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メイドだって戦闘職です  作者: カエデ
二章
84/111

神様の試練?余裕でしょ

 長くて同じ見た目の廊下を歩いてたどり着いたのは、褒賞と聞いて想像していたアニメや漫画なんかの広間での謁見的なのを想像してたんですけどね。

 これじゃあまるで………。


「裁判所?」

「確かに」


 今日はよく考えが合うのか、顔を合わせて頷きつつ、お互いにアイテムボックスの中身を確認していると、派手ではないけど、やたらと豪華なローブを来たおじいちゃんが出てきた。


「まずは此度の褒賞を受けてくれた事に感謝する。そして私はこの国唯一の大魔人にして魔導を極めし魔導王、エルメリヒ・ライルクスである。そしてそなたら……」

「あの」


 いや氷菓?話遮るのはどうなんだろうか。

 私は氷菓が言いたいことは分かる。あのおじいちゃんは多分変装しているだけで、本来の姿じゃない。


「魔導王さん、式典では変装魔法はあり?」

「ふむ、その質問の意味を問うても良いかの?」

「自分で分かってるでしょ?それにこの場所、あなた以外に人が居ない、式典みたいなものだって聞いてたんだけど、違うのかな?」

「ふははは、失礼。しかしよくぞ見抜いた。やはり魔神様より寵愛を授かる者同士、油断も出来ぬかな?」

「「!?」」

「「?」」


 横の2人はなんの話しをしているのか分かってないみたいだけど、私は氷菓がどの神様から力を貰ったのか知っているから、正直驚いた。

 この魔導王、ただもよではなかったみたいです。


「まぁ、そう身構えなくても構わん。お主らにはこの後魔神様の試練を受けてもらう。そしてその試練、見事突破できたのなら、魔神様はお主らには更なる力を授けるだろう」


 要するに今回の褒賞、一応は魔導議会からの正式な各ずけと、魔神様の試練に挑む権利の獲得、そういう事ですね。


 すると魔導王さんは腕を上に掲げてから勢いよく振りかざした。よく分らないままでいると、急に視界が代わり、全てかわ一瞬真っ白になったかと思えば、どこか分からない図書館に来ていた。

 周りを見てると、氷菓だけ納得していてそれで何となく察せた。

 ここは多分。


「いらっしゃい。そして先ずは早くも資格を得たこと、これはとても素晴らしいことよ」


 多分さっきまで読んでいたのだろう、栞の刺さった本に、ティーセット、それらを前に優雅な一時、そんな雰囲気で迎えてくれたこの人は、と言うか神様は。


「私は魔神。早速だけどあなた達の受ける試練、その内容を伝えるわね」


 魔神様の試練は至って簡単、物理の効かない巨大な蛇を見事に倒せれば試練はクリア、晴れて報酬ゲット。


『2人とも聞こえているかしら?』

『『うわぁ…なんか直接脳内に』』


 試験始まるのかと思ったら、何か直接脳内に語りかけられてるんですけど。


『んん、いいかしら?』

『『あっ、はい』』


 流石にちょっとふざけ過ぎたかな、魔神様顔は笑ってるのに雰囲気が暗いんだよなぁ。


『はぁ、前にあなた達が貰ったと思う神々の力は使っちゃダメよ。それは貰ったと言っても、あなた達の本来の力じゃないわ。それに、その気になれば一瞬で終わってしまうし、ステータスも出来れば元に戻さずにお願い』

『分かった。それくらい余裕』

『面倒は嫌いなんですけどね』

『お願いね』


 最後にそれだけ言って何かの魔法を発動する魔神。


「それでは試練見始めます!」



 あれは移動する為のもの、転移の魔法陣の様な物だったのだろう。流石は魔神様と言うべきか、時空神のスキル貰ったのに、全くなんの魔法か分からなかった。


「分からなかった……」


 氷菓も同じなんだろうけど、落ち込みようが凄いですね。


「何落ち込んでるのよ!?もう試練始まってるんだよ!?」

「今回は前衛が居ません。皆さんでヘイトを調整しながら……」

「その必要はない」


 生憎と私はそこいらの魔法使いとは違うんですよね。寧ろ前衛の方が強いと思うし。


「私が前衛にまわるから大丈夫。それから氷菓、一発」

「ふふ、無理を言ってくれるよ全く」

「え、え?何何?何なの?」

「何かの秘策があるのですね」

「ぶっつけ本番だから賭けだよ?」


 正直出たとこ勝負すぎて賭けにすらなってないけど、このステータスであの化け物やるなら、可能性は氷菓にしかない。

 私のユニークスキルは万能だけど、今以上の出力は出せない、何かいい方法無いかな。そんな訳で一発の威力、それを魔法でってなったらこの場では氷菓くらいじゃないかな?



