生産職達の戦い《木工部門》
(テル視点)
うぅぅ、緊張するよ……。
私は今、氷菓さんに誘われてリベルシングと言うギルドでお世話になっています。
そして私は今日、ギルドの皆で開くイベントの一つの部門で試験管を任されたのですが。
「うぅぅ……」
「そんなに緊張してばっかりいないで、もう少し気楽にね」
なかなか前に進めないでいる私の背中をそっと押してくれるのは、氷菓さんの依頼で杖を作った時に、とても良い品質の木を持ってきてくれたティスさん、最近ではよく一緒に外にも出かけて、色んな木を探しにお散歩をしたりします。
「大丈夫だって、少なくとも今のテルはそこらの有象無象が倒せる様な程弱くはないわ」
「はい…」
ティスさんが言っているのは、数日前にライムさんから貰ったアイテムを使ってから、ステータスが異常に伸びてる事で、信頼の証ってくれた大切な物、それにそのおかげで前よりももっと沢山の木を加工出来るようになった。
「すぅー……はぁー……よし!い、行きます!」
「そうそう、頑張ってね」
一つ深呼吸をして、さっそく中に入ると、部屋の皆の目がこっちを向いて、ついついティスさんの背中に隠れてしまう。
「あはは、私達が今回試験管を努めます」
ティスさんが軽く頭を下げたから、私もそれに続いて頭を下げる。
「それでは早速始める前に、今回皆さんに作ってもらう物に決まりはありません」
そう言うと部屋の中は少しザワザワしだす。すると一人手を挙げて質問をしてきた。
「それはどの程度自由何ですか?」
「えっと……」
「それは言った通り自由です。勿論ギルドに所属するからには武器なんかを作ってもらう事もあると思いますが、私達のギルドが掲げる思いは自由であること、なので今回は、言葉通り何でも構いません。何を作ろうが皆様の好きな様にです」
そう説明を終えたティスさんはその他にも、今回は作業場はこっちで用意する事、その他の道具は持参するのと、材料は持っているならそれを使っても大丈夫な事、それ以外は平等にするために同じ木材を使ってもらう事を続けて説明して、早速作業を始めてもらう。
「皆すごーい……」
「そうね、見てて楽しいわ」
私達は今、工房で作業している皆の木材を見て、それがどう変わっていくのか、楽しみに見て回る。
皆使ってる木の太さも、長さも全然違ってて、そこに1回1回丁寧に刃を入れて削ったり、切ったりして、どんどん形が変わっていって、少しずつ形が出来てきて行くのを見ていて楽しい。
「これ、何を作ってるんですか?」
「ん?ああ、木彫の置物でも作ろうと思ってね。これは出来てからのお楽しみかな」
こんな風に気になったら聞いてみたり、教えてくれる人もいるけど、殆どの人がお楽しみって秘密にされちゃう。
完成を楽しみにしながら皆の作業を見ていれば、終わるのもあっという間で、皆の作った作品が最初の部屋に運ばれてくる。
「どれも丁寧で綺麗です」
「確かに、午前中ずっととはいえ、それでも綺麗に仕上がってるわね」
皆の作品を見終わって、2人であの人のはあれだ、この人はこうだって話して、採用を決めていく。
「そ、それでは発表します。えっと……み、なさん全員を採用します」
「「おぉぉおおお!」」
皆が嬉しそうに大きな声を出したのにびっくりして、またティスさんの背中に隠れてしまいそうになったけど、今度は隠れないで、私が皆に説明をした。
この後私達のギルドに入ってくれるのかとかについて。
これで木工部門の試験は終わりです。




