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メイドだって戦闘職です  作者: カエデ
二章
82/111

こんな事を話し合いたい訳じゃない

 扉を勢い良く開けすぎた結果、そのまま扉を壊してしまった。

 それをやった等の本人?神様だから本神?まぁそれは良いとして、この神様で最後かな?

 すると入ってきた神様は私の方を向いてニカッと笑う。


「ああ、それからそこの嬢ちゃん。私はシェン、これでも狩猟の神様やってる」


 これまた凄そうな神様ですね。私もそれに続いて挨拶をして、少しログを確認してみることにした。


 最初が獣神のミーア、これは見た目や雰囲気がそれっぽくて、契約して納得した。

 次は時空神のシン、これがなんだかんだ1番驚いたかも、ログを漁ればそれが夢じゃないと伝えているし嘘じゃないんだよね。

 次は冥界神のラウム、この神様もミーアと同じで、見て納得した。

 それから死神のノイ、これはこれで最初の行動も納得が行くけど、それにしたってね。

 その次が双子みたいな印象の、銀髪に紅い瞳の武器神のヴォル、銀髪に蒼い瞳の武具神カーン

 これだけ見ると凄そうな神様が混じってるのがよくわかる。


「そうだった、ライムの残りの容量で入りそうな神を土産代わりに途中で拾って来たぞ」

「え?」

「ん?」


 容量?キャパ?一体何の話か全く分からない私は、さっき色々と話してくれたノイを見る。


「さっき契約が複数重なっても大丈夫って?」

「ああ。大丈夫だ。」

「ノイ、あなたは仕事の出来る優秀な子だけど、少し口数が少ないのが欠点よ」

「気をつけます。」


 なんかどんどん雲行きが怪しくなってきていると思うのは私だけじゃないはず。


「先ずはライムちゃん、シンがどうしてあなたとの契約を強く望んだかは聞いたかしら?」

「はい、それなら」


 確かに、時空神なんて何処のファンタジー小説にでも出てくる様な神様、そうそう相性のいい人間なんていないでしょう。


「でもね。そもそもこの世界の子供達では、神様本人の力をそのまま行使する様な力は持ってないの。要するに」

「要するに?」


 少し微笑みながら貯めてくるラウムが少し怖いです。

 ドン!と言う効果音か聞こえそうな、そんな感じで揺れるラウムの大きな胸元が、着物越しなのに凄く主張してくる。


「ライムちゃんがかなり以上なの。あとサラシは巻いてるわよ?」

「えぇ……」


 サラシを巻いていてそれって、それは現実にいたら周りの視線が鬱陶しくなりそうですね。


「そうね。周りの男神達の視線が鬱陶しいのよね〜」


 同じ神様相手でそれなら、人間なんてもはや理性の無い動物になるんだろうなぁ……。


「ラウムばかりずるいのよ!」

「そう言えばミーア、私はいいのか?」

「シェンのは胸筋にしか見えないのよ……」

「おっ?嬉しい事言ってくれるなぁ!」

「ちょっ!?離しなさいよ!」


 確かにシェンは女神なんだろうけど………女性の特徴が無いわけじゃない。けどそれ以上に主張してくる全身の筋肉が全てを無にしている。


「まぁ、それはそうと契約しようぜ契約」

「あ、そうでした」


 すっかり忘れていたけど、狩猟神、シェンとの眷族の契約も無事に終わって、連れて来たらしい残りの神様を探すと。その2柱は未だに入口にいた。

 と言うか2柱とも寝てるけど大丈夫なんですか?


「あいつらは森神と月神だよ。白髪に緑のメッシュが入ってる方が森神のフォン、んでその反対で寝てる銀髪の子が月神のコヨミ、2人ともライムの作ったベットの事褒めてたよ」


 ん?それはつまり私が感知していないタイミング、と言うか今みたいな特殊な状況を抜けば毎時ベットの中に本体、と言うか私ですけど寝ていたはず。

 ログアウトした時にでも来たんですかね?