「構いませんわ。私は皆さんのサポートを!」

「私は敵の邪魔をするよ!」


 2人はそれぞれ杖を構えて、メルフィーさんは全員にバフ効果のある魔法を多重起動、そしてシフォンはその反対のデバフを大量に発動して、ユニークスキルか何かだと思う魔法で大量のアンデッドや下級悪魔?とか言うやつも数十体出てきている。

 と言うかバフやデバフは既存の魔法みたいだし、2人共もしかして魔法言語理解してたりするのかな?


「ふぅ……『魔魂装』」

「これがイベントの時にフロストが見たって言う……」


 私は今までみたいに武器を形作ったけど、そこから更に新しいユニークスキル『アームマスター』で本格的に武装する。

 これは武具神と契約した後に、何故かついでのように手に入っていたスキルで、多分ウェポンマスターとは反対のスキルだと思う。

 スキルの効果は軽装や重装、その他にも色々と防具関連のステータスをいじくれる面白いスキルだったりする。


「念の為……」


 一応鑑定をしてみたんだけど……。



ーーーー


試練用蛇6号 Lvーーー


ーーーー


 名前以外が分かんない上に何このレベル表示、と言うか魔神様の名前のセンスはもしかしてちょっと残念なあれなのかな?

 と言うか6号て、まさかこの子って量産型なのかな。


 何はともあれ、私に今求められていることはただ一つ、この子を氷菓に近ずけさせない。


 ごめんね蛇さん、負ける気はないよ。


「ふっ!」

「シャァァァ!?」


 一瞬で、それも今のステータスで出せる最高速度の右ストレート、これで倒せるならそんなもんだった。だけどそんなに甘くはないんだから厄介なんだよね。


まぁ、とりあえず。


「ぶっ飛べ」


 光なんて簡単に簡単に抜き去っていく渾身の一撃は、巨大な蛇を、本来のなら物理が効かないだろうその巨体を、勢いと衝撃、そして見方の援護が加わって限界まで高めた一撃でエリアの反対側に吹っ飛ばす。


「ええぇぇぇえ!?」

「あれは本当に魔法使いなの?」



◇◆◇◆


 取り敢えず今回はライムが前衛をやってくれる。私の仕事は最大火力であいつを消し炭にする事だけ。


 先ずは土魔法を核にそこに重力魔法で超圧縮、そこに炎魔法で火力を上げる、後はこれをひたすら繰り返す、今の私の限界まで繰り返して出来るのは、ちょっとした宇宙の誕生。


「ふふふふ……」

「何で笑ってるの!?」

「でも今は頼もしいわ」


 まだまだ必要、一瞬の抵抗も許さない、残り魔力全部注ぎ込んで吹っ飛ばす。


 流石にそろそろきつくなってきたかな、それなら。


「第一行程終了、自動演算制御でこのままを以上、続けて第二行程」


 最近思ったけど、誰でも使える魔法が存在するならその魔法を魔法と認識または定着させる部分がどこか、たとえ魔法陣の中になくてもあるはず、そう思っでたら案の定、魔神の中にあったものを、今回は私のオリジナル、自分の技に組み込む、勿論貰ったスキルは使わないでだけどね。


 さぁ、この超新星爆発を食らうといい。


「名ずけるなら『超新星爆発(スーパーノヴァ)』さあ!そんじょそこらの星なんか簡単に消し飛ばす大爆発、耐えられるなら耐えてみろ」

「あのまだ居るんですけど?」

「頑張って!」


 何だかんだですぐ離れられるでしょ、気にせずに完成した魔法をぶつける。


「シャァァァァァ!!!」


 後には何も残らずに、ただただ蛇の断末魔が虚しく響くだけ。


「なんだろう……勝ったんだけど……」

「私達は必要無かったかしら」

「バフやデバフは貴重ですし、2人もそれなりに戦えてましたよ?」

「まあ、今回一番高威力の魔法を使えたのが私だったってだけ」


 これで試練はクリアかな?

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