単純で、勝ったら頭上にある光が赤く光るから、最後まで頭上の光が白のままだった人が抽選会の代表になる。


 そしてその結果………。


「はい決勝!ここまで全てを一本負けして来た余りにも運の無い男!トムヤムクン!」

「対するは今回、そのトムヤムクンを引きずり下ろすために、ここまで計算し尽くし負け続けたアホ氷菓〜」

「俺の解説可笑しくねぇかビルド!?」

「ライム、正しいけどアホは余計」


 途中から何故かラムネから司会用のマイクを渡されたから、仕方なくビルドと一緒に実況中という訳です。


「と言うかお前は何で俺負かそうとしてんの!?」

「まぁ、トムなら一周回って面白い役割引いてくれそうだったからね」

「何でだよ!?」

「まぁ、ここまで少し頑張ったけど。今回は手を抜いても勝てそうで良かったよ」

「巫山戯んな!?たくっ、こうなったら絶てぇに勝ってやるかんな」


「それじゃあ行くぞー!じゃんけん」

「はあ!!」

「ほい」


 余りにも空気感が違いすぎる2人が出したその手は……。


「畜生ーー!!!」

「ふッ」


 うわぁ……氷菓は本当に容赦ないですね。

 かけた眼鏡を光らせながら完全に勝ち誇って見下す氷菓と、凄い絶望して真白くなりながら見事なorz決めてるトム。

 そして負けた方は当然。


「おーし、早く抽選会場に移動するぞ〜」

「………」

「完全に燃え尽きたね」

「我が生涯に一遍の悔いなし」

「それ負けた方の台詞ね」


 何故か氷菓がご機嫌だけど、それとは対比のトムは本当に不憫ですね。

 まぁいつもの事なので気にはしませんが。


 2人が抽選から戻って来る間に、私はミューの工房に来ている。


「ミュー、もう2本分追加するね」

「……ライム、今なんて?」


 ん?少し前までなら、素材渡すだけで狂喜乱舞していたのに、一体どうしたんだろうか。


「もう2本分の武器の材料追加って」

「鬼かあんたは!?」

「そんなに?」

「そんなにだよ!今やってるのだって、作業手順や工程で少しでもミスすればただのゴミになるんだからね!?こんな繊細すぎる作業手順そんなに何日も続けてたら燃え尽きるよ!」

「本望では?」

「悪魔だ!?」


 最近悪魔の友達は出来たけど、私は悪魔になった覚えは無いですよ?


「それで今度はどんな素材持ってきたのさ」

「そうでした、ようやく仕込みが終わったので持ってきたんです」


 そう言って私が取り出したのは、以前にも取り出したの魔力付与されたオリハルコン、ではなくてアダマンタイトをゴロゴロと、それから神様達から貰った核を素材にした合成品。