「木の加工が丁寧で、森にあった時と何ら変わらない質感や匂いをそのまま残しているのは感動したよ」

「私もあの触感は癖になるなぁ……次はゆっくり眠りたいくらい」


 2人とも眠そうに目を擦りながらこっちに向かって来て、暫くすると今度は2人とも少し浮いて眠ってしまった。


「おーい、寝るのは契約が済んでからにしろよな」

「あぁ……」

「そうねぇ……」


 普段拠点でのんびりとしている私もこんな感じなんですかね。



『眷族の眷族が完了しました。森神の眷族になりました。』

『森神の加護を………』



 再び長いログが流れたのを、スクロールしながら軽く読み流して。私は隣で今も静かに紅茶を飲んでいるラウムにもう少し細かな事を聞きたくて質問してみる。


「眷族の契約に関しては、私が少し特殊なのは納得しました。その上で何か気おつけるような事って何かありますか?」

「うーん……そうねぇ、これといっては無いけど。神聖国には気おつけなきゃ行けないわね」

「あぁ〜契約しちゃったし仕方ないけど、考えとくべきだったなぁ」


 なんですかその不味い事やらかしちゃった感じの雰囲気は。

 と言うかこの世界って確か、それぞれの国が協力して学校なんかを作って後進育成に励むくらい平和ボケしてる関係じゃ無かったっけ?


「それはあくまで表面上のものだ。」

「中には昔の考えが残ってる人も多いわ。その中でも神に敏感なのが神聖国の一部の信者よ」

「いやぁ〜あれはもう狂信者でしょ」

「なるほど……」


 だけどあくまで一例出会って、他の国に行っても、この神様達の力はそうポンポン使えないですね。

 これはそのうち来るらしい魔導議会とか言うのにも少し気をつけておきますか、分身を連れて行くけど。


「まぁ何はともあれ、これでやりたい事も終わったかな」

「それならもう帰りますね」

「「ばいばーい!」」


 こうして見ると神様も普通の人間と、そこまで変わらないものですね。

 手を振り返したところで視界がまた途切れて、気がつけば少し前までいたお城の一室に戻って来ていた。

 近くに座る氷菓と王妃様を見つけたので、そのまま椅子に座り直します。

 すると着いてすぐ。


「2人して居なくなるんだから驚いたのよ?」

「え?」


 少し困惑しながら氷菓の方を向くと、氷菓はひとつ頷いた後に耳を寄せて来た。


「ちょっと後で私の部屋に来て」

「……」


 何となく要件の察しは着くけど、予想してる通りなら、確かにこの場では自殺行為もいい所。国に使い回されるより、自分達で自由にこの世界を回りたいなら確かにそうするべき。


 取り敢えず頭を少し下げて了承の意を示すと、納得の言った顔をして氷菓は、取り敢えず自分の方は特に何も無かったと言ってだんまりだ。

 かく言う私も、あんな事を他人にベラベラと喋ったら、私の方こそ国に囲われる。


 ここは一つ話を合わせるってことで、突発的な試練を受けて来たと言っておく、試練を受けては居ないけど、まぁそれを気にしてたらどう説明しても変になるし、これが無難だと思う。


「それじゃあ2人とも、今日はありがとう」

「まぁ、何時でもは無理ですけど、少しなら来れますから」

「私は面倒だからあまり頻繁には呼ばないで」

「ふふふ、国の王族にそこまで素直だと、寧ろ話しやすいわ」


 2人で軽く頭を下げて、後は来た時同様に、メイドさんの案内の元お城から出て、出来るだけ早足でギルドに帰る私と氷菓。


 ギルドに帰った私達は、寄り道なんてせずに氷菓の部屋まで全力ダッシュ。


「『ロック』」

「施錠も完璧と、なんだかんだ入ったのは初めてですね」

「そもそも人の部屋を探検するような奴が私達の中には居ない」

「それもそうですね」


 大抵が面倒ってだけだけどね。

 何だかんだこの前の採用試験で入って来た大量のメンバーは、全員ではないけど、その殆どが自分のやりたい事のために、今日もせっせことこの世界を冒険している。

 残っているのは生産系かちょっと暇を持て余してる人だけだ。


「それで話だけど、ライムも貰ったんでしょ?スキル」

「そうですね。まさか九柱とは驚いたけど」

「………ライム………」


 氷菓の分と、自分用とで作った紅茶を飲みながら、あったことを簡潔に伝えたら、何でかまた呆れられる。


「君はいつもそうと言うべきか、件の魔導議会なら多分危ないのは私だけど、神聖国にバレたら一発アウトなのはライムの方だよ」


 確かに神様達にも言われたけど、神聖国なんてもう何度も分身体で行ったことがある。

 今更そんなに気おつける必要もないと思うけど。


「兎に角、先ずは魔導議会とやらに行くだけ行って帰ってくる。それだけ」

「本体生かせる気は無いから頑張ってね」

「引っ張り出すよ?」

「やれるものなら」


 こうしてよく分からない火花を散らしながら、私は自分の部屋の周りを何重という、空間の捻れによる大迷宮を作り出して閉じこもることに。

 そしてこの一件を見ていたカミサマーズは、貰ってその日に力を使いこなすライムと氷菓を見て、渡した本人たちですら軽く驚いていた。

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