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メイドだって戦闘職です  作者: カエデ
二章
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再会は唐突なものでなきゃ

 聞くと言っても、ミューもまだそこまで分かってることも少ないみたいだったから、その知ってる部分についてでも聞いておくことに。


「神器と言うのは、元々は神様が作るからそう呼ぶんだ、そんな感じで思っておいて。そこで、神様の作る神器と僕ら人類が作る神器、この二つの違いとは、ずばり原型を持つか持たないか。今回の天照ちゃんは初めから刀として形を持たせてはいるけど、今現にこうして人の体をする事も出来る。それならその逆は?勿論初めから形あるものではなかった。そこで僕はこう考えた。この世界にある本、それも子供が読むような絵本の内容がもし本当なら、魔王と戦ってきた勇者なる存在や、歴史に名を残す英雄たち。彼等が授かったのは希望の光だと書かれるものも少なくは無い、どう?面白そうでしょ」


 つまり前提の違いとして、神様達が渡したのは完成前の力の塊で、それに形を与えたのは当時の英雄達その人って事で合ってるのかな。


「まぁ、作ったから分かることも有るんだけどね。神器っていうのは本来意志を持ち合わせない、本当にただ持ち主の願いを叶える希望ってだけなんだ」

「へぇ」

「ちょっと待て、て事はお前は本来意思がない物に自我を与えたって事か?」


 直接的に受け取ればそうなるけど、今回は元のシルヴィの意志的なのも多少はるんじゃないのかな。


「ラムネはシルヴィちゃんに感謝だよ」

「分かってるよ。今度は離さないって」

「「浮気?」」

「誰とだって!?」


 本人がこんなんじゃ……フィロが本当に報われない、その内適当な旅行でも計画してやりましょうか?


「それでライムは?ここに来たってことはもしかして」

「ええ、揃いましたとも」


 と言うわけで私が集めた自慢の素材の数々、今見せますよ。


「ちょっ!?多くない?」

「まぁ色んな人?から貰ったので、せっかくだから全部作りたくて」

「と言うか何これ、何処を探せば見つかるんだ……」


 今回集めた材料は、前に見せた石剣、それから最上位龍の核を一つのアイテムとして錬成して貰った龍神核。ふふふ、その他にもギデさんに頼んで貰った、最高品質の、オリハルコン、ミスリルその他諸々の素材達が、今こうして揃ったのだ。


「なぁライム、お前は一体何処の核兵器を目指してるんだ?」

「何言ってるんですか?私はただ勿体ないから作るだけですよ?」

「前々から思ってたけど、ライムそう言うとこあるよね」

「ああ、こいつは毎回の様に、自分の物にはとことん拘るタイプだよ」


 そりゃあ拘るでしょ?だって自分のお気に入りだったり、好きな物ってもっといい物が欲しくなるじゃないですか。


「あ、そうだった。ミュー、これって武器の作成に使えますか?」


 そう言って私が取り出したのは、この世界で冒険を始めた頃からずっと私が着けていたスカーフ、その飾りになっていたペンダントだ。


「これってライムの、って事はそのスカーフは」

「2代目です。でも思入れがありますし、何よりこう言った思い出の品は、形を変えても持っておきたいので」


 そう言って、アイテムボックスから更に私が自分で魔力不要を施した特性魔鉱のオリハルコンを取り出す。


「ねぇギルマス。何かエグいの出てきたんだけど……」

「言うな、今更だろう」

「それで、いくら必要?」


 それからズット唸り続けて、ようやくまとまったと金額を提示するミュー。


「今回作ったラムネの武器からかんがえて、これ全部、計7振り……加工が有り得ない位に難易度が高くて、70億Gとかになっても大丈夫?」

「そんなに安く済むんですか?」

「え?」

「は?」

「え?」


 あれ?何か変な事言ったっけ……?