 こう言った素材の合成をしていて思うのは、何故そうなったのかよく分からない結果が出てきたりもするんですよね。


「もう驚き疲れたよ。それとライム、早速2本分出来てるよ」

「早いですね?」

「こっちもこんな作業を連日はしたくないよ。だから早めに集中力が切れる前にやってるの」


 成程それはいい考えですね。私も偶には休憩を挟んでから生産や探索をする様にしますか。

 それはそうと、出来上がった武器は………。



豊穣之剣 神器 品質SSS+

Lv1

耐久値- 攻撃力500,000,000,000

スキル:永久機関、無尽蔵の暴威、輪廻、全反射、反射超強化、変化、覚醒、解放、神格化

加護:鍛治神の寵愛、獣神の寵愛、龍神の寵愛、豊穣神の寵愛、森神の寵愛、生命神の寵愛、武器神の寵愛


暴食之剣 神器 品質SSS+

Lv1

耐久値- 攻撃力500,000,000,000

スキル:暴食、果てなき飢え、昏き星、全吸収、吸収超強化、変化、覚醒、解放、神格化

加護:鍛治神の寵愛、獣神の寵愛、暴食之王の寵愛、冥界神の寵愛、死神の寵愛、武器神の寵愛



 おー、流石です。私が何日も探し厳選し錬金したあの日々は無駄じゃなかった。

 それと獣神様、これもしかしなくても乗りで寵愛渡してませんか?あと何でスキルよりも加護の方が多くなるんですか。


 なんの素材を使ったのかは見れば何となく分かるけど……神様達、知らない方も含めて、これは私1人が持て余すにはどうなんでしょうか……。


 私が達成感と共に、少しやり過ぎてしまったか、この後来る神器の事も考えていると、置いてある神器が光出し、やがて収まった中から出てきたのは……。


「……………」

「「?」」


 出てきたのは小さな2人の女の子、本当に小さいです。幼児?と思うくらいに小さいんです。だけどそこは問題ありません。

 じゃあ何処を気にしているか?この子達にはあるんです。そう!獣耳に尻尾が、それも私と同じ狐の!ありがとうございます獣神様!お陰様で最高の神器になりました。


「「おかぁさん?」」

「はいお母さんです」

「…………ッ!?」


 そんなに驚いた顔をしてどうしたんですかミュー?この子達は私の子ですよ異論は認めません。


「そうだ、名前を決めないと」


 と言っても既に決めてある。

 豊穣之剣の金髪金目にショートの子はムギで、暴食之剣の黒髪黒目のショートの子はアズキにします。



豊穣之剣 神器 品質SSS+

名前:ムギ Lv1

耐久値- 攻撃力500,000,000,000

スキル:永久機関、無尽蔵の暴威、輪廻、全反射、反射超強化、変化、覚醒、解放、神格化

加護:鍛治神の寵愛、獣神の寵愛、龍神の寵愛、豊穣神の寵愛、森神の寵愛、生命神の寵愛、武器神の寵愛


暴食之剣 神器 品質SSS+

名前:アズキ Lv1

耐久値- 攻撃力500,000,000,000

スキル:暴食、底無しの飢え、昏き星、全吸収、吸収超強化、変化、覚醒、解放、神格化

加護:鍛治神の寵愛、獣神の寵愛、暴食之王の寵愛、冥界神の寵愛、死神の寵愛、武器神の寵愛



 可愛いですね。これからどんな服を作ろうか今から楽しみでしょうが無いです。


「ムギとアズキは何がしたい?」

「「おかぁさんといたい」」


 この上目遣いがたまりません。それじゃあ分身に着替えを作らせつつ、私は2人をある腕輪に()()する。



明けの明星 装備 品質SSS+

耐久値- 防御力100,000,000,000

スキル:強欲、箱庭、装備2/10【ムギ、アズキ】、帰還、自動回収、空間掌握

加護:細工神の加護、強欲之王の加護、時空神の寵愛、武具神の寵愛



 こんな感じで、前に来たベルゼブブに連れられて魔界に行ったんだけど、その時にお茶会を開いてたみたいで、その時にルシファー、レヴィアタン、ベルフェゴールがいて、その時にちょっと色々と貰ったお陰で、今回色々と作れそうなのだ。

 因みにその後何やかんやあって、他の悪魔からもしっかり素材貰いました。



 この話はここまでにして、分身だけど新しい装備を作る作業をしようか。

 私は次に、テルの木工所に新しく増設した裁縫用の施設を訪れている。


「全く、分身の使い方が荒いって思ったけど、それをやってるのも私か……」


 改めて思うけど、今の私は自分が分身だと分かるし、確りと自覚もしている。

 だから余計に思うけど、人一人分の人格を複製してしまうこのゲームのAIは凄いけど、その反面凄く恐ろしいものだとも思う。

 よくある話軍事利用とかなんてされたらたまらないでしょうね。


「まあ、そんな事はどうでもいいんですけどね」


 私は私だ。たとえ分身だったとしても、本体と違って私は殺られても死ぬ訳じゃない。元の持ち主の魔力に戻るだけで、何度でも蘇るのです。

 生身の人間よりも、こういった所では寧ろ好都合ですよ。スペックだって、本体があんなに化け物やってれば問題ない。と言うか今の分身は本体とのステータス差なんて無いから、単純に戦力倍以上なんだよね。

 運営も修正を入れるつもりは無いみたいだし、これはそのままでいいみたい。

 本体もこれをプレイヤーとか運営主催のイベントで使う気が無いみたいだから、そう言った面もあるのかな?


