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メイドだって戦闘職です  作者: カエデ
二章
70/111

生産職達の戦い《錬金術部門》

(カイザー視点)


 さて、僕は今、自分の作業場に入ってくる同じ錬金術士達を見ているが、外見なんて見た所で意味わない、錬金術とは如何に本人が未知へ挑もうとするか、そこが重要であって、見てくれなんで正直どうでもいい。


 集まった参加者達を一人一人見渡し、揃っていることを確認して早速始めさせる。

 今回錬金術で課題とするのは、あるアイテムの錬金をする事、それは錬金術を始めたばかりの者でも簡単に作れる物、それは生命力回復のポーション、それを素材から改良した物だが、手順は近くの紙に記載している。

 材料もこちらで用意しているため作成事態は問題ない、()()()()を除いて。


 一から全てを改良したのだから当然素材が異なるのもそうだが、その質や用途もまた変わってくる。

 今回はそれに気づけるか、もし気づければ文句無しに採用を決める。それ以外でも勿論採用はする。


 そして今回作製させているポーションの違いだが、今回作るポーションは、確かに完成ではあるが、それでもまだ中途半端な物だ。

 その完成品すら素材にして、追加で小から中の魔石を入れる事でその回復効果を伸ばすことが出来る。

 大の魔石では、逆にポーションが耐えられず失敗に終わる事から未だ実験は続けているが、目の前に置かれている答えも同然の製作レシピを見て果たして気づくことはできるのか。


 しかしこれはどういう事か、今僕の見ているプレイヤー達の外見だが、その殆どが未成年、と言うよりこれは中学生から小学生位の連中が程度か?

 内心溜息をつきたくなる。僕は子供の、というか年下の相手は得意じゃない、自分の言葉を理解してもらうために、どうして言葉を砕かなければいけないのか。


 そして大人達が続々と終了を告げる中、子供組はまだ半数も終わっていない、今も懸命に錬金術の道具と睨み合ってるのには感心するが、そろそろ終わってほしい。


 暫くして全員のポーションを鑑定していたのだが、正直これは意外だった。

 今回参加している者の中で、ポーションの効果を高めて提出して来たのは、全員が最後まで道具と睨み合ってた小さい子達だった。

 これは、どうしたらいいものか、確かに見てくれなんてどうでもいいとは言ったが、まさか採用人数を超えた上にその全てが歳下とか、まてまて………。


 僕は暫く唸り続け、時間が過ぎればそれだけ部屋の緊張は増していき、それぞれの呼吸する音が聞こえてくるほどに室内は静かになっていた。


「はぁ………」


 仕方ない、今回は優秀な助手を手に入れたとでも思っておこう。

 こうして、採用された者を挙げていれば、当然いくつかの質問も飛んでくる訳だが、今回用意していた隠れた内容を説明し、更にそれを採用した者全員が行っているのを話せば、納得しない訳には行かない。


「これからよろしくな兄ちゃん」

「よろしくお願いしますお兄さん」


 もうここまできたらこっちが諦めるしかないよな……。


「分かった。これから沢山研究する予定だからな、お前達にはその手伝いもしてもらうぞ」

「「はい!」」


 これを機に、出来るだけ相手が子供だという先入観を捨てよう。結果は目の前のこいつらが物語っている。

 返ってきた返事に笑って返しながら、これからどんなん研究をしていこうかと、考えに没頭していく。


 これで錬金術の採用試験は終了だ。

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