「ライム、お前今ギルドにいくら貯金してる?」

「沢山?」

「零いくつだよ」

「37?」

「確か澗だったか?」

「地球じゃ絶対に使われない頭おかしい単位だね」


 私としては分身が常に迷宮に入り浸ってるから、それをそのままリズさんに流してたら溜まっていただけ。


「それ絶対にこの国の国家予算超えてるよ絶対に」

「だろうな、少なくとも国の金庫一つは空だろ」


 中々に酷い言われ様ですね。だけどそれを言うなら、毎回ピッタリと現金渡せるリズさんのお財布どうなってるんだろう。


「まぁ、いいや。それじゃあ僕は作業するけど、全部の組み合わせはこれでいいの?」

「そのままで大丈夫です。何なら後で画像送る」

「そうしてくれると助かるよ」


 そう言って工房に1人で戻っていくミューを見送ったら。今日は適当に分身体の確認をしたらログアウトした。



 次の日はまた氷菓と街を回りながら少し最近の話でもする事に。


「ライムは何か出来た?新しい魔法」

「一応ユウナさんに協力を頼んで、土の魔法をベースに、魔物の固有属性の木属性を組み込んた植物の成長補助と促進の魔法」

「へぇ、私も魔薬草とか霊薬草とかは使うし。後でスキルスクロール作ってよ。そして頂戴」

「いいけどコピーは?」

「私は木属性の魔法は取れないから。改良されてても、覚えたいならスクロールが必要」


 成程、確かに私が使う魔法属性は元々はモンスター固有の属性のスキルがある。それが覚えられるのは多分霊獣、あの王様がスキルくれたからだろうし。


「それで氷菓は?」

「スパーノヴァは何故か禁忌って魔法になっちゃった。多分こっちで使うなってことだと思う」


 成程ね〜、スキルを通して釘を刺されちゃいましたか。


「まぁでも収穫はあったから。また別を考えてるよ」

「そう言えば、私まだ氷菓が何の魔女の称号を貰ったのか聞いてなかったんですよね」

「あぁ……称号?うん、あれねぇ……」


 何故かひたすらに言いにくそうにしている氷菓だけど、そんなに変な称号貰ったわけじゃないと思うけど、言いたくないなら面倒ですしいいかな。


「やっと見つけた……」


 何か凄い恨みの籠った、それこそ何十年と探し続けた親の仇を見つけた主人公のような声。

 そんな人に見つかるなんて運の無い人も居ますね。


「ちょっと!?何で無視するのよ?」


 相手の方無視してるんですね。こういったことに慣れた方なのですかね。


「もぉー、そこのメイドよ!」

「あれ、私ですか?」

「そうよ!」


 ふむ……何処かで会ったっけ?


「もぉー、エルザは少し落ち着いて」

「ちょ、私は落ち着いてるわよ」


 えぇ〜……、とても落ち着いている人のテンションじゃないと思う。


「えっと……」

「あぁ、やっぱり覚えてないかな……迷宮で揉めてた所を仲裁してもらったんだけど……」


 あっ、思い出した。あの時の以下にも新人な人達。


「あの後どうしたんですか?」

「あれからは一応レベリングをしたり、お金を集めたりしたの」

「それで、前にあんたが言ってたギルドに行こうとしたって訳なの。これでも職業だってもう三次職が上限なのよ。だからそのまま四次職にならないで何か面白そうな職業を探しているのよ」


 それはいいことですね。私も特殊な分岐して今のメイドですし。

 すると氷菓が言うの面倒と、どデカく顔に出しながら提案してきた。


「取り敢えずこんな所で話さないで何処かお店に入らない?」

「それもそうですね。御2人はどうですか?」

「私は大丈夫です」

「私もあなた達を探していた訳だから、場所は何処でもいいわ」


 という事で、近場の飲食店に。少し割高だけど、二回の個室バルコニーで軽く食事を挟むことに。


「それで、そっちは何でライムを探してたの?」


 その質問でぱっと思い出して、要件を伝えてくる。


「そうそれ!私とアリアをあんたのギルドに入れて欲しいの」

「いいですよ」

「本当に!?」


 本当に少しだけど戦闘は前に一度だけ見てるし、特に問題はなかったと思う。

 まぁ、私はギルマスじゃないから。最終的な決定はギルマスのラムネに言って欲しいかな。


「でもライムはギルマスじゃないよ?」

「知ってる。だから推薦するだけ」


 これだけ入っておかないとね。


「別に構わないわ。後は自分の力で入るから」


 と言うわけでお早い帰宅です。

 早速お役所仕事をしているラムネにまたもんだ……お仕事を持って行ってあげましょう。


「ラムネ〜新人連れて来た〜」

「早い。まだ希望者」

「あ?」


 私と氷菓の言っていることが分からなかったみたいですね。


「この2人」


 そう言って私は、自分の後に控えているエルザさんとアリアさんを紹介する。



「つまりは入団希望な。話は聞いてたが特に問題は無さそうだ、これなら直ぐにでも入団可能だが」

「じゃあ!?」

「その前に一つ、2人はこの世界を楽しんでるか?」


 何処か巫山戯たような質問だが、ラムネの顔が凄く真面目なため、食ってかかることもせずに、冷静に判断をしている。


「そんなの当たり前でしょ?」

「私も、戦闘はもう少し練習が必要ですが、とても刺激的な毎日ですよ」

「そっか、それなら問題ない。2人とも無事に入団だ」

「「やったー!!」」


 2人で喜んでるところで悪いんですけど、この後の部屋割りとかその他諸々の説明があるんですけど。


 それで2人は、大部屋と小部屋が隣合ってるエリアの部屋を選んでいた。

 エルザさんは小部屋で、アリアさんが大部屋、何か人形を作るのにこれくらいが丁度いいとかで決めたみたい。


 一応相部屋とかもあるし、一部のギルドメンバーには結構人気で、感想を聞くと揃って豪華なホテルと言う言葉が返ってくる。

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