 さて長ったるい話はここまでです。今回用意したのはこちら、さっきミューにも渡した魔鉱石化したアダマンタイト、それを糸状にして更に布に仕上げた物。しかしそれだけではなく、迷宮を更に下に潜って見つけた神の羊さんから頂いた羊毛と一緒に織り込むことでより優れた布地に。

 それだけでなく鉱石繊維だけの布地と、羊毛だけの布地で挟み込んで錬金を使って一体化、表と裏地で質感の違う極上の布地の完成です。

 一応コストの事もあって、初めはその2つで錬金してみたけど、結局両方使った布地を間に挟まないと性能アップをさせる事は出来なかった。


 それから私はひたすらに、ただ1人で自前の裁縫道具を手に作業を進めて早数日、ついに完成まで漕ぎ着けたのです。


「やっと出来ました……」


 完成したものを見て、この数日間の自分の努力に心からの感動と達成感を胸に、いざ装備。



魔神のメイド服シリーズ


魔神のヘッドドレス 神器 品質SSS+

Lv1

耐久値- 防御力200,000,000,000

スキル:スキルリンク、瞬間再生、全ステータス超強化、全状態異常無効、覚醒、解放、神格化

セットスキル:憤怒、嫉妬、強欲、傲慢、暴食、怠惰、色欲、変化

加護:裁縫神の寵愛、獣神の寵愛、武具神の寵愛、七大罪の寵愛


魔神のスカーフ 神器 品質SSS+

Lv1

耐久値- 防御力200,000,000,000

スキル:スキルリンク、瞬間再生、全ステータス超強化、全状態異常無効、覚醒、解放、神格化

セットスキル:憤怒、嫉妬、強欲、傲慢、暴食、怠惰、色欲、変化

加護:裁縫神の寵愛、獣神の寵愛、武具神の寵愛、七大罪の寵愛


魔神のワンピース 神器 品質SSS+

Lv1

耐久値- 防御力600,000,000,000

スキル:スキルリンク、瞬間再生、全ステータス超強化、全状態異常無効、覚醒、解放、神格化

セットスキル:憤怒、嫉妬、強欲、傲慢、暴食、怠惰、色欲、変化

加護:裁縫神の寵愛、獣神の寵愛、武具神の寵愛、七大罪の寵愛


魔神のエプロン 神器 品質SSS+

Lv1

耐久値- 防御力300,000,000,000

スキル:スキルリンク、瞬間再生、全ステータス超強化、全状態異常無効、覚醒、解放、神格化

セットスキル:憤怒、嫉妬、強欲、傲慢、暴食、怠惰、色欲、変化

加護:裁縫神の寵愛、獣神の寵愛、武具神の寵愛、七大罪の寵愛


魔神の手袋 神器 品質SSS+

Lv1

耐久値- 防御力200,000,000,000

スキル:スキルリンク、瞬間再生、全ステータス超強化、全状態異常無効、覚醒、解放、神格化

セットスキル:憤怒、嫉妬、強欲、傲慢、暴食、怠惰、色欲、変化

加護:裁縫神の寵愛、獣神の寵愛、武具神の寵愛、七大罪の寵愛


魔神の革靴 神器 品質SSS+

Lv1

耐久値- 防御力400,000,000,000

スキル:スキルリンク、瞬間再生、全ステータス超強化、全状態異常無効、覚醒、解放、神格化

セットスキル:憤怒、嫉妬、強欲、傲慢、暴食、怠惰、色欲、変化

加護:裁縫神の寵愛、獣神の寵愛、武具神の寵愛、七大罪の寵愛



 早速装備して眺めていると、スカーフに取り付けていた飾り用のペンダントから光が飛び出して来た。


「成程、このペンダントがあなたの核になってるという事?」

「はい、この度は私を作っていただき有難うございます主」

「そこまでは畏まらなくていいよ?」


 見た目は私よりも少し背が高くて、私と同じ銀髪蒼眼の男の子、いや男の娘?声的には高いんだけど、私に合わせてか初めから執事服来てるし。

 もしも自分が男だったらって感じの見た目みたいで凄い不思議な感覚。


「それじゃあ名前だけど、キューバなんてどうかな」

「分かりました。これからはキューバと名乗ります」


 そう言ってキューバは、直ぐにペンダントに戻ってしまった。

 ムギとアズキみたいにお世話してって感じにはならないけど、これはこれで頼り甲斐はありそうでいいかも。


 こうして私は、完成した装備に満足してその日はそのままログアウト、流石に疲れも溜まっているから今日はもう寝てしまおう。

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